レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/12/08
- 登録日時
- 2016/01/06 00:30
- 更新日時
- 2016/01/21 10:11
- 管理番号
- 6000025421
- 質問
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解決
ユキヤナギの
・開花時期(3月なのか4月なのか)
・名の由来
・属性
・別名とその由来
・原産地
・ネットの情報で江戸時代以前にユキヤナギの花見をしていたという記述を見たが本当か
・シーボルトが日本の植物として世界に紹介したと聞いたが本当か
・ユキヤナギが出てくる読み物やユキヤナギにまつわる話があれば知りたい
- 回答
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【開花時期】
4月 『原色園芸植物図鑑 5』(保育社)、『原色花卉図鑑 下』(保育社)、『日本の帰化植物』(平凡社)、『NHK趣味の園芸樹木図鑑』(NHK出版)p.227、『日本山野草・樹木生態図鑑』(全国農村教育協会)p.388、『樹に咲く花 離弁花①』(山と渓谷社)、
4月頃 『原色樹木大図鑑』(北隆館)、『園芸植物大辞典 2』(小学館)pp.543-544
『原色樹木大図鑑』(北隆館)
3~4月 『キャンパスに咲く花 阪大吹田編』(大阪大学出版)p.261、『キャンパスに咲く花 阪大豊中編』(大阪大学出版)p.62、『世界大百科事典 29』(平凡社)p.14
【属性】 シモツケ属『原色牧野植物図鑑 離弁花・単子葉植物編』(北隆館)、『原色樹木大図鑑』
【名の由来】 『短歌俳句植物表現辞典』(遊子館)p.127、『カラー版新日本大歳時記 春』、『原色牧野植物図鑑 離弁花・単子葉植物編』、『キャンパスに咲く花 阪大豊中編』、『原色樹木大図鑑』、『樹に咲く花 離弁花①』
【別名】
・別名のみ記載 『植物レファレンス事典』(日外アソシエーツ、『原色園芸植物図鑑 5』、『NHK趣味の園芸樹木図鑑』、『キャンパスに咲く花 阪大吹田編』、『日本山野草・樹木生態図鑑』、『園芸植物大辞典 2』、『樹に咲く花 離弁花①』、『世界大百科事典』、『和漢三才図会 上』(東京美術)p.1206
・別名のみ多数 『短歌俳句植物表現辞典』、『カラー版新日本大歳時記』、『図説草木名彙辞典』(柏書房)p.354
・別名と由来 『原色牧野植物図鑑 離弁花・単子葉植物編』イワヤナギ、岩上にはえることによる。
『キャンパスに咲く花 阪大豊中編』白い小花をコメに見立てて、別名コゴメザクラ(子米桜)。
『樹に咲く花 離弁花①』別名の子米花は花を米粒に見立てたもの。
【原産地】
中国 『短歌俳句植物表現辞典』、『日本の帰化植物』、『世界大百科事典』
『原色牧野植物図鑑 離弁花・単子葉植物編』「関東地方以西、四国、九州、および中国大陸に分布し」とある
『原色花卉図鑑 下』、『原色園芸植物図鑑 5』には「日本の中南部、四国および中国に原産し、1863年に欧州に紹介された。」とある。
「中国原産で日本のものは野生化という説もある。」『日本山野草・樹木生態図鑑』
「中国大陸の原産とされるが、西日本の低山地の岩上に自生品がみられる」『園芸植物大辞典 2』
【江戸時代以前のユキヤナギの花見について】
・そのものずばり書いてある図書は見つけられず。
・『四季の花の事典』p.131に平安時代中期の歌合『近江御息所歌合』からの和歌が紹介されており、『和歌文学大事典』(古典ライブラリー)のp.134によると「歌題には梅・柳・花桜・山吹・藤といった代表的な景物のほか、センダン・梶の木の花、山ぢさ、さるとり、岩柳など、当時の和歌では珍しい植物名も選ばれている」とあった。
・参考までに、「大和一の雪柳」とされる天平三年(731)に光明皇后が創建した奈良の海竜(龍)王寺の情報:『四季花ごよみ ふるさとの花』(講談社)と浜離宮に撮影スポットがあること:『江戸東京 四季の花を撮ろう』(日本カメラ社) をお知らせした。豊中市内にも天竺川沿いにユキヤナギと桜並木の名所がある(とよなか百景)。
【シーボルトによる紹介について】
・『原色花卉図鑑 下』(保育社)と『原色植物図鑑 5』(保育社)のユキヤナギの項に「1863年に欧州に紹介された」とある。
当市所蔵の『シーボルト日本植物誌』(ちくま学芸文庫)等で確認したところ『日本植物誌』は1835年から1870年にかけて刊行されたとのことであるが、これが「欧州に紹介された」という記述にあたるのかは不明。
・「ユキヤナギ シーボルト」でウェブ検索すると、長崎大学付属図書館の「シーボルトの植物学」というサイトがヒットし、こちらに「シーボルトはユキヤナギの種名にSpiraea thunbergii Siebと尊敬するツュンベリ-の名を献じている。」という記載がある。
【ユキヤナギが出てくる読み物等】
『四季の花事典』(麓次郎著 八坂書房)に日本の園芸書で始めてユキヤナギを取り上げているものとして、貝原益軒の『花譜』が紹介されている。「子供らよ 子供らよ 花折りに行かんか花々折りに 小米花折りに 一本折っては腰にさし」という淡路島の子守唄も紹介されている。
立松和平『花 立松和平ふるさと紀行』(河出書房新社)
三浦綾子『塩狩峠』、今井通子『マッターホルンの空中トイレ』(TOTO出版)を紹介。
- 回答プロセス
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植物事典、図鑑、樹木図鑑等を参照。
ユキヤナギが出てくる読み物等については全館に調査依頼。
市内に所蔵しているシーボルトの『日本植物誌』関連図書を取寄せ内容を確認。
ユキヤナギの花見について、質問者がいうネットの情報を数点確認すると出典が同じなのか内容・書きぶりともに似ていた。
まず江戸の遊びという点から『図解江戸の遊び事典』(学研)を確認すると、桜のほかに梅、藤、桃、ツツジ、ハス、ハギ、スイセン、サザンカなどの名所があり行楽に行ったことが分かるが、ユキヤナギはない。参考資料となっていた『江戸名所花暦』(八坂書房)を確認するがなし。このほか江戸関連の事典等確認するが出てこず。『新版江戸名所図会 上~下』(角川書店)の索引を見るがなし。
蔵書検索で件名「東京都-紀行・案内記」で検索しさらに全項目「花」で絞り込み、所蔵している図書の内容を確認。
『江戸東京四季の花を撮ろう』(日本カメラ社)に浜離宮恩賜庭園がユキヤナギの撮影スポットとして紹介されている。これが江戸時代からであるかはこの図書では確認できなかったため『日本庭園歴覧辞典』(東京堂出版)、『日本公園百年史』(第一法規出版)で確認。『日本庭園歴覧辞典』では「浜離宮」の成立ちには触れられているが植物についての記述は見られない。)、『日本公園百年史』での「浜離宮恩賜庭園」や江戸時代の江戸やそのほかの地域での行楽についての記述にもユキヤナギに触れている部分は見当たらなかった。
書架で『ふるさとの花 四季花ごよみ』(講談社)を見つけ内容を確認すると、天平三年(731)に光明皇后が創建した奈良の海竜(龍)王寺がユキヤナギの名所として取り上げられていた。ウェブで公式サイトを確認すると「雪柳の枝に白い花が咲き始めて満開になるころには境内は白一色に彩られ、桜が花を添える美しさは『大和一の雪柳』という称号を得ています」とある。
http://www.kairyuouji.jp/season/index.html(2015.12.6確認)
ほかに、「雪柳 名所」でGoogle検索すると「雪柳の由来と花言葉」というブログに豊中の天竺川沿い、西願寺橋近くで桜とユキヤナギの競演をみることができるという「マチゴト 豊中池田ニュース」(更新日時2014.4.3)の記事にリンクが貼ってあった。
http://trend-leader.net/%E5%AD%A3%E7%AF%80/%E9%9B%AA%E6%9F%B3%E3%81%AE%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%81%A8%E8%8A%B1%E8%A8%80%E8%91%89%E2%99%AA.html(2015.12.6確認)
念のため豊中関連新聞記事索引で「ユキヤナギ」を検索すると、2011年4月8日産経新聞朝刊の記事もヒットする。
- 事前調査事項
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「ユキヤナギ 花見 江戸時代」でウェブ検索すると長居植物園や熊本県の黒川温泉のブログ等で「江戸時代以前はユキヤナギが花見の人気者だった」といった記載が出てくる。
- NDC
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- 植物学 (470 9版)
- 参考資料
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- 『四季の花事典』麓 次郎/著(八坂書房) (p.129)
- 『新日本大歳時記』春飯田 竜太/[ほか]監修(講談社) (p.216)
- 『原色花卉図鑑下』塚本 洋太郎/[著](保育社) (p.94)
- 『原色園芸植物図鑑5』塚本 洋太郎/著(保育社) (p.160)
- 『原色牧野植物大圖鑑離弁花・単子葉植物編』牧野 富太郎/著(北隆館) (p.152)
- 『日本の帰化植物』清水 建美/編(平凡社) (p.102)
- 『樹に咲く花離弁花1』茂木 透/写真(山と渓谷社) (pp.692-694)
- 『原色樹木大図鑑』(北隆館) (p.323)
- キーワード
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- ゆきやなぎ(ユキヤナギ)
- 雪柳(ユキヤナギ)
- 由来(ユライ)
- 植物(ショクブツ)
- 植物名(ショクブツメイ)
- シーボルト(シーボルト)
- 花(ハナ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000186765