レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20220928
- 登録日時
- 2023/01/12 00:30
- 更新日時
- 2023/04/05 18:03
- 管理番号
- 0401004831
- 質問
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解決
『新註墨場必携』に載っている「崔子玉座右銘(サイシギョクザユウノメイ)」の最後の行「行苟荀有恒」は、正しくは「行之荀有恒」ではないか。それとも「行苟荀有恒」と表記する場合があるのか知りたい。
- 回答
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国立国会図書館デジタルコレクションの『新註墨場必携』を確認したところ、上段の書き下し文は「之を行ひ苟も恒あらば」となっていた。下段の原文は、質問者からお尋ねがあったように「行苟荀有恒」と表記されていた。
質問者からの情報が『新註墨場必携』での表記だったため、『墨場必携』での表記を確認したところ、国立国会図書館デジタルコレクション『墨場必携巻之一』では「行之苟有恒」となっていた。
そこで他の表記方法を探すため、「崔子玉座右銘」について調べた。
『書道辞典』の「崔瑗」の項目に、「彼の座右銘が『文選』に見え、日本では空海が書した崔子玉座右銘(サイシギョクザユウノメイ)が有名である」とあった。そこで『新釈漢文大系』にて「文選」での表記を確認したところ、「行之苟有恒」となっていた。
空海の書の「崔子玉座右銘」での表記を調べるため、『日本美術作品レファレンス事典 書跡篇1』を使い、「崔子玉座右銘」が掲載されている資料を調べた。
質問者が探している部分は亡失されており、どの資料にも掲載されていなかった。
出典に関する記述が見られる資料もあったが、そこでは出典として「文選」が紹介されており、「行之苟有恒」の表記となっていた。
質問者にはこれらの資料を紹介し、『新註墨場必携』以外では「行苟荀有恒」の表記が見つからなかったと回答。
▶国立国会図書館デジタルコレクション 永続的識別子:info:ndljp/pid/1119916『弘法大師真蹟全集 第2帖』(最終確認2023/3/2)
▶国立国会図書館デジタルコレクション 永続的識別子:info:ndljp/pid/853175『墨場必携巻之一』1894(M27)9コマ(最終確認2023/3/2)
▶国立国会図書館デジタルコレクション 永続的識別子:info:ndljp/pid/2478890『墨場必携 : 新註』1955(S30)417コマ(最終確認2023/3/2)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728)
- 参考資料
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- 新釈漢文大系 93,明治書院,2001.1 (p.388-389 座右銘(崔瑗)|0117541938|/928/シ/(93))
- 書道辞典,飯島 春敬/編,東京堂出版,1995.3 (p.283 崔瑗|0116184896|R/728/イ/)
- 全釈漢文大系32,全釈漢文大系刊行会/編,集英社,1976 (p.230-231 座右銘一首(崔子玉)|0111497020|/920.8/セ/)
- 書道芸術 第12巻 空海,中田 勇次郎/編,中央公論社,1970 ((該当の部分なし)|0111300695|/728/シ/(12))
- 日本書蹟大鑑 第1巻,小松 茂美/編,講談社,1978 ((該当の部分なし)|0110245263|/728.8/ニ/1)
- 原色日本の美術 26,小学館,2000.11 ((該当の部分なし)p.47-48 質問者がお探しの部分が亡失されていることがわかる資料 出典は『文選』と書かれている|0118840412|/708/ゲ/26)
- 書の宇宙 10,石川 九楊/編集,二玄社,1997.11 ((該当の部分なし)|0119940047|/728.2/イ/10)
- 重要文化財 第23巻 書跡・典籍・古文書6 文書・記録2,毎日新聞社,1977 ((該当の部分なし)|0110338548|/709.2/シ/)
- 書道全集 第11巻,平凡社,1931 (巻末「概説釈文解説」p.17-18 座右銘全文掲載「行之苟有恒」 |0111297511|/728/シュ/071887)
- 日本美術作品レファレンス事典 書跡篇1,日外アソシエーツ株式会社/編集,日外アソシエーツ,2001.7 (p.52-53 崔子玉座右銘|0141777185|R/702.1/ニ/1)
- キーワード
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- 書道
- 文選
- 空海
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327009