レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/12/18
- 登録日時
- 2023/03/18 00:30
- 更新日時
- 2023/03/18 00:30
- 管理番号
- 台東区-10605
- 質問
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解決
明治から終戦前後にかけての日本の税制度について調べている(特に台東区の中小規模商工業者について)。公共事業(市町村、病院、宗教施設など)に寄付をすることによって、税金(所得税、法人税、住民税など)が控除されるような仕組みはあったのか。
当時の新聞などで、寄付者名簿や金額などのリストを見かけることがあるが、よく献金をする人は、官営や大企業に限らず、むしろ中小企業や、個人の名前をよく見る。
もしかして、貯金をするよりも寄付をしたほうが税制上なにか優遇があるのではないかと調べ始めたが、なかなか見つからず。
或いは、節税対策ではなく、他に資産運用上のメリットがあるのかもしれないがこちらもよくわからず。
なにか手がかりとなるような情報があれば教えていただきたい。
- 回答
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明治から終戦前後、台東区の中小規模商工業者を対象とした寄附金控除の記述がある資料は台東区史等を見ましたが見つからず。
明治から終戦前後の日本の寄附金控除について以下のような記述があった。
『寄附金課税の問題点』P10~昭和17年2月の「臨時租税措置法」の改正とその条文についての記述あり。当時の解説書『臨時租税措置法解説』(182~183頁)の引用の後に、「創設の当時は太平洋戦争の最中であり、寄附金が激増し、他面において税率が非常に高率であったことから、法人の支出する寄附金を全額捐金参入するとすれば、国の財政収入の確保を阻害するばかりでなく、寄附金の出捐による法人の負担が、法人税の減収を通じて国に転嫁され…」との記述あり。※『臨時租税措置法解説』は国立国会図書館のデジタルアーカイブより閲覧可能のリンクあり(2022/12/17時点で閲覧出来ず)。
『所得税法上における寄附金控除制度の変遷をみるとその歴史は浅く、寄附金控除は、1962(昭和37)年以前は控除が認められておらず、1962(昭和37)年の税制改正において税額控除による寄附金控除制度が創設されたのである。』段野聡子(2019)『寄附金控除制度の課題-アメリカの寄附金制度を基にして-』安田女子大学紀要 47,229-238
現行法上の公共事業への寄附制度は国税庁ホームページよりご確認頂くよう案内。
国税庁管轄の租税大学校に税に関する歴史的資料(史料)を閲覧できる租税史料室もあり。閲覧には申請書の提出が必要。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- B11563176 寄附金課税の問題点 山本守之/著 中央経済社 2016.5 336.983 978-4-502-18991-3
- 国税庁HP No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm
- 寄附金を支出したとき https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm
- 国税庁 租税史料室 https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/sozei/info.htm
- 寄附金控除制度の課題-アメリカの寄附金制度を基にして- https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000023308-00 2022/12/18
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000330626