レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/15
- 登録日時
- 2021/10/26 00:30
- 更新日時
- 2021/12/15 15:15
- 管理番号
- 6000061564
- 質問
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未解決
ナポレオン・ボナパルト(フランスの軍人、政治家/1769-1821)に
読書に関する下記のような名言があるとweb上で読んだ。
「読書家の一族は、世界を動かす者たちなのだ。」
この言葉の出典が知りたい。
- 回答
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言行録・伝記・名言辞典などを確認したが、出典の特定はできなかった。
名言そのものが掲載されている資料も、本としては『気配りが9割』(田村 重信/著 飛鳥新社 2020.7)p.157しか見当たらなかったが、そこにも出典情報はない。
ナポレオンが読書家であった逸話が下記の資料に載っていた。
1.『世界人物逸話大事典』(朝倉 治彦/編 角川書店 1996.2)p.726に、戦場にも馬車で書籍を運び込ませ、つまらない本は馬車の窓からどんどん投げ捨ててしまう。出典として、ルイ=シャルディニ著『人間ナポレオン』が挙げられているが、未邦訳なのか、市内・他市・国会図書館にも出典書の所蔵はない。
2.『書物と愛書家』(アンドリュー・ラング/著 図書出版社 1993.2)p.138・139に、1.と同様の逸話が載っている。最新の小説を要求し、読了したものは二度と手に取らなかった、一日に二十冊もの本を要求した、など。
3.『ナポレオン伝』(エミール・ルードウィッヒ/著 東京創元社 1961.2)p.84 エジプト遠征の際、戦艦に図書室を設け、将校のために小説を選定した。p.182~185ナポレオンがゲーテと会談した様子。p.315幽閉先のセント・ヘレナでも本を運び入れ、使用人たちはその入れ替えに苦心した、読了または拒絶すると、その本を床にほうり出していた。
4.『ナポレオン』(杉本 淑彦/著 岩波書店 岩波新書 2018.2)p.150 エジプト遠征時に戦艦に積み込んだ図書の目録をゲーテが見て、「書物の分類法から、ナポレオンが宗教的なものをどういう観点から眺めていたか分かる」と友人に話した。p.1第1章の扉絵に、出身地コルシカ島にあるナポレオン像の写真。書物を開いた姿で、大の読書家であったことを表わしている。
5.『ナポレオン・ボナパルト』(山上 正太郎/著 社会思想社 1994.4)p.18兵学校の若い時から読書家で、特にルソーにひかれていた。
6.『セント=ヘレナ覚書』(ラス・カーズ/著 潮出版社 2006.3)流刑地セント・ヘレナに随行した著者によるナポレオンの記録。後世のナポレオン伝記でもよく参照されている。所々にナポレオンがどんな本を手にしたか、具体的な書名が記載されている。
また、市内未所蔵であるが(箕面市立図書館等に所蔵あり)『不可能を可能にするナポレオン語録』(長塚 隆二/著 日本教文社 1991.1)は、
出典や、いつの誰への発言なのかを明記した語録であるが、当該の名言は掲載されていなかった。
- 回答プロセス
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質問者の情報源であるWEBページ「本や読書にまつわる格言・名言」https://shuppankagaku.com/knowledge/proverb/ (2021/12/15リンク確認)
の運営元である出版科学研究所に出典を問い合わせたところ、下記のウェブサイトを参照して掲載したとのこと
1.ライブ・ザ・ウェイの「読書をしたいと思う人に贈る名言40選」https://live-the-way.com/life/reading/ (2021/10/12リンク確認)
2.ウェブ石碑「読書」
https://sekihi.net/tags/2215 (2021/10/12リンク確認)
どのサイトにも出典情報の記載はなかった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『気配りが9割』田村 重信/著 飛鳥新社 (p.157)
- 『世界人物逸話大事典』朝倉 治彦/編 角川書店 (p.726)
- 『書物と愛書家』アンドリュー・ラング/著 図書出版社 (p.138~139)
- 『ナポレオン伝』エミール・ルードウィッヒ/著 東京創元社 (p.84,p.182~185,p.315)
- 『ナポレオン』杉本 淑彦/著 岩波書店 (p.1,p.150)
- 『ナポレオン・ボナパルト』山上 正太郎/著 社会思想社 (p.18)
- 『セント=ヘレナ覚書』ラス・カーズ/著 潮出版社
- 『不可能を可能にするナポレオン語録』長塚 隆二/著 日本教文社
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000306545