レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/03/09
- 登録日時
- 2022/12/11 00:30
- 更新日時
- 2022/12/12 12:23
- 管理番号
- 中央図書館R1001022
- 質問
-
解決
「不用意・不謹慎な発言」と「マイクロアグレッション」についての本を探して欲しい。特に以下について書かれた本。
<1>「マイクロアグレッション」理論は1970年代のアメリカで生まれたもののようだが、日本へ入って来た経緯
<2>「マイクロアグレッション」の必要性について
<3>「マイクロアグレッション」の具体例について
<4>目の不自由な方に「目が見えるようになったら何が見たいですか」と質問することは「マイクロアグレッション」に該当するのか
<5>2009年に辻井伸行氏がヴァンクライバーン国際ピアノコンクールに優勝した時、日本のテレビ局のアナウンサーが「もし今目が見えるようになったら、まず何が見たいですか」と質問した。これが不謹慎な質問か否かが議論になったと記憶している。この件について書かれた本か新聞記事が知りたい
- 回答
-
「マイクロアグレッション」とは参考資料(1)によると「特定の個人に対して、属する集団を理由に貶めるメッセージを発する、ちょっとした日々のやり取り」という概念。加害者からみれば無意識的でむしろ善意からの言動であったりする。1970年代にアメリカの精神科医のチェスターピアースによって提唱された造語で、当初は有色人種に向けられる言動を表す用語だった。その後「マイクロアグレッション」概念は社会の中で周辺化されたグループ(女性、障がい者、LGBTの人々、宗教的少数者等)に向けられる言動にも適用されている。
<1>~<4>については参考資料と(1)の共同翻訳者による論文(「マイクロアグレッション概念の射程」金友子)を紹介。但し、視覚障がい者とマイクロアグレッションについて具体的な言及のある資料は見つからず。
またマイクロアグレッションを誘発する無意識の偏見やステレオタイプについて言及した資料も紹介。
<5>は朝日新聞の辻井氏へのインタビュー記事と当時の読者の投稿記事しか見つからず。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション デラルド・ウィン・スー/著∥マイクロアグレッション研究会/訳 明石書店 2020.12 361.8 , ISBN 978-4-7503-5117-9
- 差別の哲学入門 池田喬/著∥堀田義太郎/著 アルパカ 2021.12 361.8 , ISBN 978-4-910024-02-8 (p.212-253)
- マイクロアグレッションを吹っ飛ばせ 渡辺雅之/著 高文研 2021.11 361.8 , ISBN 978-4-87498-775-9
- 無意識のバイアス ジェニファー・エバーハート/著∥山岡希美/訳 明石書店 2020.12 361.4 , ISBN 978-4-7503-5123-0
- あなたにもある無意識の偏見 北村英哉/著 河出書房新社 2021.7 361.4 , ISBN 978-4-309-50426-1
- ステレオタイプの科学 クロード・スティール/著∥藤原朝子/訳 英治出版 2020.4 361.4 , ISBN 978-4-86276-287-0
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 社会科学
- 内容種別
- 一般資料
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000325524