レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月24日
- 登録日時
- 2023/11/29 14:53
- 更新日時
- 2023/11/29 14:53
- 管理番号
- いわき総合-地域735
- 質問
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解決
長谷川善和∥著『フタバスズキリュウ発掘物語』p.11文中の「大久川」という語に「おおびさがわ」とルビがふられているが、「おおひさがわ」ではないか?
- 回答
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当館所蔵資料等を調査したところ、「大久川」について、以下のような読み方が確認できました。
≪河川名≫
以下の資料によると、河川名としての「大久川」の読み方は「おおひさがわ」となるようです。
【資料①】『河川・湖沼名よみかた辞典 新訂版』日外アソシエーツ∥編 2004 p.42
【資料②】『日本歴史地名大系 7 福島県の地名』平凡社∥発行 1993 p.82
→「楢葉郡」の項の文中の「大久川」にルビあり。
【資料③】『日本図誌大系 北海道・東北2』山口恵一郎∥編集代表 2011 p.565
→解説文中の「大久川」にルビあり。
【資料④】『地名の変化による、いわきの近代化』いわき市立いわき総合図書館∥編 2008 p.214
→文中の「大久川」にルビあり。
【資料⑤】『福島県地名百科』吉田伊勢吉∥著 2001 p.72
以下の【資料⑥】では「おおくがわ」とされています。当館資料の中で、「おおくがわ」とされている資料は、【資料⑥】の他に確認できませんでした。
【資料⑥】『日本全河川ルーツ大辞典』村石利夫∥編著 1979 p.252
≪方言≫
【資料②】『日本歴史地名大系 7 福島県の地名』平凡社∥発行 1993 p.188
→大久村の項に「地元ではおおぴさと発音する」という記述があり、方言としては「おおぴさ」と読むようです。
また、以下の資料では、「大久川」に「おおぴさ」とルビがふられています。
【資料⑦】『いわき化石ガイド』津崎順 他∥著 2007 p.77
【資料⑧】『首長竜のふるさと』草野日出雄∥著 1982 p.17
≪地層名≫
以下の資料によると、いわき市北部から双葉郡にかけて分布する「上部白亜系双葉層群足沢層」に属する「大久川部層」という地層の場合には、読み方は「おおびさがわ」となるようです。
【資料⑨】「地域地質研究報告(5万分の1地質図幅) 川前及び井出地域の地質」久保和也 他∥著 2002 p49
https://www.gsj.jp/Map/JP/geology4-7.html[最終アクセス:2023年11月13日]
(産業技術総合研究所 地質調査総合センターホームページの上記URLページの5万分の1地質図幅「川前・井出」の「説明書」[PDF])
→「大久川部層」の解説のタイトル部分に、「おおびさがわ」とルビがふられています。また、同項の「模式地 福島県いわき市大久町大久川」という記述の「大久川」の部分に「おおひさがわ」とルビがふられており、地層の名称の場合と河川の名称の場合で、読み方が区別されていることがわかります。
【資料⑩】『福島県立博物館紀要 第32号』福島県立博物館∥編 2018
→裏表紙記載の、論文「福島県いわき市の上部白亜系双葉層群足沢層大久川部層から産出したアンモナイトYezoites perrini(Anderson, 1902)」(猪瀬弘瑛∥著)のタイトルの英語訳部分に「Obisagawa」とあります。
以下の【資料⑪】では、「おおひさがわ」とされています。
【資料⑪】『日本地方地質誌2 東北地方』日本地質学会∥編 2017 p.279
→「足沢層」の解説文中の「大久川部層」にルビあり。
確認のため、「いわき市アンモナイトセンター」に問い合わせたところ、地層名の読み方は、【資料⑨】によって考えてよいとの回答を受けました。
- 回答プロセス
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上記回答のとおり。
以下の資料には、地名としての「大久(おおひさ)」の読み方のみ掲載されています。
『角川日本地名大辞典7 福島県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編
『福島県地名総覧』福島テレビ株式会社総務局∥発行
以下の資料に記述は確認できませんでした。
『福島県の河川』(国分理)、『福島県の河川』(福島県土木部河川課)、『みちのく東北地方の直轄河川』(東北建設協会)、『河川調査報告書 東北版』(環境庁自然保護局)、『誰か故郷を想わざる』(久之浜・大久地域づくり協議会)、『久之浜通信 創刊号~第23号』(もろびと舎)、『東北・アイヌ語地名の研究』(山田秀三)、『福島県いわき市河川図(1:50,000) 平成17年3月』(いわき市)、「いわき市内のアイヌ語系地名」(三森二衛)[『いわき地方史研究 第9号』(いわき地方史研究会)収録]、『福島県河川の研究』(田子健吉)、『いわきの河川調書』(いわき建設事務所)、『いわき市管内図(1:50,000)』(いわき市)、『いわき市管内図(1:100,000)』(いわき市)、『ふるさといわき抄』(高木稲水)、『ふくしまの地名を拾う』(笹川壽夫)、『日本地誌 第4巻』(日本地誌研究所)、『川の百科事典』(高橋裕)、『全国総合河川大鑑』(河川・ダム編集委員会)、『全国河川ハンドブック』(水問題懇談会)、『日本列島地質総覧』(加藤碵一)、『写真でつづるいわきの山河』(草野日出雄)、『いわき方言』(高木稲水)、『いわきの方言(調査報告書)』(いわき市教育委員会)、『福島県方言辞典』(児玉卯一郎)
- 事前調査事項
- NDC
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- 河海工学.河川工学 (517 9版)
- 地史学.層位学 (456 9版)
- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
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- 【資料①】『河川・湖沼名よみかた辞典 新訂版』[R/517.2/カ・1112518673]
- 【資料②】『日本歴史地名大系 7 福島県の地名』[K/291/ニ・1110093240]
- 【資料③】『日本図誌大系 北海道・東北2』[K/291/ニ・1114093790]
- 【資料④】『地名の変化による、いわきの近代化』[K/291/チ・1111966469]
- 【資料⑤】『福島県地名百科』[K/291/ヨ・1112152358]
- 【資料⑥】『日本全河川ルーツ大辞典』[R/291.0/ニ・1110011622]
- 【資料⑦】『いわき化石ガイド』[K/457/イ・1112163645]
- 【資料⑧】『首長竜のふるさと』[K/457/ク・1110068663]
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【資料⑨】「地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)川前及び井出地域の地質」
産業技術総合研究所 地質調査総合センターホームページトップ→出版物とサービス→地質図カタログ→5万分の1地質図幅→7.新潟→川前・井出 - 【資料⑩】『福島県立博物館紀要 第32号』[K/069/フ-32・1114095142]
- 【資料⑪】『日本地方地質誌2 東北地方』[R/455.1/ニ-2・1115286468]
- キーワード
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- 大久川水系
- 2級河川
- 照会先
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- 「いわき市アンモナイトセンター」
http://www.ammonite-center.jp/ [最終アクセス:2023年11月13日]
- 「いわき市アンモナイトセンター」
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000342618