レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/12/17
- 登録日時
- 2024/03/30 00:43
- 更新日時
- 2024/03/30 00:43
- 管理番号
- M23121715341810
- 質問
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近世において岡山県内で茶を栽培していた地域はあるか。
- 回答
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①『岡山の作物文化誌 続』には、美作市「海田のチャの栽培は津山藩の奨励のもと江戸時代から盛んとなり、明治時代にはアメリカへも輸出されていた。」とある。
②『美作町史 地区誌編』には、海田茶の由緒沿革が説明されている。「東作では、室町時代、久米郡吉岡村(柵原町)の本山寺の住職が最初お茶を栽培したというが、英田郡では、英田町真神の真木山長福寺の境内で、真木山茶として栽培したのが、茶づくりの始まりとされる。海田も茶の子(種子)を真木山から取り寄せ茶を作るようになったといわれている。」とあり、江戸時代後期の茶の栽培の奨励や、煎茶製造についても説明されている。
③『津山市史 第3巻 近世 1 森藩時代』には、「『森家先代実録』によって、元禄頃の美作各地の特産を拾おう」とあり、「苫田三郡」「久米二郡」「大庭・真島二郡」「英田・吉野二郡」に茶が挙げられている。
④『岡山後楽園史 通史編』には、後楽園の茶畑について説明されており、「後楽園が築庭された元禄時代には、葉茶を煎じて飲む製茶の技術も進み、日常の生活では葉茶が煎じて飲まれていた。後楽園の茶畑で摘み取られる茶葉も、製茶されて上質な茶は藩主の日常の飲用や後楽園での生活に使用され、それ以外の茶は後楽園で働く人々に売却された。」とある。
⑤『吉備群書集成 第1輯 地誌部 上』には、「和気絹」(高木太亮軒、宝永6年(1709)自序)が収録されており、「津高郡」の「土産」の項目に「加茂茶。凡、和朝に茶を取はやす事は、栂尾明惠上人より初まり、大にひろまる事は、嵯峨天皇より起れりといふ。」とある。
「備陽國誌」(和田正尹ほか、元文4年(1739))も収録されており、「津高郡」の「産物」の項目に「茶 江與味村に出づるもの尤佳なり。建部郷長田店多く是をいたす。」とある。「和氣郡」の「産物」の項目に「茶 樫村・八塔寺村・大藤村・室原村・南山方村・北山方村・奥鹽田村・下畑村・東畑村・大股村。」とある。
⑥『新編吉備叢書 第2巻』には「吉備前鑑」(元禄・貞享の頃の作と推定)が収録されており、「備前産物」に「加茂山茶」が挙げられている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 作物栽培.作物学 (615 9版)
- 参考資料
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①臼井英治『岡山の作物文化誌 続』岡山 日本文教出版,2009,156p. 参照はp.36.
②美作町史編纂委員会『美作町史 地区誌編』美作町(英田郡) 美作町,2004,742p. 参照はp.667-670.
③津山市史編さん委員会『津山市史 第3巻 近世 1 森藩時代』津山 津山市,1973,279p. 参照はp.249.
④後楽園史編纂委員会『岡山後楽園史 通史編』岡山 岡山県郷土文化財団,2001,1062p. 参照はp.348-349.
⑤吉備群書集成刊行会『吉備群書集成 第1輯 地誌部 上』岡山 吉備群書集成編纂所,1977,604p. 参照はp.89,162,202.
⑥新編吉備叢書刊行会『新編吉備叢書 第2巻』 歴史図書社,1976,403p. 参照はp.184,203.
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①臼井英治『岡山の作物文化誌 続』岡山 日本文教出版,2009,156p. 参照はp.36.
- キーワード
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- 作物
- 産物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2023121715324941810
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000348283