レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/08/30
- 登録日時
- 2023/11/22 00:30
- 更新日時
- 2023/11/22 00:30
- 管理番号
- 6001062315
- 質問
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解決
マーク・トウェインの「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」という作品について記載されている文献を知りたい。
- 回答
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辞典・事典類には次の記載があった。
■『マーク・トウェイン文学/文化事典』(亀井俊介/監修 朝日由紀子/[ほか]編集委員 彩流社 2010.10)
「“Jim Smiley and His Jumping Frog”(1865)
『ジム・スマイリーと彼の跳び蛙』」(p.94-96)
・「初出は『ニューヨーク・サタデイ・プレス』紙(1865年11月18日)。その後修正され、新しい題名『キャラヴェラス郡の名高い跳び蛙』(“The Celebrated Jumping Frog of Calaveras County”)で『カリフォルニアン』誌(1865年12月16日)に掲載され、単行本『キャラヴェラス郡の名高い跳び蛙、およびその他のスケッチ集』(1867)に収録。さらに『キャラヴェラス郡の悪名高い跳び蛙』(“The Notorious Jumping Frog of Calaveras Country”)の題名で『新旧スケッチ集』(1875)に収録された。」(p.94-95)
・「『サタデイ・プレス』紙に発表されるとたちまち評判になり、全米の新聞や雑誌に紹介され、トウェインはこれを契機に東部での名声を手に入れた。彼の受け継いだ遺産ともいえるフロンティア・ユーモアを文学作品のレベルにまで高めた傑作として評価された作品であり、初期のスケッチのなかでもっとも完成度が高い。」(p.96)
※「スケッチ」について
「文学世界 人種観 スケッチ」(p.172-173)
「『スケッチ』とは、小説に求められる事件(行為)・人物・場面の三要素を要さず、ある種の人物や場面をそのまま描いたものを指す。アメリカ文学では特にこの手法が発達した。」(p.172)
■『アメリカ文学案内:代表的作家の生涯・主要作品・文学史年表・翻訳文献等の立体的便覧』(寺門泰彦[ほか]/編著 朝日出版社 2008.10)
「トウェイン マーク」(p.66-67)に次の項がある。
・「『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙,その他のスケッチ』(The Celebrated Jumping Frog of Calaveras County, and Other Sketches,1867)」
p.67「表題作は『ジム・スマイリーと彼の跳び蛙』に手を入れ,東部的価値対西部的価値の構図を明確化した作品.」
■『研究社英米文学辞典』(斎藤勇/[ほか]編 研究社出版 1985.2)
「Celebrated Jumping Frog of Calaveras County」(p.215)
「1865年11月ニューヨークのSaturday Pressに掲載、のち1867年最初の作品集に収められた。」
上記2点の資料から、「1865年11月ニューヨークのSaturday Pressに掲載」されたのは、「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」と思われる。
図書資料では次の資料に記載があった。
■『マーク・トウェインはこう読め』(和栗了/著 柏書房 2016.10)
・「第二章 母に届かなかった手紙 母親は読者代表」
「ジェイン・ラムプトン・クレメンズとパミーラ・A・モフェット宛、一八六六年一月二〇日付書簡」の冒頭部分の引用のあと、「『跳び蛙』の記事がニューヨーク『サタデー・プレス』紙の一八六五年一一月一八日号に掲載された。それから二ケ月ほどあとに書かれたのがこの手紙だ。母親も姉も既に『跳び蛙』は読んでいる。六六年一月二〇日にトウェインの元に届いたばかりの母からの手紙には『『跳び蛙』は面白かった』くらいに書いてあったのだ。トウェインはこの手紙に『跳び蛙』に関する短評の切り抜きを同封し、自分が物書きとして評価されつつあることを母親に伝えた。(中略)トウェインはこの手紙で自分は文筆業で生きていくとする決意を母親に伝えたのである。」(p.64-65)
・「第八章 失敗にめげるな、アメリカ人よ トウェインの人生訓は?」
「トウェインの『ジム・スマイリーと名高き跳び蛙』がニューヨーク『サタデー・プレス』紙に掲載されるのが一八六五年一一月一七日である。これが東部のいくつかの新聞に転載されて、面白い記事を書く記者トウェインの名前が東部の一部の人々に知られるようになった。」(p.223)
・「第一一章 金は舞台に落ちている 講演会は辛いよ、リヴィさん」
「マーク・トウェインの名前が全国的に知れ渡ったのは、一八六五年にニューヨークの廃刊寸前の新聞『サタデー・プレス』紙に掲載された『ジム・スマイリーと名高き跳び蛙』だとされている。」(p.270)
※上記引用されている書簡は次の資料で確認できる。
■『マーク・トウェイン書簡集 第1巻 1853-1866』(マーク・トウェイン/[著] 和栗了/訳 大阪 2011.3)
「ジェイン・ラムプトン・クレメンズとパメラ・A・モフェット宛 一八六六年一月二十日・カリフォルニア州サンフランシスコ発」(p.498-505)
そのほか、次のような文献などがある。
■『評伝マーク・トウェイン 1 アメリカ建国と作家の誕生』(飯塚英一/著 彩流社 2014.10)
p.321-324「出世作『キャラベラス郡の跳び蛙』」
■『マーク・トウェインの世界 (亀井俊介の仕事4)』(亀井俊介/著 南雲堂 1995.10)
「2 『跳び蛙』の跳躍」p.69-92
■『ジム・スマイリーの跳び蛙:マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫ト4-4)』(マーク・トウェイン/[著] 柴田元幸/訳 新潮社 2014.9)
・「ジム・スマイリーの跳び蛙」(p.39-51)
・柴田元幸「訳者解説」
「ジム・スマイリーの跳び蛙(Jim Smiley and His Jumping Frog)」(p.245-246)
[事例作成日:2023年8月30日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (933 10版)
- 参考資料
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- マーク・トウェイン文学/文化事典 亀井/俊介∥監修 彩流社 2010.10 (94-96、172-173)
- アメリカ文学案内 寺門/泰彦∥編著 朝日出版社 2008.10 (67)
- 研究社英米文学辞典 第3版 斎藤/勇∥[ほか]編 研究社出版 1985.2 (215)
- マーク・トウェインはこう読め 和栗/了‖著 柏書房 2016.10 (64-65、223、270)
- マーク・トウェイン書簡集 第1巻 マーク・トウェイン∥[著] 大阪教育図書 2011.3 (498-505)
- 評伝マーク・トウェイン 1 飯塚/英一‖著 彩流社 2014.10 (321-324)
- マーク・トウェインの世界 亀井/俊介∥著 南雲堂 1995.10 (69-92)
- ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン‖[著] 新潮社 2014.9 (39-51、245-246)
- キーワード
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- ジム・スマイリーと彼の跳び蛙(ジムスマイリートカレノトビガエル)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 業務
- 登録番号
- 1000341329