レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/03/03
- 登録日時
- 2023/04/01 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:43
- 管理番号
- M23030313138788
- 質問
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漢方薬の服用はどのタイミングが良いのか。また、その理由は。
- 回答
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①『基礎からわかる漢方の服薬指導』には、漢方薬(医療用漢方エキス製剤)の服用は「食前または食間に服用」とあり、食前(食事の30分~1時間前)、食間(食後2時間)と説明がある。理由としては薬剤の吸収がよいためといわれているが、明らかな根拠があるわけではないとある。また、漢方薬は医食同源の考えから相互作用を回避する目的で食前・食間が望ましいという意見があることをあげている。
②『今日から使える漢方薬のてびき』にも「漢方薬はいつ飲むのが効果的?」として、漢方薬は一般的には空腹時である食前または食間に服用することが好ましいとある。理由についても、食事とタイミングをずらして漢方薬が食べ物と競合しないようにして吸収率を上げるためかもしれないとしている。また、食前に飲み忘れてしまった場合は、服用することが大事なので食後に飲むようにともある。
③『いまさら聞けない生薬・漢方薬』の「なぜ、漢方薬は食前投与とされているのか?」には、中国の古典ではそれほど食前・食後の区別は重要とされていなかったが、日本の漢方医学に大きな影響を与えた④『漢方診療の実際』の記述を食前・食間の根拠として紹介している。
そのほか、科学的な検討も加えながら「結局、漢方薬の食前投与に根拠はない」と結論付けている。
実際に④『漢方診療の実際』の凡例には、服用のタイミングとして「一日三回に分け、食前一時間に温服する。」と記述があることが確認できる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 薬学 (499 9版)
- 参考資料
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①飯塚晃『基礎からわかる漢方の服薬指導』 ナツメ社,2015,367p.参照はp.72.
②入江祥史『今日から使える漢方薬のてびき』 講談社,2013,197p.参照はp.44-45.
③牧野利明『いまさら聞けない生薬・漢方薬』 医薬経済社,2015,199p.参照はp.77-82.
④大塚敬節『漢方診療の実際』 南山堂,1941,411p.参照は凡例p.2.
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①飯塚晃『基礎からわかる漢方の服薬指導』 ナツメ社,2015,367p.参照はp.72.
- キーワード
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- 服薬
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2023030313113338788
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000331516