レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/03/23
- 登録日時
- 2023/04/27 00:30
- 更新日時
- 2023/05/02 15:38
- 管理番号
- 6000068122
- 質問
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未解決
SNSで室生犀星が書いた第10回芥川賞候補作、織田作之助著「俗臭」の推薦文が全文掲載されている書籍があると書かれているのを見た。この書籍を読むにはどうすればよいか。
- 回答
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豊中市立図書館所蔵資料・大阪府立図書館所蔵資料を調査したが、室生犀星が「俗臭」の「推薦文」を書いていたのかどうか、あるとすればそれがどこに掲載されているのかは判明せず。
下記の資料に、「俗臭」が候補になった際の芥川賞選評が掲載されており、選考委員である室生犀星の評も全文収められていたため案内。
『芥川賞全集』第2巻 文芸春秋 1982.3 p.392~ 「第十回芥川賞選評」
そのうち、室生犀星の評はp.395~396 「私は『俗臭』を推薦することを期して出席したのであるが~」
(選評の初出は『文藝春秋』1940年3月1日発行、第18巻4号)
また『資料 織田作之助』関根 和行/著 オリジン出版センター 1979.1 には
「俗臭」が収められた単行本『夫婦善哉』(1940.5)の、織田作之助による「あとがき」が掲載されており、
その中で作之助は「俗臭」について下記のように述べている。
「『俗臭』は芥川賞の候補作となった。室生犀星氏がこの作品を御推薦して下すったことを審査後記で読んだ時の嬉しさは忘れ得ない。~」
文中の「審査後記」が、前出の「芥川賞選評」であると推察される。
なお、下記の資料には、室生犀星の推薦文についての記載は発見できなかった。
・『織田作之助文藝事典』浦西和彦/編 和泉書院 1992.7
「俗臭」の項では同時代評として「芥川龍之介賞経緯」(前出の選評と同じ)の抜粋が載っているのみ。
・『文藝時評大系 昭和篇1』第16巻 昭和14年、同 第17巻 昭和15年(豊中市立図書館未所蔵。大阪府立図書館所蔵)
「俗臭」が発表された昭和14年9月以降の、室生犀星の時評を探したが、「俗臭」に触れた文章は発見できず。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 芥川賞全集第2巻文芸春秋 (p.395~396)
- 資料 織田作之助関根 和行/著オリジン出版センター (p.138)
- キーワード
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- 芥川賞(アクタガワショウ)
- 織田作之助(オダサクノスケ)
- 室生犀星(ムロウサイセイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 大学生
- 登録番号
- 1000332515