レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20041111
- 登録日時
- 2020/09/17 00:30
- 更新日時
- 2020/09/17 10:01
- 管理番号
- 0001001480
- 質問
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解決
沖縄の妻問い婚(ツマドイコン)についての資料があるか。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
①
『沖縄大百科事典 中 ケ~ト』(沖縄大百科事典刊行事務局、沖縄タイムス社、1983年)
p828 「妻問い婚 つまどいこん」の項に、「夫が毎晩妻のもとへ通って泊り、翌朝早く帰っていくという婚姻形態をいう。…〈源 武雄〉」の記述がある。
②
『沖縄 日本の民俗47』(源 武雄、第一法規出版、1972年)
p170 「十 人の一生 3 婚姻 婚約祝い」の項に、「この婚約祝いをすますと、男はその夜から女のもとに夜は通ってゆく妻問い婚の生活にはいって、夫の所へ移り住むのは子どもが二、三人もできてからというのが普通であった。」の記述がある。
p170 「十 人の一生 3 婚姻 親類への披露」の項に、「婚約祝いを行ない、さらに親類への披露をしてから妻問い婚の生活にはいる婚姻習俗もあった。」の記述がある。
③
「民俗 宮古群島・八重山郡〔本文ママ〕島地域の婚姻民俗の概観」(源 武雄 著)『琉球の文化 第5号』p184-188のうち
p184「両群島において調査した部落を、通い婚様式を行っていた部落…併存していた部落に分類してみた」とあり、通い婚(妻問い婚)を含む様々な婚姻様式の分布調査をもとに婚姻民俗を概観し、その地域差を比較検証している。
④
『沖縄の婚姻』(瀬川 清子 著、岩崎美術社、1972年)
p94「この儀礼を通して聟のつまどいのあり方と…まず聟のつまどいについてみると」の記述等、各所に「つまどい」「つまどい婚」という語彙を用いて言及。沖縄の婚姻成立の経過等を聞き取り調査した民俗採訪の記録。
⑤
「沖縄の婚姻儀礼」(瀬川 清子 著)『沖縄文化論叢 第2巻』(大藤 時彦/小川 徹、平凡社、1971年)p125-133
『日本民俗学会報』二四(昭和三七年)より掲載。聟と嫁と両家の動きを、儀礼を通じて大観したもの。
p132「つまどい 聟入りの儀礼は、聟と嫁の親の親子結びであると同時に、以後妻方婚舎への出入りを許されることであった。」等、「つまどい」の記述がある。
⑥
「通い婚と嫁入り婚 沖縄の婚姻儀礼」(源 武雄 著)『えとのす 第9号』(新日本教育図書 編・刊、1978年)p57-63
p59「沖縄の妻訪い婚 さむらい社会に嫁入り婚が発達したのに対して、農山漁村では「通い婚」または「妻訪い婚」と称されるものが、一般的であった。」の記述がある。
p.60「妻問いの期間」の項に「…妻訪い婚の起源についてははっきりは断言できないが、さむらい階級の間に発達した嫁入り婚よりも、ずっとずっと古い…按司の起源と同時期ではないか…」「妻の嫁入りとなる期間には長短があったが、その期間の決定には、さまざまな要因があったようだ」等の記述がある。
p.61「嫁入り婚と妻訪い婚の形態」の項にその他、沖縄における平民社会の「通い婚(妻訪い婚)」と士族社会の「嫁入り婚」等、婚姻儀礼の紹介がある。
⑦
「妻問の遺風を訪ねて 山原にみる婚姻習俗」(高良 千亀 著)『青い海 第8巻第9号 通巻第77号』(津野 創一、青い海出版社、1978年)p116-119
山原の婚姻風習の概略が述べられている。
p117 「…『ニービチ』とは単純に結婚式及び披露宴をさし、…ニービチの前に、二合盛(結婚の申し込み、約束)やクファンムイ(嫁方の親戚へのあいさつ、披露)があって、実際的には、すでに二合ムイ又はクファンムイの時点から妻問いが許され、夫婦生活に入っている。」の記述がある。
⑧
『沖縄の民俗資料 第1集』(琉球政府文化財保護委員会、琉球政府、1970年)
p116 「10 読谷村字座喜味」(曽根 信一 著)の「13 一生の儀礼 サキムイ」の項に、「サキムイがすんだら男は(カヤ)をもっていって女側の家に寝泊りした。」の記述がある。
p213 「17 平良市字池間島前里添」(岡本 恵昭 著)の「13 一生の儀礼 結婚の儀礼について」の項に、「…結婚を申しこむ。女の気持を認めて、その夜のうちに承認する。その日の承認の日より男は女性と同宿する。」の記述がある。
p299 「21 石垣市字川平」(宮良 賢貞 著)の「13 一生の儀礼 婚姻」の項に「婚約が成立すると酒盛、男は女の所に自由に出入り、或いは泊る」の記述がある。
p333 「23 竹富町字竹富」(崎山 毅 著)の「13 一生の儀礼 (B)結婚」の項に、「男の家の近親者または友人が仲人として、酒肴を持参して女の家に行き、相手方の親の承諾を得る。これを妻乞(とじこい)という。その日から聟として男は女の家に出入りする。」の記述がある。
⑨
『沖縄民俗 第15号~第18号(1968~1970)』(琉球大学民俗研究クラブ、第一書房、1988年)
p28 「〔第15号〕 粟国村 西部調査報告書」(安富祖 瞳/上江田 清喜 著)の「婚姻 ウブクイ」の項に、「…いわゆる婚約の成立祝である。それがすむと男の女方への「通い」が認められる。」の記述がある。
p86 「〔第15号〕 上本部村 具志堅部落調査報告」(嶺井 敏子/上江田 清喜 著)の「婚姻 アジカイクファン」の項に、「…これより、男が女の家に通うことが許される。(偖て結納の式終れば、社会はその成立を認め本人も夫婦気取りにて男は女の家に出入す。これを「妻も預る」といふ)」の記述がある。
p30 「〔第17号〕 中頭郡与那城村 宮城部落調査報告書」(嶺井 敏子/宮城 幸靖 著)の「婚姻 通い」の項に、「ソーレータービラキを済ませてからは、男が女の家に通い、…」の記述がある。
p82 「〔第17号〕 与那城部落調査報告書」(宮城 盛孝/宮城 幸靖/崎浜 純子 著)の「(二)婚姻 ハユイ(通い)」の項に、「…結婚式までの間男性は日中の仕事が終ると夜は許嫁者のもとへ通う。…」の記述がある。
⑩
「〔第21号〕 伊是名村勢理客部落報告 通過儀礼」(照屋 典子/瀬名波 健/平安山 英茂/平良 克己 著)『沖縄民俗 第19号~第22号(1972~1976)』(琉球大学民俗研究クラブ、第一書房、1988年)p15-21
p17-18 「2 婚姻 〔ナハンツ〕」の項に、「ナハンツを終えると二人の仲は公認され、男は女の家へ通い泊り、両家の家が忙しい時は、お互いに手伝ったりした。」の記述がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会科学 (3)
- 参考資料
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- 沖縄大百科事典 中 ケ~ト 沖縄大百科事典刊行事務局/編 沖縄タイムス社 1983.5 (p828)
- 沖縄 源 武雄/著 日本の民俗47 第一法規出版 1972.5 (p170)
- 琉球の文化 第5号 琉球文化社/編 琉球文化社 1974.5 (p184-188)
- 沖縄の婚姻 瀬川 清子/著 民俗民芸双書47 岩崎美術社 1972.3 (p94)
- 沖縄文化論叢 第2巻 大藤 時彦/編 平凡社 1971.5 (p125-133)
- えとのす 第9号 新日本教育図書/[編] 新日本教育図書 1978.2 (p57-63)
- 青い海 第8巻第9号(通巻第77号) 津野 創一/編 青い海出版社 1978.10 (p116-119)
- 沖縄の民俗資料 第1集 琉球政府文化財保護委員会/[監修] 琉球政府 1970.3 (p116、p213、p299、p333)
- 沖縄民俗 第15号?第18号(1968?1970) 琉球大学民俗研究クラブ/編 第一書房 1988.2 (p28、p86、p30、p82)
- 沖縄民俗 第19号?第22号(1972?1976) 琉球大学民俗研究クラブ/編 第一書房 1988.2 (p17-18)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000287248