レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/11/06
- 登録日時
- 2022/11/11 00:30
- 更新日時
- 2023/06/07 15:16
- 管理番号
- 茨城-2020-074
- 質問
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解決
筑波山ケーブルカーや、関東鉄道の前身、東急池上線を創業した、茨城県行方市出身の「高柳淳之助」氏についてその生涯(特に晩年、墓所)を知りたい。
- 回答
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晩年の様子が詳しく書かれているものや,墓所について書かれている資料は見つかりませんでした。
参考に,高柳淳之助の生涯について書かれている資料をご紹介します。
1.高柳淳之助の経歴に関して記述のあるもの
(1)『紙風船』(高柳 淳之助 1958)※館内閲覧のみ
喜字祝記念出版の自伝本になります。
P.7-9 「高柳淳之助経歴」 昭和33年10月(77歳)までの経歴が記載されています。
(2)『茨城人名録』(いはらき新聞社/編 いはらき新聞社 1939)※館内閲覧のみ
【 国立国会図書館デジタルコレクション インターネット公開 】
URL:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1028502/190(デジタルコレクション190コマ目)
P.373-374「タカヤナギ・ジユンノスケ 高柳淳之助」
高柳氏の誕生から「家を富ます道」発行までの記述があります。
(3)『茨城人名辞書』(弘文社編纂部/編 弘文社 1930)※館内閲覧のみ
【 国立国会図書館デジタルコレクション インターネット公開 】
URL:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1187086/268 ※出版年が1932年の資料(デジタルコレクション268コマ目)
P.タ10「タカヤナギ・ジユンノスケ 高柳淳之助」
高柳氏の誕生から大正14年に貴族院議員を辞職するまでの記述があります。
(4)『茨城県人名鑑 昭和35年刊行』(茨城郷友新聞社/編 茨城郷友新聞社 1960)※館内閲覧のみ
P.115-116「高柳淳之助」
生年月日,職業,出身地,現住所,学歴,高柳不動産代表取締役までの経歴の記述があります。
(5)『郷土北浦 第19号』(北浦郷土文化研究会/編 北浦郷土文化研究会 1996)※館内閲覧のみ
P.44-53 石橋栄喜著『北浦村「旧要村」の事蹟』P.51-52「◎高柳淳之助氏 ―公共事業に貢献 政治家―」
高柳氏の誕生から昭和19年(63歳)に海軍省へ飛行機を献納するまでの記述があります。
2.高柳淳之助の晩年について一部記述のある資料
(1)『日本通信販売発達史 明治・大正期の英知に学ぶ』(黒住 武市/著 同友館 1993)※貸出用図書あり
P.241-250 高柳淳之助の華麗な才覚 ⑥漢方薬「三式錠」の発売
高柳氏が59歳で拓殖大学に入学してから,82歳で亡くなるまでの記述があります。
P.250-252 高柳の金銭哲学
高柳の金銭に対する哲学を,氏の著書「家を富ます道」,「事業を生かす道」を引用して説明しています。また,晩年の氏のコメント,簡単な経歴の記述があります。
(2)『北浦町史』(北浦町史編さん委員会/編集 北浦町 2004)※貸出用図書あり
「第五編 近代 第三章 地方改良運動と大正期の農村 第三節 大正デモクラシーと教育文化」
P.510-513「帝国議会で活躍した人びと」
P.512-513に高柳氏の生涯についての記述があり,P.513に「帰郷のたびに車窓からみた景色に魅せられていたという牛久沼畔で晩年を過ごした」とあります。
(3)『北浦の今昔』(塙 正守/著 〔塙正守〕〔1995〕)※館内閲覧のみ
P.34-42「高柳淳之助氏略伝」
高柳氏の生涯についての記述があり,P.39「ホテル経営」「突然,病魔が」の項目に晩年の記述があります。
3.高柳淳之助について記述がある資料
(1)『茨城県友 第10年7月号』(茨城県友社/〔編〕 茨城県友社 1921)※館内閲覧のみ
P.21-24 在京の名士 衆議院議員 高柳淳之助氏の(成功談)
高柳氏が社会人になってから衆議院議員に選出されるまでの自伝です。
(2)『茨城県史 市町村編 3』(茨城県史編さん市町村史部会/編 茨城県 1981)※貸出用図書あり
【 国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信限定 】(デジタルコレクション50コマ目)
URL:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9642354/50
P.89-94 石岡市 五 石岡電気と鹿島参宮鉄道
P.93-94 鹿島参宮鉄道の創立者として,高柳氏の略歴があります。誕生から,衆議院議員を選挙違反で即日辞任するまでの記述です。
(3)『企業破綻と金融破綻』(小川 功/著 九州大学出版会 2002)※貸出用図書あり
第1部 企業破綻 第8章 豆相鉄道・伊豆鉄道 3.小括(P.159-167)
P.160 旧豆相鉄道を買収した小山田信蔵を取り上げ,「創立時に取締役となった鹿島参宮鉄道の主唱者も空前の証券サギ事件を起こした同じ茨城県選出代議士高柳淳之助という天才ペテン師であったから」という記述があります。注)150として,P.166-167に,高柳氏の起こした証券詐欺事件について説明があります。
(4)『茨城富豪盛衰記』(前田 香径/著 いはらき新聞社 1960)※貸出用図書あり
【 国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信対象資料 】(デジタルコレクション48コマ,98-99コマ目)
URL:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2972933
ダンナ族のゆくえ 大正年代の巻(P.67-96)
P.82 ニ十歳前後に小学校の代用教員になった頃から選挙違反した頃までの略歴の記述があります。
P.172-182 長者番付物語 大正年間の多額議員選挙 P.181-182 選挙翌日の新聞に,高柳氏が東京へ召喚されたことが報じられているという記述があります。
(5)雑誌『芸術新潮 1987年4月号』(新潮社)※館内閲覧のみ
P.48 大正サギ師の巨魁 高柳淳之助と有田音松
- 回答プロセス
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1.「茨城歴史人物索引」から茨城県史を調査。
2.出身である牛久市,北浦町の郷土史を調査。
3.自館OPACで全項目「要村」「要小学校」で検索した資料を調査。
4.自館OPACにて「全項目:高柳淳之助」「鹿島参宮鉄道」検索
5.自伝本の略歴より「牛久温泉ホテル」関連資料の調査
6.インターネット検索より,高柳淳之助の関連本を調査
●その他,確認した資料
『茨城歴史人物小事典』(茨城新聞社/編集 茨城新聞社 2017)
『茨城県大百科事典』(茨城新聞社/編集 茨城新聞社 1981)
『鉾田の文化 第37号(平成25年)』(鉾田市郷土文化研究会編集委員会/編 鉾田市郷土文化研究会 2013)
『鹿島鉄道 鹿島参宮鉄道・関東鉄道鉾田線』(白土 貞夫/著 中川 浩一/著 ネコ・パブリッシング 2008)
『レイル No.61 懐かしの鹿島参宮鉄道・半世紀前の近江鉄道・中国河北省の運炭鉄道』(エリエイ/プレス・アイゼンバーン 2007)
『牛久市史 近現代1』(牛久市史編さん委員会/編 牛久市 2001)
『牛久市史 近現代2』(牛久市史編さん委員会/編 牛久市 2002)
『牛久市史研究 第8号』(牛久市史編さん委員会/編集 牛久市 1999)
『うしく歴史散歩』(木村 有見/文 筑波書林 1995)
『郷土北浦 第15号』(北浦郷土文化研究会/編 北浦郷土文化研究会 1992)
『郷土北浦 第31号』(北浦郷土文化研究会/編 北浦郷土文化研究会 2008)
『郷土北浦 第39号』(北浦郷土文化研究会/編 北浦郷土文化研究会 2016)
『茨城百景巡歴』(室伏 勇/著 暁印書館 1979)
『郷土人物事典』(新人物往来社 1979)
『碑文・墓碑銘集 茨城県内版(漢文体)』(鈴木 健夫/著・編 田代 辰雄/著・編 水府金石文研究所 2011)
『英雄の最期と墓所の事典』(かみゆ歴史編集部/編 柏書房編集部/編 柏書房 2016)
『広告の社会史』(山本 武利/著 法政大学出版局 1984)
『紺綬褒章名鑑 自大正10年至昭和22年』(総理府賞勲局/編集 大蔵省印刷局 1988)
『新聞集成昭和編年史 第6巻(昭和6年度)』(新聞集成大正昭和編年史刊行会/編 新聞集成大正昭和編年史刊行会 1959)
『出版年鑑 1955』(出版ニュース社/編集 出版ニュース社 1955)
『朝日新聞人名総索引 第1巻 自大正元年~至昭和20年』(日本図書センター 2004)
『朝日新聞 復刻版 大正編1925年9月号』(日本図書センター)
『朝日新聞 復刻版 大正編1925年10月号』(日本図書センター)
『朝日新聞 復刻版 大正編1925年11月号』(日本図書センター)
- 事前調査事項
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・東急電鉄社史類
・茨城県立図書館にある「高柳淳之助」の著書
・国立図書館にある「高柳淳之助」の著書
・行方市生涯学習課:出身地である行方市の教育委員会 生涯学習課に問い合わせたところ、「晩年は牛久町城中に転居」「牛久園と呼ばれる牛久沼畔の住居で過ごした」との回答を得ました。(行方市の方では墓所は把握していないとのこと)
・牛久氏生涯学習課:牛久町発行の広報誌『広報うしく』の第31号(昭和35年発行)にて、町内に高柳淳之介氏が立てた銅像についての記事。晩年についてはデータなし
・不動産登記:牛久町城中にある「ホテル牛久園」という氏が晩年を過ごしたとされる建物と同名・同条件の建物の登記。(現在は高柳家所有ではなかった。ただしS63年頃からのデータしかなく、それ以前に氏の所有だったのかは不明)
・同氏が亡くなったとされる年の「茨城新聞」のお悔み欄(該当なし)
- NDC
- 参考資料
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高柳 淳之助(1882~) , 高柳 淳之助 , 高柳 淳之助. 紙風船 : 高柳淳之助-喜字祝記念出版. 出版者不明, 1958-10.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062636747-00 -
前田香径 著 , 前田, 香径, 1893-1968. 茨城富豪盛衰記. いはらき新聞社, 1960.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001028460-00 -
いはらき新聞社/編 , いはらき新聞社 , 茨城新聞社. 茨城人名録. いはらき新聞社, 1939-12.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062765451-00 -
弘文社 編 , 弘文社. 茨城人名辞書. 弘文社, 1930.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000738652-00 -
茨城郷友新聞社/編 , 茨城郷友新聞社 , 茨城郷友新聞社. 茨城県人名鑑 昭和35年刊行 第1版. 茨城郷友新聞社, 1960-09.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062309913-00 -
北浦郷土文化研究会/編 , 北浦郷土文化研究会 , 北浦郷土文化研究会 , 小貫 富美子 , 北浦郷土文化研究会 , 安岡 恒次 , 北浦郷土文化研究会 , 吉田 寅次郎( 福岡) , 北浦郷土文化研究会 , 安岡 恒次 , 北浦郷土文化研究会 , 辺田 行基 , 北浦郷土文化研究会 , 羽生 隆一 , 辺田 行基 , 北浦郷土文化研究会 , 石橋 栄喜 , 北浦郷土文化研究会 , 宮内 利夫 , 北浦郷土文化研究会 , 高野 顯 , 北浦郷土文化研究会 , 寺内 泰俊 , 北浦郷土文化研究会 , 辺田 光雄 , 北浦郷土文化研究会 , 石上 禎亮 , 北浦郷土文化研究会 , 斎藤 一男( 北浦) , 北浦郷土文化研究会 , 斎藤 一男( 北浦) , 北浦郷土文化研究会 , 阿須間 邦治 , 北浦郷土文化研究会. 郷土北浦 第19号. 北浦郷土文化研究会, 1996-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062378953-00 -
黒住武市 著 , 黒住, 武市. 日本通信販売発達史 : 明治・大正期の英知に学ぶ. 同友館, 1993.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002235778-00 , ISBN 4496019523 -
北浦町史編さん委員会 編 , 北浦町 (茨城県). 北浦町史. 北浦町, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I030091652-00 -
塙 正守/著 , 塙 正守 , 塙 正守. 北浦の今昔. 〔塙正守〕, 1995-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062392760-00 -
茨城県友社/〔編〕 , 茨城県友社 , 茨城県友社. 茨城県友 第10年7月号. 茨城県友社, 1921-07.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I075072262-00
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高柳 淳之助(1882~) , 高柳 淳之助 , 高柳 淳之助. 紙風船 : 高柳淳之助-喜字祝記念出版. 出版者不明, 1958-10.
- キーワード
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- 高柳淳之助(タカヤナギ ジュンノスケ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土,人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000323813