レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/06/30
- 登録日時
- 2021/04/02 00:30
- 更新日時
- 2021/09/02 00:30
- 管理番号
- 6000021040
- 質問
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解決
塵が積もり続けて山になった事例はあるか、あったとして何年掛かったものと推定されているか。
- 回答
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「塵も積もれば山となる」ということわざがありますが、これは「ほんのわずかな物でも積もり積もれば大きなものになる」というたとえ。「塵」とは小さな土砂粒やほこりのことですが、塵やほこりは少しの風にも吹き飛ばされてしまうため、いくら時間がたってもなかなか山にはなりません。
(『岩波ことわざ辞典』 時田 昌瑞/著 岩波書店 2000.10 より)
実際の山はどのようにしてできるのか『日本国語大辞典』や『日本大百科全書(ニッポニカ)』では「山」を次のように定義している。
「火山作用、浸食作用、造山作用によって、地表に著しく突起した部分。高くそびえたつ地形。」
山を作る作用のうち、大量の塵をまき散らすのは「火山作用」である。火山の噴火によって地表に運び出された物質は「火山噴出物」といい、大きさによって区分されるが、「塵」に1番近いものは粒径2mm以下の「火山灰」と考えられる。この粒子は非常に細かくて軽いため、風に流されて広範囲に降り積もり堆積して地層になるが、実際に山を形づくるのは流れ出た溶岩で、それが高く積み重なって山になる。
また、実際に砂糖や砂などで山を作ってみるとわかるが、物質は積み上げていっても、ある一定の高さまでいくと側面が崩れ、それ以上高くならないという現象が見られる。これは物質によって積み上げた山が安定を保てる傾斜角度(安息角)が決まっている(『日本国語大辞典』より)からで、高くするためには粘り気を持たせたり固めたりしなければならない。
以上のことから、塵が大量に降り積もっても山のように高くなることはなかなか難しいといえるでしょう。
- 回答プロセス
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①ことわざ辞典でことわざの意味を調べた上で、百科事典で「山」の定義を確認。
②その他、地層や火山の本でも山がどのようにしてできるのか調べた。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 岩波ことわざ辞典時田 昌瑞/著岩波書店
- 地層の科学西川 有司/著日刊工業新聞社
- 世界の火山図鑑須藤 茂/著誠文堂新光社
- 火山学吉田 武義/著共立出版
- 図説火山と人間の歴史ジェイムズ・ハミルトン/著原書房
- マンガでわかる土質力学加納 陽輔/著オーム社
- キーワード
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- 言葉(コトバ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 高校生
- 登録番号
- 1000296554