レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/25
- 登録日時
- 2022/11/11 00:30
- 更新日時
- 2023/06/07 15:22
- 管理番号
- 茨城-2020-082
- 質問
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解決
「麻生」の地名の起源とその後の事,現在の状況などを知りたい。
- 回答
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1 麻生の地名の起源について
(1)『常陸国風土記 講談社学術文庫』(秋本 吉徳/全訳注 講談社 2001)【貸出用資料あり】
「常陸国風土記」の原文・現代語訳・注が記載された資料です。
十一 行方郡(なめかたぐん)(四)(p.78-86)
p.79 「麻生の里。古昔、麻、潴水(なぎさ)の涯(きし)に生へりき。囲み、大きなる竹の如く、長さ、一丈に余りき。」
p.80 〈現代語訳〉「麻生の里。昔、麻が沢の水際に生えていた。その麻の幹の太さは、まるで大きな竹ほどもあり、長さも一丈以上があった。」
p.82 〈注〉の「麻生の里」の項に「行方郡麻生町麻生を遺称地とする。『和妙抄』郷名部に「麻生」とみえる。」
2 麻生について
(近代までの麻生)
(1)『角川日本地名大辞典 8 茨城県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1983)【館内閲覧資料】
p.68-69 あそう 麻生〈麻生町〉
「古代・中世・近世・近代」の時代区分ごとに解説があります。「近代」は二つに分かれて解説されています。
「〔古代〕麻生郷 奈良期~平安期に見える郷名。「和名抄」常陸国行方郡十七郷の1つ。「風土記」に「麻生里,古昔,麻,潴水の涯に生へりき。」とあり,麻の生える地としてこの里名を得たのであろう。」
「〔中世〕麻生 平安末期から見える地名。行方郡のうち。」「平安中期以来,行方郡は常陸大掾氏一族の支配するところであったが,平安末期~鎌倉初期の頃,大掾氏の一族である行方氏のうち,安幹がはじめて麻生の姓を名乗った。当地は麻生氏の本拠地と推定される。」
「〔近世〕麻生村 江戸期~明治22年の村名。行方郡のうち。はじめ佐竹氏領,慶長9年からは麻生藩領」「明治8年茨城県,同11年行方郡に所属,郡役所が置かれた。明治22年麻生町の大字となる。」
「〔近代〕麻生町 明治22年~現在の行方郡の自治体名。麻生・粗毛(ほぼけ)・富田の3か村が合併して成立。旧村名を継承した3大字を編成。役場を麻生に設置」
「〔近代〕麻生 明治22年~現在の麻生町の大字名。郡の中心として多くの官庁や高校がつくられにぎわいをみせた。」
p.1291-1295 行方郡麻生町
「現況」「立地」「沿革」「史跡・文化財・文化施設」「現行行政地名」についての記述があります。
(2)『茨城県大百科事典』(茨城新聞社/編集 茨城新聞社 1981)【貸出用資料あり】
p.16 「麻生町」
「行方郡に属する町。県南部に位置し,東西を北浦と霞ヶ浦に挟まれた内水面漁業の町。」と記述があり,概要が記されています。
3 現代について
(1)『茨城県市町村ガイド 2020』(茨城県市長会/企画 茨城県町村会/企画 茨城県市長会 2019)【貸出用資料あり】
「行方市」(p.62-63)
「市政施行日 平成17年9月2日」
「平成以降の市町村合併 H17.9.2 麻生町・北浦町・玉造町が合併し、行方市となる」
「ふるさと紹介」,「祭り/イベント」,「主要施策・事業」,「災害時相互応援協定締結状況」,「生活関連施設整備状況」,「社会福祉・医療施設整備状況」,「教育・文化施設整備状況」,「わがまち自慢」,「令和元年度一般会計当初予算」の項目があります。
(合併直前の麻生について)
(2)『茨城県市町村ガイド 2005』(茨城県市長会 2004)【館内閲覧資料】
「麻生町」(p.92-93)
「町制施行日 昭和30年3月31日」
「ふるさと紹介」,「祭り/イベント」,「友好姉妹都市提供状況」,「主要施策・事業」,「生活関連施設整備状況」,「社会福祉・医療施設整備状況」,「教育・文化施設整備状況」,「わがまち自慢」,「平成16年度一般会計当初予算」の項目があります。
〇その他麻生町についての資料
(1)『日本大百科全書 1 あ‐あん』(小学館 1984)【館内閲覧資料】
p.344-345 「麻生(町)」について記述があります。
(2)『日本歴史地名大系 8 茨城県の地名』(平凡社 1982)【館内閲覧資料】
p.52「麻生郷」,p.420「麻生村」,p.414「麻生町」についての記述があります。
(3)『週刊 東洋経済 臨時増刊 都市データパック2020』(東洋経済新報社 2020)【館内閲覧資料】
p.390 「行方市」
行方市について「市役所」「市長」「議会」「発足」「住みよさランキング」「財政健全度」「全市区町村順位:人口・面積・財政力指数・農業・工業・所得」「特色」「面積・気象(平年値)」「人口・世帯」「国勢調査・将来推計人口」「財政・行政」「事業所」「産業」「所得・住宅・自動車」「医療・福祉・環境・安全」「子育て関連」「通勤・通学」の項目についてのデータがあります。
(4)『全国市町村要覧 令和01年版』(市町村要覧編集委員会/編 第一法規 2019)【館内閲覧資料】
p.122 「行方市」
行方市について「人口」「世帯数」「面積」「密度」「高齢者人口」「構成比」「産業別就業人口・構成比」「国調人口・増減率」「役所役場の位置・郵便番号・電話番号・下車駅等」「市町村長名・議会議長名」「合併,境界変更等の状況」の項目についてのデータがあります。
- 回答プロセス
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どの程度の情報をお求めなのかがわからないため,お住まいの地域でも閲覧可能な資料から紹介する。
麻生町は現在行方市なので,麻生・行方両方について確認し,紹介。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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秋本吉徳 [訳注] , 秋本, 吉徳, 1947-. 常陸国風土記 : 全訳注. 講談社, 2001. (講談社学術文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003982148-00 , ISBN 4061595180 (p.79-82) -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 , 角川日本地名大辞典編纂委員会. 角川日本地名大辞典 8. 角川書店, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005706099-00 , ISBN 4040010809 (p.68-69,1291-1295) -
茨城新聞社 編 , 茨城新聞社. 茨城県大百科事典. 茨城新聞社, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001702540-00 (p.16) -
茨城県市町村ガイド : IBARAKI NOW 2005. 茨城県市長会, 2004-12.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062615957-00 (p.92-93) -
茨城県市長会/企画 , 茨城県町村会/企画 , 茨城県市長会 , 茨城県町村会 , 茨城県市長会 , 茨城県町村会. 茨城県市町村ガイド : IBARAKI NOW 2020. 茨城県市長会, 2019-12.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I098779948-00 (p.62-63) -
日本歴史地名大系 8. 平凡社, 1982.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005629720-00 , ISBN 4582490085 (p.52「麻生郷」,p.420「麻生村」,p.414「麻生町」) -
日本大百科全書 1. 小学館, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015683377-00 (p.644-345) -
都市データパック 2020年版. 東洋経済新報社, 2020. (週刊東洋経済臨時増刊 ; 第6930号. Data Bank SERIES)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I100492237-00 (p.390) -
市町村要覧編集委員会/編. 全国市町村要覧 2019. 第一法規, 2019-11.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I093276157-00 , ISBN 9784474067769 (p.122)
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秋本吉徳 [訳注] , 秋本, 吉徳, 1947-. 常陸国風土記 : 全訳注. 講談社, 2001. (講談社学術文庫)
- キーワード
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- 麻生(アソウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土,地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000323776