レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年03月10日
- 登録日時
- 2020/04/21 10:23
- 更新日時
- 2021/06/11 15:55
- 管理番号
- 埼久-2020-020
- 質問
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解決
『枕草子』(清少納言著 上坂信男[ほか]全訳註 講談社 1999)では「郭公」を「ほととぎす」と読んでいるが、『枕草子』が書かれた時代では現在の「かっこう」はどのように記述されていたのか知りたい。
- 回答
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下記の資料を提供した。
『野鳥の名前 山溪名前図鑑』(安部直哉解説 山と渓谷社 2008)
p103ホトトギスとカッコウが混同されていた歴史について記述あり。
『身近な鳥のすごい事典』(細川博昭著 イースト・プレス 2018)
p87-88ホトトギスとカッコウが混同されていた歴史について記述あり。
『図説日本鳥名由来辞典』(菅原浩[ほか]編著 柏書房 1993)
p102「かっこう【カッコウ】」に「“ほととぎす”の漢字表記は、奈良時代の「万葉集」では霍公鳥、平安時代以来、郭公が用いられている。(中略)何故この字が用いられたかといえば、恐らくは、ホトトギスとカッコウの姿が似ていて、混同したもので、あるいは、“ほととぎす”と呼んでいたものの一部にカッコウが含まれていたのかもしれない。」とあり。
『日本国語大辞典 第12巻(ほうほ-もんけ)』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001)
p170「「ほととぎす」【杜鵑・時鳥・子規・郭公・不如帰】」の項に、上代語のほととぎすはかっこうを含む呼称だったとの記述あり。
『鳥と人、交わりの文化誌』(細川博昭著 春秋社 2019)
p88-89かっこうの鳥名の定着について記述あり。
『万葉集の鳥』(川口爽郎著 北方新社 1982)
p82-102「三二、ホトトギス」の項に、かっこうを含めたホトトギス科の四種の鳥の区別について記述あり。
- 回答プロセス
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1 参考図書を調査する。
『日本国語大辞典 第3巻(おもふ-きかき)』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001)
p792「かっこう[クヮク・・」【郭公】」の項に、「「かっこう」を「郭公」と表記するようになるのは近代に入ってからである。」とあり。
3 《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)を〈かっこう〉で検索する。
4 自館目録を〈文学 & 鳥〉で検索する。
5 NDC分類〈911〉〈488〉の棚を確認する。
6 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈ホトトギス & カッコウ & 歴史 & 鳥名〉で検索する。
《web春秋 はるとあき》(https://haruaki.shunjusha.co.jp/ 春秋社)
「連載一覧」中にある「人と鳥の文化誌 細川博昭」の「第4回 鳥の命名法と、名が確定するまでの道筋」に『鳥と人、交わりの文化誌』(細川博昭著 春秋社 2019)と同様の記述あり。
〈その他調査済み資料〉
『現代語から古語を引く辞典』(芹生公男編 三省堂 2007)
『語源海』(杉本つとむ著 東京書籍 2005)
『野鳥と文学』(奥田夏子[ほか]共著 大修館書店 1982)
『王朝語辞典』(秋山虔編 東京大学出版会 2000)
『類聚名義抄 第1巻』(正宗敦夫編・校訂 風間書房 1978)
『枕草子大事典』(枕草子研究会編 勉誠出版 2001)
『王朝文学文化歴史大事典』(小町谷照彦[ほか]編 笠間書院 2011)
『鳥の手帖 江戸時代の図譜と文献例でつづる鳥の歳時記』(尚学図書・言語研究所編集 小学館 1990)
『語源辞典 名詞編』(草川昇著 東京堂出版 2003)
『日常語の意味変化辞典』(堀井令以知編 東京堂出版 2003)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2019年3月10日。
- 事前調査事項
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『日本文学古典全集11 枕草子』(松尾聡[ほか]校注 小学館 1990)
p830「郭公」の読み仮名あり。
『広辞苑 第6版』(新村出編 岩波書店 2008)
『暮らしのことば新語源辞典』(山口佳紀編 講談社 2008)
『大言海 新編版』(大槻文彦編 冨山房 1984)
『万葉集事典 別冊國文學46』(稲岡耕二編 學燈社 1993)
『鳥の博物誌 伝承と文化の世界に舞う』(国松俊英著 河出書房新社 2001)
《同志社女子大学》「「ほととぎす」をめぐって」(https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/2016-07-15-15-15 同志社女子大学)
- NDC
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- 鳥類 (488 9版)
- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 『野鳥の名前 山溪名前図鑑』(安部直哉解説 山と渓谷社 2008) , ISBN 4635070174
- 『身近な鳥のすごい事典』(細川博昭著 イースト・プレス 2018) , ISBN 4781680380
- 『図説日本鳥名由来辞典』(菅原浩[ほか]編著 柏書房 1993) , ISBN 4760107460
- 『日本国語大辞典 第12巻(ほうほ-もんけ)』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001) , ISBN 4095210125
- 『鳥と人、交わりの文化誌』(細川博昭著 春秋社 2019) , ISBN 9784393424605
- 『万葉集の鳥』(川口爽郎著 北方新社 1982)
- キーワード
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- カッコウ
- 鳥-名彙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000280810