レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/02/10
- 登録日時
- 2010/09/11 02:00
- 更新日時
- 2010/09/21 12:35
- 管理番号
- 埼久-2010-011
- 質問
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解決
若山牧水の和歌「大海のしづかなる香ぞおもほゆる穂薄月夜岡に立てれば」の読みについて知りたい。
- 回答
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この和歌の読みの掲載された資料は見あたらず。以下の資料より「たいかいのしづかなるかぞおもほゆるほすすきつきよおかにたてれば」と類推される。(にごりは不明)
該当の歌が掲載されていた資料
『若き牧水・愛と故郷の歌』(伊藤一彦 鉱脈社 1989)
p19 歌にはかなが振っていないが、以下の解説あり。
「同じく明治三十八年の作で「新声」十二月号に発表。穂の出ている秋の薄(「すすき」とルビあり)が 月光に銀いろに光っている。「大海のしづかなる香」が思われて仕方がなかったという理由は何だろうか。この一首の前に「秋の日は薄の波にしろがねの古き鏡に似てしづみけり」の歌があり、薄の波からの海の連想ということは考えられる。」
『若山牧水全歌集』(大悟法利雄 短歌新聞社 1975)
巻末の「初句索引」を「大海」で引くと、p561に句あり。読みはなし。
「大海のしづかなる香ぞおもほゆる穂薄月夜岡に立てれば」
この歌集では、この句は「補遺 明治三十八年 新聲 十二月号(九首中録八首)」に収録されている。
『若山牧水全集 補巻』(増進会出版社 1993)
巻末の「四句索引」p347に「穂薄月夜」が掲載され、「星も窓より」と「穂すすきなびく」の間にあり。句は全集第1巻p308に収録。
なお凡例(7)(8)には、以下の記述あり。
(7)「読み方については総仮名つきの歌集の場合はそれに従い、仮名つきでないものは大悟法利雄氏『若山牧水全歌集』の読み方に従った。」
(8)「破調歌の四句決定は大岡信が行った。」
この全集では、第1巻「歌集未収録歌 明治三十八年 新聲 十二月一日號」に収録されている。なお、該当ページp308には読みはない。
『若山牧水全集 1』
p308 「新聲」12月1日号該当の歌の掲載あり。ただしふりがなは一切ない。
「穂薄」の語と読みが掲載されていた資料
『必携季語秀句用字用例辞典』(斎藤慎爾 柏書房 1997)
〈穂芒〉ほすすき 季語 尾花 類語:薄
『大辞泉』(小学館 1995)
〈ほすすき〉【穂薄・穂芒】穂の出ているススキ。
他に、『日本国語大辞典 第2版』(小学館)、『角川角川*俳句大歳時記 秋』(角川学芸出版 2006)『大きな活字のホトトギス新歳時記』(稲畑汀子 三省堂 1996)『現代俳句読み方辞典』(水庭進 博友社 1992)などにも同様の読みと解説あり。
- 回答プロセス
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1 若山牧水の歌集を調査する。
2 季語辞典・俳句事典・国語辞典等を調査する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『若き牧水・愛と故郷の歌』(伊藤一彦 鉱脈社 1989)
- 『若山牧水全歌集』(大悟法利雄 短歌新聞社 1975)
- 『若山牧水全集 補巻』(増進会出版社 1993)
- 『若山牧水全集 1』(増進会出版社 1992)
- 『必携季語秀句用字用例辞典』(斎藤慎爾 柏書房 1997)
- 『大辞泉』(小学館 1995)
- 『日本国語大辞典 第2版』(小学館 2000-2001),
- 『大きな活字のホトトギス新歳時記』(稲畑汀子 三省堂 1996)
- 『現代俳句読み方辞典』(水庭進編 博友社 1992)
- 『角川*俳句大歳時記 秋』(角川学芸出版 2006)
- キーワード
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- 若山牧水‐詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000071149