レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/09/15
- 登録日時
- 2012/09/30 02:01
- 更新日時
- 2012/10/10 13:10
- 管理番号
- 6000009323
- 質問
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解決
現在、60歳になると還暦を祝うが、かつてはこれを40歳ごろから祝っていたと聞いた。40歳の祝いの名称がわかる資料はあるか。
- 回答
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平安時代の貴族は、40歳から長寿の算賀を行っていた。40歳の祝いを初賀といったとの記載が『風俗辞典』などにあり。
- 回答プロセス
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385(冠婚葬祭)の書架を探す。
『いとしい和の暮らし 人生のお祝い』(ヴィレッジブックス)p48-49に長寿の祝いの項目があり、平安時代の貴族は40歳を初老として初めて祝い、以後10年ごとに祝っていたとあり。室町時代にそれぞれの長寿の祝いの名称ができ、江戸時代に庶民に広まったとあるが、祝いの名称は60歳の還暦から100歳以上の上寿までで、40歳の祝いについての記載はない。なお長寿の祝いを「年祝い」「賀寿」または「算賀」と呼ぶとのこと。
『日本人のしきたり』(青春出版社)p115、『冠婚葬祭・暮らしのマナーブック』(日本文芸社)p140-141にも同様の記載があるが、40歳・50歳の祝いの名称はなし。
『風俗辞典』(東京堂出版)で「算賀」をひくと、p269に項目あり。四十を不惑または初賀というとのこと。
『国史大辞典9 たか-て』(吉川弘文館)で「通過儀礼」を調べるが、108歳の茶寿についてはふれているが、60歳以下の年祝いについては記載なし。『国史大辞典6 こま-しと』で「算賀」を調べたところ、文献には「四十の賀」「五十の賀」のようにみえるとあり。賀算・賀祝(がのいわい)ともいい、また「シ」の音をきらって四十の賀を「初賀」「五八」とも言ったとのこと。
さらにレファレンス協同データベースで「賀寿」を検索すると、国会図書館の事例https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000014206 がヒット。ここで紹介されている参考資料のうち、当市所蔵のものを取り寄せて内容を確認したが、『厄除け 日本人の霊魂観』(名著出版)p183「厄年と年祝い」『日本民俗学大系4 社会と民俗2』(平凡社)p275「厄年・年祝い」は厄年と年祝いの関係性についての考察が主で、利用者の求める内容についての記載はなし。また『年中行事儀礼辞典』(東京美術)の人生儀礼の章には、還暦祝から上寿祝までの項目はあるが、40歳・50歳の年祝いについての記載はない。『日本風俗史事典』(弘文堂)p117「賀の祝(がのいわい)」の項にも、上代には40歳・50歳等10年刻みで祝ったとの記載のみで、名称についての言及はなかった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『人生のお祝い』平野 恵理子/著(ヴィレッジブックス)
- 『日本人のしきたり』飯倉 晴武/編著(青春出版社)
- 『冠婚葬祭・暮らしのマナーブック』岩下 宣子/監修(日本文芸社)
- 『風俗辞典』森末 義彰/編(東京堂出版)
- 『国史大辞典6』国史大辞典編集委員会/編(吉川弘文館)
- キーワード
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- 算賀(サンガ)
- 賀寿(ガジュ)
- 年祝い(トシイワイ)
- 賀の祝(ガノイワイ)
- 民俗
- 冠婚葬祭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000111965