レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/11/19
- 登録日時
- 2023/12/13 00:30
- 更新日時
- 2023/12/13 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230213
- 質問
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解決
仙台市青葉区に、「猿曳丁通り」と「南六軒丁通り」という道路がある。どちらも昔の地名をもとに付けられた名前だそうだが、もとの「猿曳丁」と「南六軒丁」の町名の由来が知りたい。
- 回答
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下記の資料に記載がありました。※【 】内は当館の請求記号です。
1 当館所蔵資料について
資料1 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編『角川日本地名大辞典』4 : 宮城県, 角川書店, 1979年【K290.3/ニ2】
pp.268-269「さるひきちょう 猿牽丁<仙台市>」の項
「〔近世〕江戸期の町名。猿引丁・猿曳町・猿引小路とも書く。仙台城下町の1つ。町名は江戸期に猿引きがいたことによる。(中略)慶長6年6月、伊達政宗は奥州信夫(しのぶ)郡三屋代里に鎮座する山王社を当地に移し、政宗に従って移ってきた上村新兵衛に奉仕させた。新兵衛が猿を可愛がっていたことから猿牽丁と称した。(後略)」
p.503「みなみろっけんちょう 南六軒丁<仙台市>」の項
「〔近世~近代〕江戸期~昭和45年の町名。江戸期は仙台城下町の1つ。明治11年宮城県仙台区に所属。同22年からは仙台市の町名。片平丁の南末から東に折れて田町に通ずる丁。正保絵図にすでに記されている。町名は大条(おおえだ)氏・柴田氏・砂金氏などの侍屋敷6軒が置かれていたことに由来する。大条・柴田氏はいずれも家格が一族の仙台藩重臣で、当地は大身の侍屋敷であった。(後略)」
資料2 平凡社地方資料センター編『宮城県の地名』(日本歴史地名大系 ; 4), 平凡社, 1987年【K290.3/ミ43】
p.301「仙台市」-「南六軒丁」
「(前略)寛文九-一一年(一六六九-七一)の城下絵図には柴田外記・大条監物など、安政仙府絵図では泉田志摩・松岡主税などの屋敷名がみえるが、町名の由来とする六軒の大身屋敷がどれを数えるのかは未詳。(中略)城下北部、東照宮門前の宮(みや)町南東にある北六軒丁に対して南六軒丁と称した。」
p.301「猿牽丁」の項
「(前略)禰宜上村新兵衛は政宗の陣に従って功があり、また猿を愛でたことから町名があると記す。「仙台鹿の子」に猿引小路とあり、町名は猿引が住したことに由来するという。(後略)」
資料3 菊地勝之助著『仙台地名考』修正増補. 宝文堂, 1971年【K292.5/キ1-2】
pp.58-59「第四 天然の存在物に因む地名」-「(7)猿引丁(さるひきちょう)」の項
pp.150-151「第五 人為の存在物に因む地名」-「(11)六軒丁(ろっけんちょう)」の項
資料4 大内源太右衛門著『仙台鹿の子』全 : 仙台郷土研究会創設80周年記念出版, 増補. 仙台郷土研究会, 2010年【K292.5/2010.6】
p.25「土樋の部」の項
「一 猿引小路は猿引居る故にかくいふ染師町より土樋へ行当り田町と土樋との間なる横丁をいふ(後略)」
※旧字体は新字体で表記しています。
2 インターネットで公開されている情報について
仙台市のホームページに関連する記述がありましたので、参考までに御紹介します。
・道路の通称として活用する歴史的町名の由来(≪猿曳丁≫通り)
ホーム>くらしの情報>住みよい街に>まちづくり>歴史を今に伝える>歴史的町名活用路線>「歴史的町名活用路線」路線名一覧>サ行
https://www.city.sendai.jp/kosekijumin/kurashi/machi/machizukuri/rekishi/katsuyo/rosenme/sagyo/yurai2.html (最終アクセス日:2023/11/08)
・道路の通称として活用する歴史的町名の由来(≪南六軒丁≫通り)
ホーム>くらしの情報>住みよい街に>まちづくり>歴史を今に伝える>歴史的町名活用路線>「歴史的町名活用路線」路線名一覧>マ行
https://www.city.sendai.jp/kosekijumin/kurashi/machi/machizukuri/rekishi/katsuyo/rosenme/magyo/yurai1.html (最終アクセス日:2023/11/08)
- 回答プロセス
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下記の資料も併せてお調べしましたが、「猿牽丁」「南六軒丁」の称の由来に関する記述は見当たりませんでした。
資料5 仙台市史編さん委員会編『仙台市史』特別編4, 仙台市, 1997年【K225/セ1-13/25B】
資料6 仙台市史編さん委員会編『仙台市史』年表・索引, 仙台市, 2015年【K225/セ1-13/31B】
資料7 菊地勝之助著『宮城県地名考 : 地方誌の基礎研究』宝文堂, 1970年【K290.3/キ1】
資料8 歴史的町名等活用推進委員会編『城下町仙台を歩く : 歴史的町名ハンドブック』仙台市, 2002年【K292.5/2002.7】
資料9 古田義弘著『仙台城下の町名由来と町割 : 辻標八十八箇所を訪ねて』本の森, 2013年【K292.5/2013.6】
資料10 イーピー風の時編集部企画・編集 ; 木村浩二解説執筆『仙台地図さんぽ : 江戸時代の仙台を歩く』イーピー風の時編集部, 2016年【K292.5/2016.6】
(追加調査 2023/11/16)
回答資料の他に、下記資料にも記載がありました。
資料11 仙台市史編纂委員会編『仙台市史』第1巻, 仙台市, 1954年【K225/セ1-3/1】
p.172「二 城下の状態(一)」-「六軒丁」「猿牽丁」の項
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編. 角川日本地名大辞典 4 宮城県. 角川書店, 1979【K290.3/ニ2】:
- 平凡社地方資料センター/編. 宮城県の地名. 平凡社, 1987【K290.3/ミ43】:
- 菊地 勝之助/著. 仙台地名考 修正増補. 宝文堂, 1971【K292.5/キ1-2】:
- 大内 源太右衛門∥著. 仙台鹿の子 全. 仙台郷土研究会, 2010.6【K292.5/2010.6】:
- 仙台市史編纂委員会/編. 仙台市史 第1巻. 仙台市, 1954【K225/セ1-3/1】:
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 特別編4. 仙台市, 1997.3【K225/セ1-13/25B】:
- 仙台市史編さん委員会/編. 仙台市史 年表・索引. 仙台市, 2015.1【K225/セ1-13/31B】:
- 菊地勝之助/著. 宮城県地名考. 宝文堂, 1970【K290.3/キ1】:
- 歴史的町名等活用推進委員会/編. 城下町仙台を歩く. 仙台市, 2002.7【K292.5/2002.7】:
- 古田義弘/著. 仙台城下の町名由来と町割. 本の森, 2013.6【K292.5/2013.6】:
- イーピー風の時編集部/企画・編集 木村浩二/解説執筆. 仙台地図さんぽ. イーピー風の時編集部, 2016.6【K292.5/2016.6】:
- キーワード
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- 宮城県仙台市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000343392