レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20230526
- 登録日時
- 2024/03/27 00:30
- 更新日時
- 2024/03/27 18:18
- 管理番号
- 中央-2023-29
- 質問
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解決
「死の島」という絵画を描いた画家の経歴を知りたい。フルネームはわからないが、ベックリーンというような名前だった。もしあれば、単独の作品集や展覧会図録も見たい。
- 回答
-
以下のような手順で、画家の情報を調べた。
(1)レファレンスブックを確認する
以下のレファレンスブック等を確認した。資料1、2は、西洋美術全集等に掲載されている絵画作品の図版を調べられる索引である。
画家名のほか、作品の邦題名、原題名で引くことができる。邦題名索引の<死の島>の項目から、該当ページを確認した。
資料1 『西洋美術作品レファレンス事典 第2期絵画篇』
p.539-540「ベックリン, アルノルト Böcklin, Arnold(1827-1901)」
資料2 『西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇19世紀中葉以前』
p.514-515「ベックリン, アルノルト Böcklin, Arnold(1827-1901)」
該当ページを確認すると、「死の島」を描いたのは「アルノルト・ベックリン」(Arnold Böcklin)であることがわかる。
絵画の図版が掲載されている資料の中には、画家の経歴が掲載されているものもある。「死の島」の図版は、例えば以下の資料に掲載されている。
資料3 『世界の名画1000の偉業』
p.356-357の図版662に「アルノルト・ベックリーン」の「死の島」(メトロポリタン美術館で所蔵)のカラー図版と作品解説が掲載されている。
また、p.347に「アルノルト・ベックリーン」の経歴が簡単にまとまっている。
(2)都立図書館の契約データベースで調べる
都立図書館で契約している以下のデータベースをキーワード<ベックリン><ベックリーン><Böcklin><Arnold Böcklin>で検索し、ヒットした情報を確認した。
情報1 「ジャパンナレッジ Lib」(ネットアドバンス)
様々な辞・事典類を横断検索でき、内容を確認できる。
情報2 「Whoplus(フー・プラス)」(日外アソシエーツ)
人物情報等を検索できる。経歴を確認できる場合もあれば、項目が掲載されている人物辞・事典類を確認できる場合もある。
情報3 「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」(ブリタニカ・ジャパン)
ブリタニカの「小項目事典」、「大項目事典」、「国際年鑑」を検索でき、内容を確認できる。
簡単に経歴がまとまっているほか、外部サイト「Britannica Academic」へのリンクが貼られている。
・「Arnold Böcklin|Britannica Academic」(Encyclopædia Britannica)https://academic.eb.com/levels/collegiate/article/Arnold-B?cklin/80350
本文は英語だが、簡単にまとまった経歴をインターネット上で確認できる。
情報1、2では、例えば以下のような資料が掲載されている。いずれも経歴が簡単にまとまっている。
資料4 『日本大百科全書 21 へき-ます』
p.39「ベックリン Arnold Böcklin」(野村太郎)
資料5 『新潮世界美術辞典』
p.1316「ベックリーン, アルノルト Arnold Böcklin」
資料6 『キリスト教人名辞典』
p.1394「ベックリーン, アルノルト Böcklin, Arnold」(前田富士男)
(3)都立図書館所蔵の作品集・図録を調べる
都立図書館蔵書検索を以下のキーワード・件名(資料の主題を表わすもの)で検索し、ヒットした資料数冊を確認した。
・キーワード:<アルノルト><アーノルト><ベックリン><ベックリーン><Arnold Böcklin>
・件名:<Böcklin, Arnold>
また、国立国会図書館の蔵書検索「国立国会図書館サーチ」( https://ndlsearch.ndl.go.jp/ )や、情報4「美術図書館横断検索」( https://alc.opac.jp/search/ )を同様のキーワードで検索し、ヒットした資料のうち都立図書館で所蔵している資料を確認した。
単独の作品集や展覧会図録だと、例えば以下のような資料がある。
資料7 『アルノルト・ベックリーン展 バーゼル美術館所蔵作品による』
国立西洋美術館にて、1987年1月24日から3月8日まで行われた展覧会の図録である。
複数のカラー・白黒図版のほか、経歴に関する情報や作品解説が掲載されている。
資料8 『Arnold Böcklin : die Gemälde』
ベックリンの作品集(本文はドイツ語)で、多数のカラー・白黒図版が掲載されている。
他には、以下のような資料もある。
資料9 『ベックリーン《死の島》 自己の英雄視と西洋文化の最後の調べ』
ベックリンの「死の島」について分析した資料。
巻末に年譜(p.115-116)や参考文献(p.120-121)、展覧会カタログの情報(p.122)等が掲載されている。
資料10 雑誌『季刊みづゑ』941号(1986年12月)
p.68-81「特集 アルノルト・ベックリーン」
カラー・白黒図版が複数点掲載されているほか、河村錠一郎氏によるベックリンの作品考察も掲載されている。
(4)都立図書館未所蔵資料を調べる
都立図書館で所蔵していない資料について、「国立国会図書館サーチ」( https://ndlsearch.ndl.go.jp/ )や、情報4「美術図書館横断検索」( https://alc.opac.jp/search/ )をキーワード<ベックリン><ベックリーン><Böcklin>で検索すると、例えば以下のような資料がヒットする。
情報5 『Arnold Böcklin, 1827-1901:27 June 1971』Arts Council 1971(東京都現代美術館・美術図書室の資料ID:20009580O)
ロンドンのHayward Galleryにて、1971年5月20日から6月27日まで行われた展覧会の図録のようである。
以上、インターネット情報の最終検索日及び最終アクセス日は2024年3月11日。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 洋画 (723 10版)
- 参考資料
-
- 【資料1】西洋美術作品レファレンス事典 第2期絵画篇 / 日外アソシエーツ株式会社/編集 / 日外アソシエーツ / 2018.7 <R/702.3/5017/1-2> , ISBN 978-4-8169-2726-3 (p.539-540)
- 【資料2】西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇19世紀中葉以前 / 日外アソシエーツ株式会社/編集 / 日外アソシエーツ / 2005.6 <R/702.3/5017/1-1-1> (p.514-515)
- 【資料3】世界の名画1000の偉業 / ヴィクトリア・チャールズ/[ほか]著 小川 彩子/[ほか]日本語版編訳 / 二玄社 / 2006.10 <723.3/5490/2006> (p.347ほか)
- 【資料4】日本大百科全書 21 へき-ます / 小学館 / 1988.5 <DR/0310/38/21E> (p.39)
- 【資料5】新潮世界美術辞典 / 新潮社 / 1985 <R/7033/9/85> (p.1316)
- 【資料6】キリスト教人名辞典 / 日本基督教団出版局 / 1986 <R/1903/11/86> (p.1394)
- 【資料7】アルノルト・ベックリーン展 バーゼル美術館所蔵作品による / アルノルト・ベックリーン/[画] 国立西洋美術館/編集 / [国立西洋美術館] / 1987 <723.3/6239/1987>
- 【資料8】Arnold Böcklin:die Gemälde(OEuvrekataloge Schweizer Künstler 6) / Rolf Andree, mit Beitr. von Alfred Berner ... [et al.] / F. Reinhardt / c1977 <DF/7234/B66/A>
- 【資料9】ベックリーン《死の島》 自己の英雄視と西洋文化の最後の調べ(作品とコンテクスト) / フランツ・ツェルガー/著 高阪 一治/訳 / 三元社 / 1998.5 <7234/3059/98>
- 【資料10】雑誌:季刊みづゑ 941号(1986年12月) / 美術出版社 <5019831210> (p.68-81)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000348066