レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010
- 登録日時
- 2013/05/28 13:43
- 更新日時
- 2016/11/29 14:47
- 管理番号
- 市民2010-事25
- 質問
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「水流れて元の海に入り、月落ちて天を離れず」という言葉は、
武田信玄が言った言葉だと長年思っていたが、最近になって、
別人が言ったのを武田信玄が引用したのだと知った。もともと
は誰が言った言葉なのか知りたい。
- 回答
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元の明本禅師と、ある僧の問答である。
『禅語入門』p.256によると、出典は禅籍『五燈会元』第16巻
✻明本(みょうほん)禅師とは
1263~1323年 中国元代の臨済宗楊岐派破庵(ほあん)の僧。
教禅一致の思想を有し、日本臨済宗に大きな影響を及ぼした。
号は中峰、幻住道人と称する。 『仏教大事典』p.960より
- 回答プロセス
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質問者がご覧になったのは『甲陽軍艦』と判明。これは、戦国武将である武田氏の
戦略や戦術を記した軍学書。武田信玄・勝頼代の合戦記事を中心に、軍法、刑法など
を記している。
市民図書館所蔵の『甲陽軍艦』上p.206を見ると、この言葉は「古いことわざ」である
とある。
✻『成語林 故事ことわざ慣用句』p.1078
「人間がもって生まれた性質を変えたり、境遇や環境の影響で身についた習性から
抜け出したりすることは難しいものであるというたとえ」とあるが出典はなかった。
✻インターネットで“禅語”をキーワードに調べる。
『禅語入門』(久須本文雄/著 大法輪閣 2000年)
『禅語辞典』p.236(古賀英彦/編著 思文閣出版 1991年)
サイト『茶席の禅語集』
http://zengo.bungaku1.com/about/about.html (2010年3月1日現在)
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『佛教大事典』(小学館 1988年)
- 『佛教大字彙』 第6巻p.4316(龍谷大学 1974年)
- 『甲陽軍艦』上(腰原哲朗/訳 教育社 1979年)
- 『成語林 故事ことわざ慣用句』(旺文社 1992年)
- キーワード
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- 禅語 故事
- ことわざ
- 明本禅師
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000131739