レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/10/31
- 登録日時
- 2017/12/17 00:30
- 更新日時
- 2018/01/15 11:21
- 管理番号
- 6000036921
- 質問
-
未解決
日本の戦後から現在までの女性医師について、
人数、人口に対する割合、勤務医と開業医の比較、労働時間、医師の国家試験合格率を調べたい。
- 回答
-
戦後から現在までの約70年の変化をたどりたいとのことでしたが、全てのデータを見つけることはできませんでした。
(1)女性医師の人数
以下の方法で昭和20年から24年、27年、昭和30~平成26年まで(昭和57年以降は隔年)の人数が分かります。
「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概要」
政府統計の総合窓口ウェブサイトhttps://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do で
「女性医師」をキーワードに検索したところ、厚生労働省の「医療施設(静態・動態)調査」の平成20、23、26年の
統計表がヒットしました。
男女別の医師の診療科目別、勤務する施設別の人数(常勤換算)が分かります。
https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL02020101.do?method=extendTclass&refTarget=toukeihyo&listFormat=hierarchy&statCode=00450021&tstatCode=000001030908&tclass1=&tclass2=&tclass3=&tclass4=&tclass5= (20171108確認)
厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」平成16年(2004年)統計表http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/04/toukei.html(20171108確認)
こちらの統計表17「医師・歯科医師・薬剤師数の年次推移、施設・業務の種別・性別」で、
昭和40~平成16年(昭和59年からは2年おき)の男女別の医師数を確認することができます。
平成17年以降、26年までの男女別の医師数は厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」平成26年(2014年)統計表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/ (20171108確認)
の統計表2「医師・歯科医師・薬剤師数の年次推移、施設の種別・性別」で確認できます。
本調査は2年に1回実施され、ウェブサイトで公開されているのは平成26年までの数値でした。
「衛生行政業務報告:厚生省報告例」(厚生省大臣官房統計情報部)の昭和21~24年に掲載されていました。
国立国会図書館の「図書館向けデジタル化資料送信サービスにて内容を確認したところ、
報告書データは昭和45年までありましたが、男女別の医師数が掲載されているのは昭和24年まででした。
昭和27年「医師・歯科医師調査報告」(厚生省大臣官房統計調査部)。
国立国会図書館の「図書館向けデジタル化資料送信サービスにて内容を確認したところ、
昭和27年の女性医師の人数と「自己開業」「勤務」などの別も記載されていました。
『日本女医の実態調査報告』日本女医会 昭和52年(大阪府立図書館蔵書)
p.9「表2 性別医師数と人口10万対医師数の年次推移」に1955年~1974年までの女性医師数あり。
出典は厚生省「医師・歯科医師・薬剤師調査」1974年
(2)女性医師数の人口に対する割合
「衛生行政業務報告:厚生省報告例」(厚生省大臣官房統計情報部)昭和24年に、昭和23年と24年の女性医師の実数と
人口一万人に対する割合の記載がありました。
「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」平成16年(2004年)統計表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/04/toukei.html(20171108確認)
統計表13「人口10万対医師・歯科医師・薬剤師数、施設・業務の種別・性・従業地による都道府県-14大都市・中核市(再掲)別」に、
平成16年(2004年)12月31日現在のデータがありました。
『日本女医の実態調査報告』のp.9に1955年~1974の性別医師数と人口10万対医師数の年次推移が掲載されていました。
(3)勤務医と開業医の比較
「自己開業」「勤務」別の記載を見つけることができたのは、昭和27年「医師・歯科医師調査報告」(厚生省大臣官房統計調査部)のみでした。
(4)女性医師の労働時間
第12回医師の需給に関する検討会資料http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0327-2.html
(20171108確認)>資料3「医師需給に係る医師の勤務状況調査」中間報告2(平成18年3月27日)
平成18(2006)年調査「1週間当りの勤務時間(常勤のみ)」を確認できました。
『男女共同参画社会データ集 2017-2018』(三冬社)のp.244に
男女別で「勤務医の勤務形態別「診療」+「診療外」時間分布」、「年代別、勤務医(常勤)の「診療」+「診療外」時間分布」
というグラフが掲載されていました。
このほか、CiNiiで「女性医師 労働時間」と検索、検索エンジンGoogleで「女性医師の労働時間」と検索することで、
雑誌論文や日本医師会の【女性医師の勤務環境の整備に関する講習会スライド】http://www.med.or.jp/doctor/female/course/001726.htmlなどがヒットしますので、
参考されてはいかがでしょうか。
(5)女性医師の国家試験合格率
国家試験等の及第者数は、「衛生行政業務報告:厚生省報告例」(厚生省大臣官房統計情報部)昭和21~24年に
掲載されていました。
平成3(1991)年~16(2004)年の合格者
男女比の棒グラフのみ(事務局厚生労働省医政局医事課から出された資料。出典記載なし。):
第1回医師の需給に関する検討会資料http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0225-4.html
(20171108確認)>資料3医師の需給に関する資料>6.医師国家試験合格者の男女比
日本医師会女性医師支援センターウェブサイトの「資料集」に「医師国家試験合格者の推移(性別)」があり、
平成7~25年までの人数が分かります。(20171122確認)
- 回答プロセス
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①当館所蔵の労働経済・労働問題、男性・女性問題の分類の資料にあたった。
『女性労働白書』H12年版~16年版に厚生労働省「毎月勤労統計調査」をもとにした「産業別常用労働者1人平均月間実労働時間数及び出勤日数」があり、
男女別の数値をみることができる。ただし日本標準産業分類による分類であるため、「医師」のみの数値は不明。『女性労働の分析』『労働経済白書』も同様。
『男女共同参画社会データ集 2017-2018』(三冬社)のpp.243-245に厚生労働省医政局が実施した「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」のデータあり。
『日本女性史研究文献目録』(東京大学出版会1983)をみると、p.165の「V.近現代-4労働4.5医療労働」のジャンルに『日本女医史』(日本女医会’62)あり。
②-1 国立国会図書館サーチで『日本女医史』を検索。
デジコレの図書館送信参加館で閲覧可能となっていた。
内容を確認たところp.296に厚生省官房統計調査部による昭和35年調の「性別・年齢階級別延医師数」と「性別・診療科別延医師数」はあり。
②-2 e-Statで政府統計を探す。
「女性医師」でキーワード検索した。
厚生労働省の「医療施設(静態・動態)調査」の平成20、23、26年の統計表が
ヒット。
男女別の医師の診療科目別、勤務する施設別の人数が分かる。
この「医療施設調査」は厚生労働省サイトで平成7年から公開されているが、
「病院の医師数(常勤換算)・性・開設者・診療科目別」は20年、23年、26年のみ。
この調査について内容を確認すると、昭和23年の「施設面からみた医療調査」が前身であることが分かった。
平成7年以前のデータを探すために、国立国会図書館リーサチ・ナビで「施設面からみた医療調査」を検索すると、「医療・公衆衛生に関する統計」がヒット。
これによると、『病院施設調査・病院報告』、『病院施設調査・病院報告:動態調査(動態調査・静態調査)』のほかに、
厚生労働省の『医師・歯科医師・薬剤師調査』が医師、歯科医師、薬剤師について性、年齢、業務の種別、従事場所、診療科名を調査していることが分かった。
『日本のお医者さん研究』(東洋経済新報社)も参考にした。
●勤務医と開業医の女性医師の人数について
「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」平成16年(2004年)統計表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/04/toukei.html(20171108確認)
統計表1「医師・歯科医師・薬剤師数、構成割合及び平均年齢、施設・業務の種別・性・年齢階級別」では
「病院の従事者」「診療所の従事者」「行政機関・産業医・保健衛生業の従事者」等の区別があるが、勤務医と開業医の区別はされていなかった。
「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概要」では、
「公的医療機関」「医療法人」「会社」「個人」など別。(平成20、23、26年)
https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL02020101.do?method=extendTclass&refTarget=toukeihyo&listFormat=hierarchy&statCode=00450021&tstatCode=000001030908&tclass1=&tclass2=&tclass3=&tclass4=&tclass5= (20171108確認)
「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」平成16年(2004年)統計表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/04/toukei.html(20171108確認)
統計表17「医師・歯科医師・薬剤師数の年次推移、施設・業務の種別・性別」
は、昭和40年~平成16年までの病院と診療所での勤務についての記載のみ。
大阪府立図書館から借用した『日本女医の実態調査報告』p.27の
「従業地の地域別にみた現在の業務別女医数」「現在の業務別にみた従業地の地域特性別構成割合」では
「病院・診療所開設者」「病院勤務者」「診療所勤務者」「医育機関病院勤務者」等の区分である。
●女性医師の労働時間
CiNii「女性医師 労働時間」
中村真由美「女性医師の労働時間の実態とその決定要因:非常勤勤務と家族構成の影響について」『社会科学研究』64(1),45-68,2012.12.1
安川康介、野村恭子「医師における性別役割分担-診療時間と家事労働時間の男女比較」『医学教育』43(4),315-319,2012
Google検索「女性医師医の労働時間」
米本倉基「我が国における女性医師の現状-諸外国との比較を踏まえて-」『同志社政策科学研究』13(2),109-125,2012.3.15など
●医師国家試験合格者の男女比
Google検索「医師国家試験合格者の男女比」とすると、
「医師国家試験合格者の推移(性別)」がヒットhttp://www.med.or.jp/joseiishi/ishikokka_h24.pdf
これは日本医師会女性医師支援センターウェブサイトの「資料集」に掲載されているデータ。
- 事前調査事項
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厚生労働省、日本医師会、大阪府医師会のホームページはみたとのこと。
- NDC
- 参考資料
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- 『日本のお医者さん研究』 森 剛志/著 東洋経済新報社
- 『男女共同参画社会データ集2017-2018年版』 三冬社 (244)
- キーワード
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- 人数(ニンズウ)
- 女性医師(ジョセイ イシ)
- 労働時間(ロウドウ ジカン)
- 医師国家試験(イシ コッカシケン)
- 男女共同参画(ダンジョ キョウドウ サンカク)
- 女性(ジョセイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000226622