レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/16
- 登録日時
- 2023/07/20 00:30
- 更新日時
- 2023/07/20 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230059
- 質問
-
解決
秋田や北海道に自生する巨大フキ(ラワンブキ)についての資料を探している。
- 回答
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下記資料に掲載がありました。※【 】内は当館請求記号です。
資料1 須藤隆仙著『青函文化史』東洋書院, 1992年【212.1/ス2/X】
pp.354-364「青函は同一フキ圏」の章に、以下のような記述がありました。
p.362「北海道のフキ」の項
「(前略)十勝地方の螺湾というところでは、これを「螺湾ブキ」と称して各地に出荷している。」
pp.363-364「エゾブキ」の項
「(前略)学者の中には、青森や北海道の大ブキは秋田のフキの亜種ででもあるかのような表現をする人がいるが、これは絶対に間違いで、秋田のフキは北海道からの移入種なのだ、ということなのである。(後略)」
資料2 秋田市大事典編集委員会編『秋田市大事典』国書刊行会, 1986年【291.24/ア4/R】
p.65「秋田蕗」の項
「(前略)『伊豆園茶話』(石井忠行筆)に、寛延年中(一七四八-五〇)雪沢村(現大館市)長木沢の拠人重右衛門が藩命により採取した蕗は、一本が回り三六センチ、長さ三・六メートル、他の一本が回り二四センチ長さは同じであったと見える。また、幕末の『寛斎日記』(井口宗翰筆)の「御国産見立相撲」で能代春慶塗と長木蕗が大関の地位を占めている。現在栽培地の仁井田には、天保年間(一八三〇-四三)長木沢から移植されたと伝えられる。用途は、砂糖漬・味噌漬・蕗摺など。(後略)」と記述があり、写真の掲載もありました。
資料3 牧野富太郎著『牧野富太郎選集』2, 東京美術, 1981年【470.4/マ1-6/2】
pp.187-189「秋田ブキ談義」の項
「秋田ブキは、わが国東北の奥羽地方から北海道にかけて生ずる巨大な葉のフキである。このフキは北して樺太にも産する。(中略)秋田県下の山野に自生しているフキは、みな秋田ブキの種で、われらがふつうフキと呼んで食用にしているものは、私のみた範囲では同県には野生していない。(中略)秋田市では、その太い葉柄を砂糖漬けの菓子にして売っている。また「フキ摺り」と呼んで、その大なる葉面を布地あるいは絹地に刷っている。(中略)秋田ブキはふつうのこのフキの一変種である。秋田ブキたるの特徴はあるとしても、その葉形花容はその間にただ大小の差こそあれ、その形状はまったく同一である。(中略)秋田ブキは、直径数尺もある広い大葉面を展開し、数尺の高さ、太さ径数寸もある長葉柄を挺立さすとは、他に比類のない壮観で、その偉容はゆうに他の百草を睥睨するに足り、一面、またわが日本植物の誇りでもある。」と記述があります。
資料4 大橋広好編『日本の野生植物』5, 改訂新版. 平凡社, 2017年【470.38/2015.Z/5AR】
「フキ属-フキ アキタブキ(エゾブキ)」の項
p.308「アキタブキ(エゾブキ)(中略)は、フキに比べて全体が大きく、葉は径1.5m,葉柄は長さ2mに達し、ふつう紫色をおびる。花径も長く、高さ100cmになり、苞は、長さ6.5-10cm。染色体数2n=58。
温帯域~亜寒帯域に分布し、本州(岩手県以北)・北海道、千島列島・サハリンに分布する。アジア大陸のシベリア東部から報告されていない。アキタブキのうち、北海道・足寄町の螺湾(ラワン)川に自生する(ラワンブキ)は2-3mになる巨大なものである。
<ラワンぶき>はの登録商標で、近年になって全国的に知られるようになった。」と記述があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 植物学 (470 9版)
- 参考資料
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- 須藤 隆仙/著. 青函文化史. 東洋書院, 1992.4【212.1/ス2/X】:
- 牧野 富太郎/著. 牧野富太郎選集 2. 東京美術, 1981【470.4/マ1-6/2】:
- 秋田市大事典編集委員会/編. 秋田市大事典. 国書刊行会, 1986.11【291.24/ア4/R】:
- 大橋/広好?編 門田/裕一?編. 日本の野生植物 5 改訂新版. 平凡社, 2017.9【470.38/2015.Z/5ABR】:
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000336126