レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/14
- 登録日時
- 2023/07/20 00:30
- 更新日時
- 2023/07/20 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230048
- 質問
-
解決
葛飾北斎が描いた馬櫪神(ばれきじん)について知りたい。馬櫪神の概要、解説した資料はないか。
- 回答
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1. 当館所蔵の下記資料に掲載がありました。 ※【 】内は当館請求記号です。
資料1 柳田国男著『山島民譚集』(日本文化名著選), 創元社, 1942年【388.1/ヤ1-10/イ】
pp.82-86「河童駒引」-「馬櫪神ト馬歩神」の項
資料2 日本随筆大成編輯部編『日本随筆大成』第2期, 23巻, 吉川弘文館, 1995年【914.5/ニホ936/2-23】
pp.144-145「卯花園漫録」の項
「(前略)或は?嚢鈔に、猿を山父と称し、馬を山子といふ。父子の義ならんか。但馬櫪神とて厩の神あり。其形像、両足に鶺鴒と猿とを踏み、両手に劔を持しむ。宋朝より馬守神とす。其踏るものなれば猿を画き、馬神に祭請するの儀に用ゆる事あり。何れも旧き事といふ。又本草、?猴の条下に、狙は馬を養ふ者、能く馬病を避けると云う。(後略)」
資料3 柳田国男著『年中行事覚書』(講談社学術文庫), 講談社, 1977年【080/カ1/124】
pp.204-205「庚申といろいろの動物」の項
「(前略)今までの学者の解釈によると、鶺鴒はよく馬屋の口へ遊びに来る鳥である故に、中国でも馬櫪神という馬の保護神の像の片端に、この小鳥を描くものがあった。(中略)猿も日本を始めとし、東アジアの諸民族の間において、馬の災いを防ぐ力のある動物と考えられ、初春には厩の前で猿を舞わし、または厩の柱に猿を繋いでおく風習が広く行われていた。(後略)」
資料4 小学館国語辞典編集部編集『日本国語大辞典』第10巻, 小学館, 2001年【813.1/00Z/10R】
p.1463「ばれきじん(馬櫪神)」の項
「うまやの神。馬の守護神。両足の下に猿と鶺鴒(せきれい)とを踏み両手に剣を持つ像として描かれる。」
資料5 南方熊楠著『十二支考』下, (ワイド版岩波文庫 ; 221), 岩波書店, 2003年【388/031/2】
pp.124-127「猴に関する伝説」-「三 民俗」の項
資料6 [葛飾北斎画] ; 永田生慈監修・解説『北斎漫画』第2巻, 東京美術, 2003年【721.8/カホ02Z/2】
pp.16-17「北斎漫画六編」の項
北斎が描いた「馬櫪尊神」が見開きで載ってます。
2. 下記データベース、並びにホームページに掲載がありました。
・契約データベース「ジャパンナレッジLib」所収の『デジタル大辞泉』に「馬櫪神」の項がありました。
https://japanknowledge.com/library/(最終検索日:2023/6/14)
「馬の守護神。両手に剣を持ち、両足で猿とセキレイを踏まえている像として描かれる。うまやの神」と記述があります。
・国立国会図書館デジタルコレクションに以下の資料がありました。
『あしなか(246)』山村民俗の会, 1996年
山田哲朗著「馬力神と馬櫪神」pp.1-7
※該当コマは2-5コマ目です。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4430938 (最終アクセス日:2023/6/14)
※図書館送信参加館・個人送信限定公開です。
・仙台市の公式ホームページに、下記の記述が写真付きで掲載されていました。
仙台市>いずみ史跡今昔物語―第14回 総括(石碑)編>市名坂
https://www.city.sendai.jp/izumi-kuse/izumiku/shokai/profile/izumishiseki/izumishiseki14.html#k11(最終アクセス日:2023/6/14)
「市名坂の二柱神社内にある石碑群です。
ここには横山雷神はじめ、山の神、馬頭観世音、馬櫪神(ばれきしん)などの石碑があります。
馬櫪神の由来は古く中国の宋時代に遡り、厩(うまや)の守護神として、馬を扱う馬喰(ばくろう)を職業とするものに崇敬された神様です。馬頭観世音と同様に、馬の安全を祈願して建立されたものと考えられます。」という記述があります。
- 回答プロセス
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回答資料の他、下記の資料を確認しましたが、該当の記述は見当たりませんでした。
【参考資料】
資料7 福田アジオ[ほか]編『日本民俗大辞典』上, 吉川弘文館, 1999年【380.33/1999.X/1R】
資料8 国史大辞典編集委員会編『国史大辞典』2, 吉川弘文館, 1980年【210.03/1979.3/2R】
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 参考資料
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- 柳田 国男/著. 山島民譚集. 創元社, 1942【388.1/ヤ1-10/イ】:
- 日本随筆大成編輯部?編. 日本随筆大成 第2期 23. 吉川弘文館, 1995.5【914.5/ニホ1993.6/2-23】:
- 柳田 国男/著. 年中行事覚書. 講談社, 1977.3【080/カ1/124】:
- 小学館国語辞典編集部/編集. 日本国語大辞典 第10巻. 小学館, 2001.10【813.1/2000.Z/10R】:
- 南方/熊楠∥著. 十二支考 下. 岩波書店, 2003.1【388/2003.1/2】:
- [葛飾/北斎∥画] 永田/生慈∥監修・解説. 北斎漫画 第2巻. 東京美術, 2003.1【721.8/カホ2002.Z/2】:
- 国史大辞典編集委員会/編. 国史大辞典 2. 吉川弘文館, 1980.7【210.03/1979.3/2R】:
- 福田 アジオ/[ほか]編. 日本民俗大辞典 上. 吉川弘文館, 1999.10【380.33/1999.X/1R】:
- キーワード
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- 神祇
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000336123