レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年2月4日
- 登録日時
- 2023/03/23 15:00
- 更新日時
- 2023/05/17 17:37
- 管理番号
- 2023-3.3
- 質問
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解決
昔(江戸以前)の蝮咬傷の治療法を知りたい。
- 回答
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対処法の記述のある資料を探しました。
『日本医療社会史の研究:古代中世の民衆生活と医療』
p.111 「古代の『医心方』巻十八にも金創に関する治方が種々記されており、(中略)五十四章にいたるまで各種の動物・昆虫・その他のものに嚙まれた際の処置を、薬療法を中心にのべている。」とあったので、
『医心方 巻18 外傷篇』を確認しました。
p.321~p.334 第三十六章 「蝮に咬まれた場合の治療法」が載っています。
『江戸時代医学史の研究』
p.637 第五章 庶民文芸と医学 第三節 耳袋・潭海にみえる民間療法 第二項 外科・皮膚科などの療法 (9)まむしに刺された時 「まむしに刺された時には、烏賊の墨を傷口にすりつけると痛みを忘れ癒る(巻七)」が載っています。
『耳袋』巻七に記載ありということが判明したので該当部分を『耳袋 2 東洋文庫』で確認しました。
p.90 虫さし奇薬の事
Googleで毒蛇×本草綱目を検索したところ、ミゾカクシ 「中国では本草綱目にある半辺蓮(はんぺんれん)に相当し、腫れ物や毒蛇の咬傷などに用いた。」という記述を見つけました。【http://www2.odn.ne.jp/~had26900/wild_plant/wp7_f/mizokakushi.htm】最終確認 2023/05/17
『国訳本草綱目 第5冊 草部』
p.468 半邊蓮 「蛇虺傷には、搗いてその汁を飲み、滓で傷處を塗り圍む。」
※『医心方』は現存するわが国最古の医書。『耳袋』は天明4年(1784)起筆~文化11年(1814)完結。『本草綱目』は明代の百科全書的中国本草書。慶長12年(1607)渡来。江戸時代の本草学は本書に多大の影響を受けている。(『国史大辞典』参照。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 医学 (490)
- 参考資料
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新村拓 著 , 新村, 拓, 1946-. 日本医療社会史の研究 : 古代中世の民衆生活と医療. 法政大学出版局, 1985. (叢書・歴史学研究)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728175-00 -
丹波康頼 撰 , 槙佐知子 全訳精解 , 丹波, 康頼, 912-995 , 槙, 佐知子, 1933-2023. 医心方 巻18(外傷篇). 筑摩書房, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002313323-00 , ISBN 4480505288 -
服部敏良 著 , 服部, 敏良, 1906-1992. 江戸時代医学史の研究. 吉川弘文館, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001486082-00 -
根岸鎮衛 著 , 鈴木棠三 編注 , 根岸, 守信, 1737-1815 , 鈴木, 棠三, 1911-1992. 耳袋 2. 平凡社, 1972. (東洋文庫 ; 208)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001265103-00 -
〔李 時珍/編〕 , 鈴木 真海/訳 , 李‖時珍. 国訳本草綱目 第5冊 新註校定. 春陽堂, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015652784-00
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新村拓 著 , 新村, 拓, 1946-. 日本医療社会史の研究 : 古代中世の民衆生活と医療. 法政大学出版局, 1985. (叢書・歴史学研究)
- キーワード
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- 蝮
- 毒蛇
- 咬傷
- 治療
- 医療
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000330880