レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年6月23日
- 登録日時
- 2023/10/07 17:02
- 更新日時
- 2023/11/29 12:33
- 管理番号
- 岩手-407
- 質問
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「第九十国立銀行紙幣五円券」、「第八十八国立銀行紙幣壱円券」は、どこで製造されたものか。
- 回答
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国立銀行紙幣とは明治の初期に国立銀行が発行した紙幣。
通貨発行権は政府と銀行にあり、紙幣局製造の用紙を用いて各国立銀行が一部加筆して発行した。
質問にある紙幣は、岩手県内にあった各銀行で発行されたものである。
下記関連資料を紹介した。
・『日本近代紙幣総覧』ボナンザ編集部∥編 ボナンザ 1984.8
p.130 ~138「国立銀行発行紙幣」
>p.132 “国立銀行券には、米国で製造された旧様式券五種(二十円券・十円券・五円券・二円券・一円券)と、国内製の新様式券二種(五円券・一円券)との、七種に分けられる。各銀行とも、紙幣の用紙は大蔵省から交付されたもので、銀行名・頭取名・支配人名の他は、共通した様式となっている。”
>p.138 “なお、新様式券は国立銀行条例で定められた8種券(五百円、百円、五十円、二十円、十円、五円、二円、一円)全部を製造する予定だったが、高額券に人気がなかったことや印刷局の製造能力から、五円券と一円券だけを集中的に製造することになり、他の券種は製造されなかった。”
p.139~143「国立銀行券の券種別発行枚数一覧表」
>p.141 「第八十八銀行」「第九十銀行」それぞれの項目に、新様式券二種(五円、一円)の発行あり。
・『日本通貨図鑑 カラー版』利光 三津夫、植村 峻、田宮 健三∥編・共著 日本専門図書出版 2004.6
p.180「国立銀行紙幣(新券)1円(水兵札)」
p.181「国立銀行紙幣(新券)5円(鍛冶屋札)」
“銘板 大日本帝国政府大蔵省紙幣局製造”と記載あり。
・『岩手をつくる人々 近代篇 下巻』森 嘉兵衛∥著 法政大学出版局 1974
p.25~27「紙幣発行権」
p.27~29「国立銀行の転身」
>p.27 “明治十五年に日本銀行が創立されたということは、金融制度を一変せしめるものであった。今までは国の中央銀行というものはなく、通貨発行権は政府と銀行にあり、分散して発行していたが、日本銀行が出来ると、この通貨発行権を日本銀行券に集中して、国立銀行の発行権を停止し、だんだんにその紙幣を日本銀行券に交換させることにしたのである。”
- 回答プロセス
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1・貨幣関連の図鑑を確認
2・岩手の銀行史を調査
3・岩手の近代史を併せて確認
- 事前調査事項
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・『岩手殖産銀行二十五年史』岩手銀行∥編 岩手銀行 1961.6
「第九十国立銀行紙幣五円券(裏/表)」「第八十八国立銀行紙幣壱円券(裏/表)」実物大の図版あり。(p.62と63の間、ページ付無)
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337)
- 金融.銀行.信託 (338)
- 日本史 (210)
- 参考資料
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ボナンザ編集部 編 , ボナンザ. 日本近代紙幣総覧. ボナンザ, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001716510-00 (当館請求記号:R 337.4 /ボ1 /1) -
利光三津夫, 植村峻, 田宮健三 編・共著 , 利光, 三津夫, 1927-2009 , 植村, 峻, 1935- , 田宮, 健三, 1939-. 日本通貨図鑑 : カラー版. 日本専門図書出版, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007428786-00 , ISBN 4931507077 (当館請求記号:R 337.21 /ニホ) -
森嘉兵衛 著 , 森, 嘉兵衛, 1903-1981. 岩手をつくる人々 近代篇 下巻. 法政大学出版局, 1974.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001229769-00 (当館請求記号:K 201 /モ1 /1-2-3) -
岩手銀行. 岩手殖産銀行二十五年史. 岩手銀行, 1961.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001027214-00 (当館請求記号:K 338 /イ2 /2)
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ボナンザ編集部 編 , ボナンザ. 日本近代紙幣総覧. ボナンザ, 1984.
- キーワード
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- 貨幣-歴史
- 国立銀行紙幣
- 九十銀行
- 八十八銀行
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339488