レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年09月05日
- 登録日時
- 2021/10/29 16:26
- 更新日時
- 2023/03/15 12:17
- 管理番号
- 台東区-10467
- 質問
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江戸時代、上野一丁目にあった石川家上屋敷に関する資料をお願いしたい。
①上屋敷ができた年代(①-1)、この場所に建てられた目的(理由)(①-2)、屋敷の絵図、見取り図など(①-3)。
②石川家の江戸における役割など。
③明治初期、屋敷の跡地はどうなったのか。
- 回答
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①-1
『東京市史稿 市街篇 第49』P.515に亀山藩 子爵 石川家、下谷御成道の上屋敷について、拝領年月不詳 坪數不詳 とある。
『日本歴史地名大系 13』「上野西黒門町 現台東区上野一丁目」の項に「南は伊勢亀山藩石川氏の上屋敷で、正保江戸絵図にすでにみえる。面積は九千三百六坪(諸向地面取調書)。同屋敷地は明治五年に他の武家屋敷とともに上野西黒門町に合併された。」と記載あり。
『正保年間江戸絵図抄写 正保元年』「石川主殿」あり。『下谷区史』でも正保に屋敷があったことが確認できる。
正保元年(1644)には既に存在していたことは確認できるが、詳細は不明。
『東京市史稿 市街篇 第49』
P.515:亀山藩 子爵 石川家、上屋敷 下谷御成道 下谷区西黒門町(台東区) 拝領年月不詳 坪數不詳
『日本歴史地名大系 13』
P.550:「上野西黒門町 現台東区上野一丁目」の項に「南は伊勢亀山藩石川氏の上屋敷で、正保江戸絵図にすでにみえる。面積は九千三百六坪(諸向地面取調書)。同屋敷地は明治五年に他の武家屋敷とともに上野西黒門町に合併された。」と記載あり。
『正保年間江戸絵図抄写 正保元年』
「石川主殿」あり。
『下谷区史』
P.30:寛永の頃の大名屋敷表に「石川主殿守」治所「山城淀」、所在地「下谷広小路」とある。
P.98:「各町沿革表」の正保に「石川主殿」、延寶(宝)から嘉永に「石川主殿頭」の記載あり。それ以前の記載は無し。
『江戸城下変遷絵図集 15』
P.112:「天保十五年(一八四四)の図で、西半の大名邸をみると、西北の石川日向守邸は伊勢の亀山藩六万石の上屋敷。」との記載あり。
P.123:一六七三~一六八一年の地図に「石川主殿頭」あり。一八三七年の地図に「石川日向守」あり。
(天保十五辰年/一八四四年)の地図に「石川日向守」あり。
『江戸城下変遷絵図集 別巻2』
P.233:「延宝年中(1673~1681年)」に「石川主殿頭」あり。
『江戸→TOKYOなりたちの教科書 3』
P.61:寛永20(1643)年には不忍池近くのDゾーンに上屋敷が移ります と記載あり。
(Dゾーンについての記載はP.284~288)
①-2
当該屋敷に関して、詳細な記述がある資料の所蔵なし。
①-3
屋敷の絵図、見取り図の所蔵なし。
②
亀山市歴史博物館ホームページに掲載の「亀山市史 通史編 近世」に「明暦元年(一六五五)九月には朝鮮通信使の一行を近江国守山で送迎し、同三年五月に江戸城大手門を警衛するなど、幕府の公用を勤めていた(山田木水『亀山地方郷土史』第二巻)。」と記載あり。『亀山地方郷土史』は当館所蔵無し、都立図書館及び国立国会図書館で閲覧可能。
『文政武鑑』P.33「【方角御火消】[桜田組]石川主殿頭 六万石 下谷大名かうし」の記載あり。
『文政武鑑』
P.33:「【方角御火消】[桜田組]石川主殿頭 六万石 ○下谷大名かうし」の記載あり。
亀山市歴史博物館ホームページ
「亀山市史 通史編 近世」
P.5:「第二章 亀山藩政-第四節 藩政の展開 藩政の諸相」に「明暦元年(一六五五)九月には朝鮮通信使の一行を近江国守山で送迎し、同三年五月に江戸城大手門を警衛するなど、幕府の公用を勤めていた(山田木水『亀山地方郷土史』第二巻)。」と記載あり。
『東京名所図会 下谷区・上野公園之部』
P.117:「上野西黒門町」に「明治二年新黒門町の内を分かちたるものにして。同五年伊勢國亀山藩石川氏の邸地並に幕府諸氏の宅地を併合せるものなり。」との記述あり。「◎景況」に詳細あり。「下谷警察署」に「明治五年・・・巡査屯所を設置せしを起源とし。」との記述あり。
『下谷区史』
P.86:「東京府編の法令類纂によつた」合併が分かる図あり。
P.416:「第二節 現代」「一 警察署」に「第五大區三、四、七、十小區巡査屯所は、初め三、四小區巡査屯所(共に西黒門町に在り)の二を九月十八日に併せたのであつて、後年の下谷警察署(今の上野警察署)の系統に属し・・・」との記述あり。
『上野・浅草歴史散歩』
P.21,29:重ね地図で「石川主殿頭」邸跡地と現代の地図を重ねて見ることができる。
③
『東京名所図会 下谷区・上野公園之部』に上野西黒門町は明治5年に伊勢国亀山藩石川氏の邸地跡に幕府諸氏の宅地を併合した。下谷警察署の起源となった駐屯所が明治5年に設置された旨の記載あり。当館所蔵の地図『東京北東部 浅草及下谷 明治20年版』『明治東京全図の内 第五大区図 明治9年版』でも確認できる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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東京都 編 , 東京都. 東京市史稿 市街篇 第49. 1960.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025119853-00 (台東区121252787/T213.6ト) -
平凡社地方資料センター編 , 平凡社地方資料センター. 東京都の地名. 平凡社, 2002. (日本歴史地名大系 / 平凡社 [編], 13)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I001348138-00 , ISBN 4582490131 (台東区113325351/T291.3ト) - 正保年間江戸絵図抄写 正保元年.台東区,1963. (台東区122660814/T213.6シ)
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東京市下谷区 編 , 東京市下谷区. 下谷区史. 東京市下谷区, 1935.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I078102318-00 (台東区111643011/T213.6タ) -
幕府普請奉行 編. 江戸城下変遷絵図集 : 御府内沿革図書 第15巻. 原書房, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001842312-00 , ISBN 4562015675 (台東区113351753/T291.3エ) -
江戸城下変遷絵図集 別巻 2 (江戸城下武家屋敷名鑑 下巻 地域・年代篇). 原書房, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001920934-00 , ISBN 4562019247 (台東区113351829/T291.3エ) -
岡本哲志 著 , 岡本, 哲志, 1952-. 江戸→TOKYOなりたちの教科書 3. 淡交社, 2018.
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文政武鑑 1. 柏書房, 1982. (編年江戸武鑑)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005630233-00 , ISBN 4760101942 (台東区120765839/R281.0ブ) - 東京名所図会 下谷区・上野公園之部.睦書房,1968. (台東区110876240/T291.3ト)
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台東区産業部商業計画課 [ほか]編 , 東京都台東区. 上野・浅草歴史散歩 : 重ね地図で江戸を訪ねる. 東京都台東区, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004327067-00 (台東区111980439/Y291.3ウ) - 東京北東部 浅草及下谷 明治20年版.参謀本部陸軍部測量局.台東区,1968. (台東区122660855/T213.6ト)
- 明治東京全図の内 第五大区図 明治9年版.台東区,1968. (台東区122660863/T213.6メ)
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東京都 編 , 東京都. 東京市史稿 市街篇 第49. 1960.
- キーワード
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- 上野
- 石川家
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000306716