レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/12/27
- 登録日時
- 2022/12/22 00:30
- 更新日時
- 2022/12/22 09:48
- 管理番号
- 関町-R1004919
- 質問
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解決
大正時代の日本における未成年女性の一人暮らしが何歳から可能であったのか知りたい。
- 回答
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以下の資料を参考にしてください。
・『明治・大正家庭史年表』 下川耿史/編 河出書房新社 2000年 ISBN4-309-22361-3
質問内容に一部合致する記載があります。p450に記載されている年表の衣・食・住の項に「5.25東京で桜楓会アパート開所式、婦人学術研究者、女教員、女学生ら女性対象のアパート」とあります。
・『「青鞜」人物事典』 らいてう研究会/編 大修館書店 2001年 ISBN4-469-01266-1
一部合致する記載があります。p191の「吉屋信子」の項の年表に「1915 東京帝大在学中の三兄が父を説得してくれ、上京」とあります。
・『大正ロマン手帖』 石川桂子/編 河出書房新社 2009年 ISBN978-4-309-72770-7
一部合致する記載があります。p54に「職業婦人」として、未成年ではありませんが未婚の女性の就業に関する記載があります。
・『大正史講義 文化篇』 筒井清忠/編 筑摩書房 2021年 ISBN978-4-480-07423-2
p243~260の第14講に「職業婦人」に関する記載があります。
・『大正時代の身の上相談』カタログハウス/編 筑摩書房 2002年 ISBN4-480-03710-1
一部合致する記載があります。p32記載の大正5年(1916年)9月21日の項に「私は本年十八歳の女です。昨年女学校を終え、燃えるような希望と堅い決心とを持って上京し」とあります。
大正期の未成年女性の一人暮らしが賃貸物件の貸借によるものと仮定する場合、法的契約を必要とするため、明治29年施行の民法が適用されます。また、大正期という条件に合致しませんが、明治期における未成年の法的契約の制限に関する資料があります。
○立命館法学 一九九五年二号(二四〇号)◇ 論 説 ◇ 明治民法における行為能力の制限 大河 純夫 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/95-2/ookawa.htm
キーワードに「明治民法」・「未成年法的契約」と入力し、検索してください。
また、以下の資料では明治期から大正期における民法改正の範囲について記載があります。
○法律情報基盤- Legal Information Platform - 明治民法(明治29・31年) https://law-platform.jp/table/129089d/2
キーワードに「明治民法」と入力し、検索してください。
- 回答プロセス
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質問内容の詳細を伺ったところ、20歳以下の未婚の女性が親元から離れた状態で暮らしていたと仮定した場合、何歳頃から生活していたのか、年齢を知りたいとのことだった。また、可能ならば未成年の女性が大正時代に暮らしていた実例も調べたいと希望されており、その二つを踏まえたうえで資料検索に臨んだ。
まず、一人暮らしが賃貸物件を賃貸契約して貸借するものと仮定した場合、現在では民法5条に則り、法的契約を必要とするが未成年者の場合は法的代理人の同意を要するが未成年者の具体的な年齢の定義は条文に明記されていないため、法律上は年齢に関わらず一人暮らしは可能である。そこで、大正時代の未成年女性が一人暮らしが可能だったのか、当時の法律を調べた。WEB検索から「民法」「五条」「明治」を検索ワードの入力、ヒットしたページの中から「日本法令索引」の民法第五条の項から検索した。同時に、明治民法の条文を調べるため、「明治民法」と入力、「法律情報基盤- Legal Information Platform - 明治民法(明治29・31年)」から条文を閲覧した。さらに、未成年の法的契約に関する資料を検索するため、「明治民法」「未成年」「法的契約」と検索、該当の論文を抽出した。検索結果の該当論文『立命館法学 一九九五年二号(二四〇号)◇ 論 説 ◇ 明治民法における行為能力の制限 大河 純夫』では明治民法における未成年の法的契約の制限について論じられており、大正時代の未成年女性による賃貸契約において調べる際にも有用な資料と仮定できるため、提供に至った。
次に、大正時代の未成年女性の一人暮らしの実例に関する資料を探索した。レファレンス協同データベースから該当事例を検索したが該当なし、練馬区のOPACから既存のレファレンス事例を検索、完全一致する事例はないが、一部合致する大正時代の暮らしに関する質問(レファレンス番号R1004643)があったため、該当レファレンス事例の参考資料欄から複数の資料を抽出した。また、近代史や女性史、女性論や社会通俗に関する2、3類の書棚、平塚らいてうなどの大正期に活躍した女性作家の周辺から該当の事例を探るため9類の書棚をブラウジングし、複数の資料を抽出した。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 明治・大正家庭史年表 下川耿史/編 河出書房新社 2000.3 210.6 4-309-22361-3
- 『青鞜』人物事典 らいてう研究会/編 大修館書店 2001.5 367.21 4-469-01266-1
- 大正ロマン手帖 石川桂子/編 河出書房新社 2009.12 210.69 978-4-309-72770-7
- 大正時代の身の上相談 カタログハウス/編 筑摩書房 2002.2 159 4-480-03710-1
- 大正史講義 文化篇 筒井清忠/編 筑摩書房 2021.8 210.69 978-4-480-07423-2
- 日本法令索引 民法 明治29年4月27日法律第89号 法令沿革 https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000003534¤t=-1 2022.9.5
- 法律情報基盤- Legal Information Platform - 明治民法(明治29・31年 https://law-platform.jp/table/129089d/2 2022/1/6
- 立命館法学 一九九五年二号(二四〇号)◇ 論 説 ◇ 明治民法における行為能力の制限 大河 純夫 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/95-2/ookawa.htm 2021/12/27
- キーワード
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- 大正
- 女性
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 資料提供(練馬区所蔵)
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000326183