レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20200208
- 登録日時
- 2020/07/07 00:30
- 更新日時
- 2020/10/17 10:26
- 管理番号
- 0401001672
- 質問
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解決
隣接する土地に生えている竹の地下茎が、敷地の境界を越えて侵入してくる。土地の持ち主に、侵入を防ぐための対策を講じてもらうよう頼むことが法律上可能か知りたい。
- 回答
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依頼者自身、開架書架にある資料を見てみたが見つからなかったと相談があった。
そこで境界線を越えて侵入する植物の処理についてデータベース「判例秘書」で判例検索するが、該当する判例や似た事例の判例を見つけられなかった。
質問内容が図書館では判断しかねる内容へと変遷したため、無料の法律相談ができる「法テラス熊本」を案内した。
法テラス熊本
https://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/kumamoto/index.html(2020年2月現在)
- 回答プロセス
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初めは境界線についての民事判例集を見たいとのことで、境界線に関連する法律の資料の棚に案内した。
しかし、調べたいことに合致する事例が載っていなかったとのこと。
再度詳しく内容を聞くと
「毎年隣の家に生えている竹の地下茎が自分の土地に侵入してくる。境界線を越えて入ってくる植物については、侵入された側が切っていいと言われ対処してきたが、毎年の上、どんどん根深くなり対応に苦慮している。土地の持ち主に対して、地下茎が侵入しないように地下に穴を掘り壁を作ってもらうなどの対策を依頼することが法律上可能か知りたい」
という理由で事例を調べているとのことで、参考になる判例があるかデータベース判例秘書で「境界」「植物」「侵入」などをキーワードに調べてみたが、該当事例に合う判例を見つけきれなかった。
そのうちにズバリ法律的にどうか?を図書館で相談するという話に変遷してしまったため、「熊本県立図書館レファレンス業務取扱要領」第6条第2項(法律相談及び特許相談)にのっとり、レフェラルサービスに切り替えた。
無料で相談できる場所を希望したため、法テラスを案内して終了とした。
後日念のため、自館資料に植物の侵入について法的に書かれているものがなかったか再調査したところ、2冊の資料があった。
『すぐに役立つ私道・境界・建築をめぐる法律とトラブル解決マニュアル』尾込平一郎/監修,三修社,2013年
p.185に「隣家の樹木が越境している場合はどうする」という事例があり相手方に枝は切るように請求でき、根は勝手に切ってもよい、というような記載があった。
『土地家屋の法律知識 2012追補版』自由国民社,2012年
p.369~に「境界付近の樹木が越境したときどう解決するか」という項目があった。
これによると「隣地の竹木の枝が境界線をこえるときは、相手に対してその枝を切り取ることを請求できます。(中略)相手があなたの請求に応じない場合は、裁判所に対して相手の費用をもって植木屋なり職人なりに切りとらせることを請求できます(民法二三三条)」と書かれてあり、更に「なお参考までに隣地の竹木の根(たけの子、いも等地下茎を含む)が境界線をこえているときは、あなたはそのこえた部分を自由に切り取ることができます(同条二項)。ただし、この場合も、あなたに少しの利益もないのにその根を切りとることは権利の濫用として許されません」と書かれていた。
関連する法はわかったが、いずれも越境を防ぐ対策を越境された側が自分で講じることに関しては書かれていたが、越境した側に“依頼する”ということまでは書かれていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 民法.民事法 (324 10版)
- 参考資料
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- すぐに役立つ私道・境界・建築をめぐる法律とトラブル解決マニュアル,尾込 平一郎/監修,三修社,2013.1 (p.185:隣家の樹木が越境している場合はどうする|0141371401|/324.2/オ/)
- 土地家屋の法律知識 [2012]追補版,自由国民社,2012.2 (p.396:境界付近の樹木の越境|0141393587|/324.2/ト/)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000284320