レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/12/02
- 登録日時
- 2024/01/24 10:13
- 更新日時
- 2024/02/21 12:49
- 管理番号
- 相市-R5-15
- 質問
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解決
小学校3~4年生ぐらいの時、小学校の図書室で借りて読んだ資料を探してほしい。
※2010~2015(平成22~27)年ぐらい。
●特徴
・児童書:児童よみもので短編が5つぐらい入っていた。
・タイトル:鳥の名前が含まれていた。色の名前も入っていたような気がする。
・表紙:青か緑でハードカバー(単行本)
・著者:日本人。漢字の名前だった。
●内容
・舞台はメルヘンの国(おとぎばなし)
・人間が熊になったり、鳥になったり、また人間に戻ったりするおはなし。
・何かすると、人間から熊になって、熊の世界で生活が送れる。最後は人間の世界に戻って終わり。
・家族は鳥になって旅立った。
・火事みたいな事件が起きて、人間に戻った。
- 回答
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回答プロセスの通り、一番該当箇所が多かった『銀のくじゃく』 安房 直子/著 筑摩書房 1994 をご案内した。
(1975年の初版本とは表紙が異なる。また、2017年に偕成社から再刊されている。)
【照会事項と合致する点】
短編集(全7編)/小学校高学年むけ/タイトルに鳥と色を含む/ハードカバーで大きさ21cm/著者が日本人で漢字の名前/表紙が水色/内容:「銀のくじゃく」鳥になったり人間に戻ったりする。最後、くじゃくになって旅立った。「熊の火」人間が熊になり熊の生活を送るが、最後は人間に戻る。
回答の際、質問者が挙げていなかった内容についてもお話したところ、(「熊の火」で、遭難した小森さんがたばこを吸う熊と遭遇する)質問者が思い出して、間違いないと確信され、解決に至った。
- 回答プロセス
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●自館OPACで自然文検索
出版年が2015年以前、児童書 分類:913 “人が熊になる話”で検索し、15件ヒット。
→タイトルに鳥と色の名前が含まれるものはなかった。その内、日本人作家が書いた短編の童話集3件について、内容を確認。
①『頭のうちどころが悪かった熊の話』 安東 みきえ/著 下和田 サチヨ/画 理論社 2007
【J913 S25882093】 →該当なし。
②『底なし谷のカモシカ』 椋 鳩十/著 ポプラ社 1985 【J913 S05270558】 →該当なし。
③『安房直子コレクション 5 恋人たちの冒険』 安房 直子/著 偕成社 2004
【J913 S22406763】→ストーリーに該当箇所あり。
「熊の火」(あらすじ)人が熊になり家族も作り熊の生活を送るが、最後は人に戻る。
●「テーマ」「あらすじ」「登場人物」から作品を探すことのできる参考資料をブラウジング。
④『キラキラ読書クラブ 改訂新版』 キラキラ読書クラブ/編 住田 一夢/絵 玉川大学出版部
2014 【J01 S32257743】
参照項目:テーマ別リスト(九つの扉より):トリ、クマ、変身/キーワード索引:トリ、クマ/
書名索引:鳥と色の名前を含む書名のチェック→該当なし。
⑤『本の探偵事典 どうぶつの手がかり編』 あかぎ かんこ/著 フェリシモ出版 2005
【028.09 S23087612】
参照項目:暖かくて卵を生む生きもの 鳥類/温かい生きもの2 クマ →該当なし。
⑥『本の探偵事典 いろの手がかり編』 あかぎ かんこ/著 フェリシモ出版 2005
【028.09 S24373326】
参照項目:みどり、そらいろ、あお →該当なし。
⑦『日本の児童文学登場人物索引 単行本篇 上 あ~つ』 DBジャパン/編集 DBジャパン 2004 【LC909 S24145690】
参照項目:くま、クマ、熊 →該当なし。
⑧『日本の児童文学登場人物索引 アンソロジー篇』 DBジャパン/編集 DBジャパン 2004
【LC909 S22915482】
参照項目:くま、クマ、熊 →該当なし。
●児童文学作品の図書目録の参考資料をブラウジング。
⑨『日本の名作童話6000 子どもの本』 日外アソシエーツ 紀伊国屋書店洋書部 2005
【LC909 S29607926】
自館OPACでヒットした児童作家2人について調べる。
p275ーp292“椋 鳩十”→作品一覧のタイトルに鳥と色が含まれている作品あり。
⑩『白いオウム』 椋 鳩十/著 ポプラ社 1982 【J913 S03279262】(ポプラ文庫) 15cm
※⑥の資料p72“しろ”の項目に1974年版の書影あり。 21cm
→表紙の背景が水色に白いオウムが描かれているが、ストーリーは該当しない。
9pー13p“安房直子”→作品一覧のタイトルに鳥と色が含まれている作品あり。
⑪『白いおうむの森』 安房 直子/著 筑摩書房 1987 【J913 S33399981】 21cm
→表紙が桃色で、イラスト風の白いおうむの絵で、ストーリーも該当しない。
⑫『銀のくじゃく』 安房 直子/著 筑摩書房 1985 (ちくま文庫) 15cm
→大きさは異なるが、表紙が水色で2羽のくじゃくが飛んでいる絵。上記の「熊の火」が収録されている。
合致点が多く認められたので、他の収録作品の内容も確認したところ、表題作「銀のくじゃく」のストーリーにも該当箇所あり。
「銀のくじゃく」(あらすじ)旗に緑のくじゃくを織り込むよう頼まれていた機織りの男が、四人のお姫様たちとの約束で、旗の裏側に銀のくじゃくも織るのに夢中になる話。お姫様たちは、最後にくじゃくになって飛んでいく。
⑬『銀のくじゃく』 安房直子/著 赤星 亮衛/絵 筑摩書房 1975 (初版)21cm
→表紙が黄色で、蝶の羽をもつ女の子が描かれている。(「緑の蝶」の作品のイメージ画と思われる。)
※⑥の資料p92の“ぎん”の項目に1975年版の書影あり。
同上の資料の中のコラム「色がたくさんでてくる作家ー安房直子」(p74)に参考になる記載あり。
●自館OPACで“銀のくじゃく”を検索
⑭『銀のくじゃく』 安房 直子/著 筑摩書房 1994 【J913 S10727097】
→上記の1985年版(ちくま文庫)と内容も表紙も同一。加えてハードカバー、21cmで形態も該当する。
●インターネットで検索
・WebcatPlusで連想検索
“人が熊になる話 童話集 火 表紙が緑か青 タイトルに鳥と色”で検索、多数ヒット。
→上位120件を確認する。その内、出版年の異なる『銀のくじゃく』が数件ヒット、他は該当なし。
・NDLサーチでキーワード検索
検索条件 キーワード:熊 童話集 所蔵場所:国際子ども図書館 種別:図書 形態:紙
図書館:国会図書館、全国の図書館 出版年:1960年~2015年 (出版昇順)
→144件ヒット。書影と内容細目を確認。『銀のくじゃく』以外では、該当なし。
・Google booksでキーワード検索
“人が熊になる話 人間の世界 熊の世界 緑の表紙”で検索
⑮『銀のくじゃく』 安房 直子/著 高橋 和枝/絵 偕成社 2017 (偕成社文庫) 15cm がヒットする。
筑摩書房1975年刊の再刊の記載あり。
→表紙は青緑色で、くじゃくが描かれている。画家と出版社は異なるが、内容は上記と同一。ただし、形態は文庫。
●情報提供の呼びかけ
自館の図書館員スタッフに質問内容を公開し、情報を求めた。→該当するものは見つからなかった。
※【 】内は自館の請求記号と資料番号です。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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『銀のくじゃく』 安房 直子/著 筑摩書房 1994
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000001-I142362337#bib
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『銀のくじゃく』 安房 直子/著 筑摩書房 1994
- キーワード
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- ストーリーレファレンス
- 児童文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000345361