レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/10/15
- 登録日時
- 2022/12/14 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M22091510036741
- 質問
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頸や四肢を甲の中に引っこめることのできるカメとできないカメの種類を知りたい。またその違いがなぜあるかについても知りたい。
- 回答
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①『日本のカメ・トカゲ・ヘビ 増補改版』の「カメにはどんなグループがある?」の中で以下の6つの科に分けて解説されている。
イシガメ科、ヌマガメ科、スッポン科は「頭部と四肢は、甲の中に完全に引き込むことができる。」、カミツキガメ科は、「四肢は甲の中に引き込むことができるが、頭部は不完全にしか入らない。」、ウミガメ科とオサガメ科は「頭部も四肢も甲の中に引き込むことができない。」と記述されている。
②『カメのすべて』の「カメの科学 頸と頭の秘密」の中で、「カメの頸は甲羅に収まるものと思われていますが、どのカメもそうではありません。ワニガメやオオアタマガメといった水生のカメは、大きく口を開けて近寄ってくる魚を飲み込めるように、頸が太くなり頭も大きくなったため、甲羅に収まらなくなりました。だから、ワニガメやカミツキガメには、近づく敵に噛みついて追い払うだけの強い顎があるのです。一方、ウミガメ類やスッポンモドキのように泳ぐことに適したカメは、頭だけでなく四肢も甲羅に収めることができません。これは甲羅を軽量化させて、素早く泳げるようにしたのです。剥き出しになった頭部は、堅くすることでサメなどから身を守っています。」と記述されている。
③『世界のカメ類』の中でカメの体について「多くの種は一般的に甲羅が体の大部分を占め、四肢を折り畳み、頭部は横に曲げるか縦にS字型に引き込み、尾は左右どちらかに曲げることで甲羅内に隠す構造を持つが、ワニガメやオオアタマガメなどは頸を甲羅内に引き込み大きく強固な頭で蓋をする。オール状の四肢を持つウミガメ類やスッポンモドキなどは、頭部を完全に甲羅内に引き込まず、四肢は体に沿わせ、尾は伸ばしたまま(陸上では多少左右に曲げる程度)となる。」と記述されている。
④『カメのきた道』の中では、頸や四肢を引っ込めることができなかった古代のカメが進化により、引っ込めることが可能になった過程が説明されている。
⑤『ウミガメの自然誌』第2章「形態-機能と構造」の中で、ウミガメの四肢と頭部についての記述がみられる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 脊椎動物 (487 9版)
- 参考資料
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①富田京一, 松橋利光『日本のカメ・トカゲ・ヘビ 増補改版』 山と溪谷社,2019,271p. 参照はp.10-11.
②高橋泉『カメのすべて』 成美堂出版,1997,176p. 参照はp.19.
③大谷勉『世界のカメ類』 文一総合出版,2018,318p. 参照はp.8-9.
④平山廉『カメのきた道』 日本放送出版協会,2007,205p.
⑤亀崎直樹『ウミガメの自然誌』 東京大学出版会,2012,307p. 参照はp.35-43.
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①富田京一, 松橋利光『日本のカメ・トカゲ・ヘビ 増補改版』 山と溪谷社,2019,271p. 参照はp.10-11.
- キーワード
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- カメ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2022091510063636741
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000325668