●百科事典
①『日本大百科全書 24 りさ-ん』 小学館 1994 ISBN:4-09-526124-2 R031/ニ
→「笑い」の項目あり。p.825-828
「…笑いは①身体への刺激による笑い、②うれしさの笑い、③おかしさの笑い、④てれ隠しの笑い、⑤演技としての笑い、⑥病的な笑い、のようにも分類できる。…」
●心理学に関する事典・辞典
②『最新心理学事典』 藤永 保/監修 内田 伸子/責任編集委員 平凡社 2013 ISBN:4-582-10603-9 R140.33/サ
→「わらい 笑い」の項目あり。p.754-755
「…怒りや恥じらい、不安を隠蔽する際に笑いを表出することがあることも、ダーウィンDarwin,C.以来指摘されてきた。…」、「…失敗場面で観察される笑いの頻度は、アメリカよりも日本で高く、この傾向は幼児期でも報告されている。…」
③『APA心理学大辞典』 G.R.ファンデンボス/監修 繁桝 算男/監訳 培風館 2013.9 ISBN:4-563-05234-8 R140.33/エ
→「笑い」の項目あり。p.944-945
「…笑いは、安全な状況において恐怖を起こさせるような事態が発生する場合や、認知的不協和が突然解消する場合にも起こる。また、精神分析理論では、笑いは、泣くことや当惑に対する防衛であると解釈される。…」
●医学に関する辞典
④『医学書院医学大辞典』伊藤 正男/総編集 井村 裕夫/総編集 医学書院 2009.2 ISBN:4-260-00582-1 R490.33/イ
→「笑い発作」の項目あり。p.2967
⑬『感情と思考の科学事典』
海保 博之/監修 松原 望/監修 朝倉書店 2010.4 分類:141.6 ISBN:4-254-10220-8 タイトルコード:1000000614504
直接的な回答ではないが、p.38「感情の認知」、p.40「共感性」などが参考になるかもしれない。
●笑いに関する図書
⑤『笑い/その異常と正常』
志水 彰/著 勁草書房 2000.6 分類:141.6 ISBN:4-326-60135-3
→「第三章 笑いの分類と心的メカニズム」のなかで防御の笑いについて記述あり。「表3-1 笑いの分類」、「図3-1 生物学的にみた笑いの分類」等あり。
→「第四章 笑いの中枢神経」より、「…笑いの中枢は脳にあると考えられるが、脳内のどの部位にあるのかという点については未だ明確な答えがない。」としたうえでデータの紹介あり。各章に参考文献の紹介あり。
⑥『笑いの社会学 世界思想ゼミナール』
木村 洋二/著 世界思想社 1983 分類:141.6 ISBN:4-7907-0255-3
→取り消しの微笑について記述あり。(p.54)
⑦『笑う人間/笑いの現在』
西村 清和/著 松枝 到/著 ポーラ文化研究所 1994 分類:141.6 ISBN:4-938547-31-7
→p.55~取り消しの微笑
「礼儀上の微笑」、「謙遜の微笑」等について記載あり。また日本人のジャパニーズスマイルはそれらと本質的に違うとし、和合意志の主体的表現であると主張するとし、注釈に小泉八雲のエピソードの例を挙げている。
→p.130図「笑いの構造」あり
⑧『人はなぜ笑うのか 笑いの精神生理学 ブルーバックス』
志水 彰/[ほか]著 講談社 1994 分類:141.6 ISBN:4-06-257021-1
社交上の笑い(「防御の笑い」・「無価値化の笑い」)、緊張緩和の笑いなどについて記述あり。
⑨『「笑い」の解剖 経済学者が解く50の疑問』
中島 隆信/著 慶應義塾大学出版会 2019 分類:141.6 ISBN:4-7664-2614-4
→序章p.3 自閉スペクトラム症についての文脈であるが、「…現在の脳科学研究において、笑いの構造が十分に解明されているとは言いがたい。…」
→第2章身近な笑いQ15厳粛な式典で笑いそうになったらどうする?(p.57~)のなかで失笑恐怖症に触れ、根本的な解決にはメンタルクリニックなどの診察を受け適切なストレスコーピングを身に付けるのが望ましいと述べられている。
⑩『ヒトはなぜほほえむのか 進化と発達にさぐる微笑の起源』
川上 清文/著 高井 清子/著 新曜社 2012 分類:141.6 ISBN:4-7885-1286-3
⑪『笑いのちから ストレス時代の快笑学』
角辻 豊/著 家の光協会 1996 分類:498.3 ISBN:4-259-54486-1
→p.95 図「生物学的にみた正常な笑いの分類」(角辻)
該当する内容には乏しい。
⑫『笑い脳 社会脳へのアプローチ 岩波科学ライブラリー』
苧阪 直行/著 岩波書店 東京 2010.1 1
分類:141.6 ISBN:4-00-029566-6 タイトルコード:1000000578409
→p.36~笑いの理論
不一致理論「不一致理論では、予想したり、期待したりしていたことが実際にはそうならなかった場合(不一致)に、そのズレが笑いを導くと説明する。」
開放理論「開放理論では、感情や緊張が高まった心的状態が一転して無意味なことがらに帰する場合、行き場を失った心的エネルギーが笑いによって開放されると説明する。」
→p.41~寺田虎彦の「理由なき笑い」
「…「危険の感じ」が笑いを誘発する」ことの理由を求めていたこと(岩波文庫『寺田寅彦随筆集』所収の随筆「笑い」に言及されている)を挙げている。不一致理論や開放理論が関わる例として考えられるという記述あり。
寅彦が感心した説である「笑うからおかしい」というジェームズ・ランゲ説に言及されている。
→p.43~ジェームズ・ランゲ説
「…笑いに伴う生理反応(顔筋の大頬骨節の活動)など末梢からの反応を重視し「笑うから楽しい」という情動の末梢起源説を唱えた」とある。
→p.100~日本人の微笑み
「日本人の笑いの表情は…あいまいであるといわれるが、…日本の伝統的な村落共同体が、楽しさによる自己充足的な快の笑いよりも、従属と同意の意思表現としての微笑みを優先させてきた結果であろう。…」
【該当する内容に行き当たらなかった資料】
・「反構造としての笑い:破壊と再生のプログラム」
・「欲動、自我、対象、自己:精神分析理論の臨床的総合」
・「不気味な笑い:フロイトとベルクソン」
・「精神分析理論の臨床」
・「トラウマと身体:マインドフルネスにもとづくトラウマセラピー」
・「人はなぜ笑うのか?:フロイトと機知」
以上