レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/27
- 登録日時
- 2022/02/25 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M21111213315080
- 質問
-
山言葉(山詞)と呼ばれる、マタギが山で使う忌み言葉やマタギの禁忌、戒律などについて知りたい。
- 回答
-
?『民俗民芸双書 77 日本の忌みことば』では、第4章に「山言葉」とあり、山言葉を動物、食などで分類し、使用している地域名と共に紹介している。たとえば、熊のことはオヤジ・コシマキ・シシなど38の呼び方で呼ばれている。また、山の神信仰との関わり、女性や女性に関する言葉が忌まれていたことなどについても記されている。
②『マタギ』では「狩りの掟と儀式」で山入りの作法やマタギ言葉(山言葉)を使うことなどが書かれており、「マタギ事典」で山言葉などがまとめられている。
③『秋田マタギ聞書』では、秋田のマタギ35人に聞き書きしたことがまとめられており、山言葉については「マタギ詞」「マタギ言葉」「山言葉」「又鬼言葉」などの表記で紹介されている。また、「山に入る人のいる家では寒三十日の間、絶対に豆を煎ってはならない。豆のはじける響きで、雪が裂け、雪崩が生じるから」などの禁忌や猟の前の晩の夢が重大な関係があることなど、多くの禁忌や戒律、呪文や儀式について記されている。
④『白神山地マタギ伝』では「マタギの戒律」でマタギの山詞や女人禁制について記されている。
⑤『山ことばと炉端話』所収の「越後川内 熊狩り話と山ことば(笠原藤七)」では、川内の山ことばが里ことばと二つの地区の山ことばと比較した表の形で記されている。
⑥『宮本常一 山と日本人』では、狩の作法や「一般のマタギの山入の場合は、一週間まえから水ゴリをとり、禁慾し、女はオハグロをつけず謹慎する」「山中で里言葉を用いると、水ゴリをとらねばならなかった」などのマタギの禁忌が記されている。
⑦『マタギ奇談』では、四、九以外にも十二が忌み数であることや夢見によって猟をやめるなどの禁忌について記されている。
なお、当館では未所蔵だが、⑧『マタギ語辞典』があり、参考になると考えられる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 参考資料
-
-
?楳垣実『民俗民芸双書 77 日本の忌みことば』岩崎美術社, 1973, 284p.参照はp.109-196.
②太田 雄治『マタギ』八幡書店, 1989, 316p.参照はp.67-87.p.229-308.
③武藤鉄城『秋田マタギ聞書』慶友社, 1994, 234,9p. 参照はp.6.ほか
④根深誠『白神山地マタギ伝』七つ森書館, 2014, 274p.参照はp.60-63.
⑤山村民俗の会『山ことばと炉端話』所収 笠原藤七「越後川内 熊狩り話と山ことば」p.37-51,エンタプライズ,1991,267p.参照はp.47-51.
⑥宮本常一,田村善次郎『宮本常一 山と日本人』八坂書房,2013,270p.参照はp.84-88.
⑦工藤 隆雄『マタギ奇談』山と溪谷社,2016,189p.参照はp.132-136.
⑧板橋義三『マタギ語辞典』現代図書,相模原,2008,144p.(当館所蔵なし)
-
?楳垣実『民俗民芸双書 77 日本の忌みことば』岩崎美術社, 1973, 284p.参照はp.109-196.
- キーワード
-
- マタギ 又鬼 山言葉 山詞 マタギ言葉 忌み言葉 禁忌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2021111213373215080
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000312519