レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/02/12
- 登録日時
- 2021/03/10 00:30
- 更新日時
- 2021/03/10 00:30
- 管理番号
- 6001048558
- 質問
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解決
明治13年に設立された「(棄児)愛育社」についてわかる資料はあるか。
- 回答
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明治13年に設立された「(棄児)愛育社」については、次の資料に記載がある。
■『明治大正大阪市史 第4巻 経済篇 下』(大阪市役所/編纂 日本評論社 1934)
「第十章 社会問題及社会施設 第三項 私営救済事業 一 市政施行前の私営救済事業」に「棄児愛育社」の記載がある(p.677-678)。
明治13年3月に花淵國光、池田蜀才等によって開設され、「市内に於ける棄児を収容保育することゝなつた。之れ実に本市に於ける此種慈善救済団体の嚆矢であらう」
同社は明治20年に解散したとあるが、p.678には「棄児愛育社業績表」として明治13年から20年までの男女別収容数、収入額、支出額が記載されている。
■『東区史 第2巻 行政篇』(大阪市東区法円坂町外百五十七箇町区会/編纂 大阪市東区役所 1940)
「第五章 社会事業 第三節 明治時代 第四款 私営社会事業 二 救育施設」に「(二)愛育社」の項がある(p.782-784)。
「愛育社設立規則案」によってその事業、財源、養育方法が記載されているが、「これらが実際どの程度まで実行されたかは詳かでない。」との記述がある。
設立された明治13年から解散した明治20年までの「実績統計」として男女別「被救助人」、収入額、支出額が記載されている(『明治大正大阪市史』掲載の数字と一部異なる数字がある)。
また、「東区にこの愛育社が存在したのは明治16年までである」との記述がある。
■『社会事業史』(大阪市社会部庶務課/編 大阪市役所社会部庶務課 1924)
p.94-95に棄児愛育社について記載がある。
■『大阪府社会事業史』(大阪社会福祉協議会 1958)
「第五章 近代の社会事業、第一期 第二節 救護事業 第二項 特別救護事業」の「棄児養育」の項目(p.204-206)に「棄児愛育社」について記載がある。(p.206)
■『近代大阪の社会史的研究 大阪経済大学研究叢書』(北崎豊二/著 法律文化社 1994.4)
「第六章 明治十年代の堺県再置運動 三 明治十五年の大阪府会 1 明治十五年の建議 (二)大阪府知事への建議」に、明治15年の大阪府会における大阪府知事への建議が列挙されている。(p.308-322)
このうち、「棄児愛育社ニ補助金ヲ与フルノ建議」について、次の記述がある。
「明治十二年(一八七九年)十二月に大阪府下の有志によって設立された愛育社に補助金を支給するよう建議したものである。建議は(中略)区部会において豊田文三郎(東区選出議員)が建議し、起草した文案を同部会が可決し、建議したものである。」(p.312)
この建議についての記述の出典は、次の資料であることが記されている。
■『大阪府会史 第1編』(大阪府会/[編] 大阪府内務部 1933)
「明治十五年自四月二十日至六月廿九日 区部会議議事摘要」(p.301-317)の「区部会乙第三号議案区部地方税収入予算 修正」の項に、「可決建議ノ部」として次の記載がある。
「棄児愛育社ニ補助金ヲ与フルノ建議 建議者 十七番(豊田)起草委員同上」(p.315)
[事例作成日:2021年2月12日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 10版)
- 参考資料
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- 明治大正大阪市史 第4巻 大阪市役所∥編纂 日本評論社 1934 (677-678)
- 東区史 第2巻 大阪市東区法円坂町外百五十七箇町区会∥編纂 大阪市東区役所 1940 (782-784)
- 社会事業史 大阪市社会部庶務課∥編 大阪市役所社会部庶務課 1924 (94-95)
- 大阪府社会事業史 大阪社会福祉協議会 1958 (206)
- 近代大阪の社会史的研究 北崎/豊二∥著 法律文化社 1994.4 (312)
- 大阪府会史 第1編 大阪府会∥[編] 大阪府内務部 1933 (315)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪,人物・団体
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000294976