レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年12月08日
- 登録日時
- 2019/09/06 17:00
- 更新日時
- 2020/03/24 16:07
- 管理番号
- 吹-30-2019-005
- 質問
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解決
板海苔の作り方を知りたい。機械で作るのではなく昔ながらの手作業で作る方法、特に、海で採った海苔を海水で洗うのか真水で洗うのかを知りたい。
- 回答
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下記の資料を紹介した。
(1)『図録・山漁村生活史事典』(秋山高志/[ほか]編 柏書房 1991.1)
p180に江戸時代(享保のころ、1716年~1732年)の製造法の記載あり。
「採った海苔を少しずつ笊(ざる)に移しながら海水でよく洗った後、一晩そのままにして翌朝もう一度海水で洗って十分水をきる。それを薄刃庖丁で少しずつ細かく刻んで、四斗樽に入れる。2升(3.6リットル)溜まると、淡水で満たし、竹竿でよく掻きまぜる。抄き方は、(中略)四角い木枠を置き、その中に桝(ます)で水海苔をすくって入れ、平均にならす。水がきれたところで枠をとり、干し場で干す。(以下略)」とある。
(2)『日本のくらしの知恵事典』(神野善治/監修 岩崎書店 2008.9)
p42に「昔ながらの海苔のつくり方 海苔をすく 昭和40年頃まで」の記載あり。
「採ってきた海苔をまな板の上に広げてごみを取りのぞき、包丁でたたいてきざみ、きれいな水を入れた桶の中にいれます。竹の棒で海苔と水をよくかきまぜ、マスですくって「す」にのせた四角い木ワクの中に流し込み、うすく均一になるようにすきます。すきあげたら、「す」にのせたまま、台に並べて干します。(以下略)」とある。
(3)『海藻の食文化』(今田節子/著 成山堂書店 2003.3)
p100~p101に「ノリの加工と保存」の記載あり。
「昭和初期頃までは、(中略)砂などをよく洗い落した後に、小さく刻んだノリを水に溶き、四角い簀(す)の上に紙漉(かみすき)の要領で薄くすき、天日干しにされた。」とある。
- 回答プロセス
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質問者ご自身が実際に、海で採った海苔から板海苔を作ろうとされており、昔の作り方を知りたいとのご希望だった。
まず、風俗習慣(NDC380)の書架から(1)と(2)を紹介した。次に、水産製造(NDC667)の書架から(3)を紹介した。
各資料の記述より、最初は海水で洗い最終的には真水で洗って作っていたことがわかった。
なお、(1)には「海苔を干す」、「海苔を洗う」、「海苔のしたごしらえをする」の各図が、(2)には海苔をすいて干す道具の図と写真が、(3)には板状にすかれたノリが簀(す)の上で天日干しされている写真が、それぞれ載っていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 10版)
- 社会.家庭生活の習俗 (384 10版)
- 水産製造.水産食品 (667 10版)
- 参考資料
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秋山高志 [ほか]編 , 秋山, 高志, 1934-. 図録・山漁村生活史事典. 柏書房, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002089001-00 , ISBN 4760106235 -
神野善治 監修 , 神野, 善治, 1949-. 日本のくらしの知恵事典. 岩崎書店, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009632832-00 , ISBN 9784265059584 -
今田節子 著 , 今田, 節子, 1947- , 日本水産学会. 海藻の食文化. 成山堂書店, 2003. (ベルソーブックス ; 14)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004095157-00 , ISBN 4425851315
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秋山高志 [ほか]編 , 秋山, 高志, 1934-. 図録・山漁村生活史事典. 柏書房, 1991.
- キーワード
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- 海苔(のり)
- 海苔すき
- 板海苔
- 板のり
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261087