レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023.2.6
- 登録日時
- 2023/04/24 13:33
- 更新日時
- 2023/05/15 12:25
- 管理番号
- 川図22-16
- 質問
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解決
砂入り人工芝テニスコート維持管理について『屋外体育施設の維持管理マニュアル』を読んだが、以下の疑問が解決していない。
1. 利用者が正しくブラッシングをすれば人工芝の摩耗はある程度軽減できるのか?
2. ブラッシング時に推奨されるブラシはあるか?
3. 人工芝が摩耗したらマイクロプラスチックが発生するか?
これらを解決するために参照すべき資料はあるか?
- 回答
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J-GlobalやJ-PlatPat、当館OPAC、Google検索などで「人工芝」「砂入り人工芝」「メンテナンス」「マイクロプラスチック」を検索し、該当すると思われる文献を以下のとおり回答する。
1.利用者が正しくブラッシングをすれば人工芝の摩耗はある程度軽減できるのか?
ブラッシングにより摩耗を防ぐと言及している資料を見出すことはできなかった。
参考までに、人工芝の維持はメンテナンスが必要であり、以下のような装置を使用することで、様々な要因による劣化に対応することが可能であるという情報があったので、紹介する。
(1)雑誌『IHI 技報』Vol.54 No.3 (2014)
p.34-35に「純国産で初登場!ロングパイル人工芝管理の決定版」という記事が掲載されている。「人工芝を生き生きと長持ちさせるためには,定期的なメンテナンスが重要」とあり、「(1) ほぐし&起こし( ブラッシング + レーキ )芝目に詰まった充填材をほぐし,倒れた芝生を起こして,クッション性の回復を図り,ボールの転がりすぎ防止や膝に対する負担の軽減,芝の見た目をよくする」という記述がある。
この記事はインターネット公開されており、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能。https://dl.ndl.go.jp/pid/11194042 (最終閲覧日:2023年5月5日)
(2)特許「人工芝メンテナンス装置」特開2020-128628 特許7205886
詳細な説明の背景技術に、「グラウンドなどに敷設された人工芝は、長期に亘り使用すると、踏圧や経年劣化により、パイルが寝たり、ゴムチップや砂などの充填材に埋もれてしまうことがある。(以下略)」とあり、発明の効果として「人工芝のメンテナンス装置は、レーキ部により人工芝のパイルを掻き解かすと共に、ゴミを浮き上がらせ、スイーパー部の吸取機構により当該ゴミを吸い込む。そして、ブラシ部によりパイルの先を立たせて整えると共に、充填材を均す。これにより、人工芝のメンテナンスを容易に行なうことができる。」と解説されている。
この特許はインターネット公開されており、閲覧可能。(以下ページより、特許番号7205886を入力すると、該当特許がヒットする)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ (最終閲覧日:2023年5月5日)
(3)ダンロップの住友ゴムが開発した「オムニコート」のページによると、「オムニコートを安全かつ快適に使うためには、使用前後にメンテナンスをするのが理想的。何よりも重要なことは、砂を均一な状態に保つこと。砂の量によってボールバウンドが変わったり、砂が少ない場所では芝が摩耗しやすくなります。」とある。
https://omnicourt.jp/maintenance/ (最終閲覧日:2023年5月5日)
2.ブラッシング時に推奨されるブラシはあるか?
(4)積水樹脂株式会社の人工芝のメンテナンスページによると「ブラシは、1,200W程度が押しやすいので、狭めのブラシをご用意ください。」とある。
https://www.dreamturf.jp/products/sandgrass/maintenance/ (最終閲覧日:2023年5月5日)
機械であれば、上記1の回答と同様。
3.人工芝が摩耗したらマイクロプラスチックが発生するか?
(5)雑誌『EICA』第27巻 第2・3合併号2022
鎌田素之、中嶋真治、川嵜悦子「蛍光染色法による人工芝由来のマイクロプラスチックの環境負荷量の検討」p.148-150
人工芝がマイクロプラスチック(以下MPs)として環境中に流出しており、国内の河川や港湾を漂うMPsの約14%が人工芝であることを特定していると前置きしたうえで、人工芝を使用している関東学院大学のグラウンドとテニスコートを対象とし、紫外線による人工芝の劣化に伴うMPs化について検討を行った結果、一定量の降雨がある場合、特に人工芝の劣化の進んだグランドからは大量のMPsが流出することが確認された、とある。
(6)雑誌『廃棄物資源循環学会誌』vol.30,No.2 2019
大塚直「プラスチック資源に対する新たな視点」p.115-122
非意図的に排出されるものとして人工芝が挙がっている。「4.3.5漁具、人工芝、タイヤの摩耗物、(服からの)マイクロファイバー等によるプラスチックの発生等」には、これらも海洋汚染としては重要であるとされている。
(7)雑誌『土木学会論文集B1(水工学)』vol.76 no.2
小林俊介、岡本陽輔、片岡智哉、向高新、二瓶泰雄「河川水・堆積物中に含まれるマイクロプラスチックの製品特定の試み」p.Ⅰ1351-Ⅰ1356
人工芝、繊維系プラスチック、発泡プラスチック、防水シートが河川水と堆積物の両方で支配的であるとされており、検証の結果、河川水から多く特定された人工芝は、河川流入前に破片化したことが推察されることから、自然水域への流出抑止対策が喫緊の課題であるとしている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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■事前調査事項:
(1) 屋外体育施設の維持管理マニュアル 日本体育施設協会屋外体育施設部会/企画編集 日本体育施設協会屋外体育施設部会 2014.10 526.78 978-4-924833-62-3
(2)砂入り人工芝テニスコート管理・運営Q&A(「月刊体育施設」2001-09 p.41-52)のコピーを国会図書館から取寄せることを検討している。
- NDC
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- 環境工学.公害 (519)
- 各種の建築 (526)
- 参考資料
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IHIシバウラ. 純国産で初登場!ロングパイル人工芝管理の決定版 : ブラッシング,クリーニング,すり込みを同時に行う国産初のロングパイル人工芝管理機MR-1200. IHI, 2014-09. IHI技報 54(3)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000040-I001150095-00 - 株式会社ソイルリサイクル工業. 人工芝メンテナンス装置. 特許第7205886号. 2023-1-17.
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メンテナンス|テニスコート用砂入り人工芝 オムニコート. 住友ゴム工業株式会社、株式会社住ゴム産業.
https://omnicourt.jp/maintenance/ -
メンテナンス | SAND GRASS | 積水樹脂株式会社 人工芝. 積水樹脂株式会社.
https://www.dreamturf.jp/products/sandgrass/maintenance/ -
鎌田 素之 , 中嶋 真治 , 川嵜 悦子 , 鎌田 素之 , 中嶋 真治 , 川嵜 悦子. 蛍光染色法による人工芝由来のマイクロプラスチックの環境負荷量の検討. 環境システム計測制御学会, 2022. (第34回環境システム計測制御学会(EICA)研究発表会) EICA : journal of EICA : 環境システム計測制御学会誌 / 学会誌「EICA」編集委員会 編 27(2・3) p. 148-150
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I032526749-00 -
大塚 直. プラスチック資源に対する新たな視点:――容器包装プラスチックを中心として――. 2019. 廃棄物資源循環学会誌 30(2) p. 115-122
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000016-I007047371-00 -
小林 俊介 , 岡本 洋輔 , 片岡 智哉 , 向高 新 , 二瓶 泰雄. 河川水・堆積物中に含まれるマイクロプラスチックの製品特定の試み. 2020. 土木学会論文集B1(水工学) 76(2) p. I_1351-I_1356
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000016-I007320770-00
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IHIシバウラ. 純国産で初登場!ロングパイル人工芝管理の決定版 : ブラッシング,クリーニング,すり込みを同時に行う国産初のロングパイル人工芝管理機MR-1200. IHI, 2014-09. IHI技報 54(3)
- キーワード
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- 人工芝
- 砂入り人工芝
- メンテナンス
- マイクロプラスチック
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000332404