レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年12月09日
- 登録日時
- 2019/12/09 17:19
- 更新日時
- 2024/01/09 14:52
- 管理番号
- 20191209-1
- 質問
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解決
「猫(ねこ)」の漢字の由来について知りたい。国字かどうかも確認したい。
- 回答
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漢和辞典、漢字語源辞典を引いて確認した。「猫」の漢字は、国字(日本でつくられた漢字)ではなかった。
・漢和辞典
『大漢和辞典』 諸橋轍次著 修訂第2版第5刷 鎌田正, 米山寅太郎修訂. 大修館書店 , 1999.10
本館請求記号: 813.2 - D21
10巻 p.11131-11132 猫 1 ねこ。[説文新附]の引用あり。
・語源辞典
『漢字語源語義辞典』 加納喜光著 東京堂出版 , 2014.9
本館請求記号:821.2 - Ka55
語音、語源、解説、字源、字体、語義、文献について記載がある。
p.1099 猫 ビョウ ねこ
語源 「ネコ(イエネコ)はヤマネコが家畜化されたもの。ヤマネコは狸(り)というが、猫(ビョウ)とも称された。(略)」
字源「貓が本字。苗(ビョウ)(音・イメージ記号)とネコの旧字の扁(限定記号)を合わせた字。」
字体「「猫」は「貓」の異体字」
文献 詩経、礼記などの用例をあげている。
『動物の漢字語源辞典』加納喜光著 東京堂出版 , 2007.11
本館請求記号:821.2 - D81
語源、字源、別名、文献について、記載がある。
p.21 犬の部 猫
呉音 メウ、漢音 バウ
語源「(略)中国では戦国時代にネコにネズミを捕らせる風習が始まった。愛玩用に飼うのはその後である。最初はヤマトネコを意味する漢字「狸」をネコに使っていたが、やがて「貓」の字が出現した。(略)」
字源「ネコの鳴き声を写した mƆg を「苗(miƆg)」で表記すると同時に、小さい苗から「小さく微かな」というイメージも連想させる。(略)」
文献 礼記・郊特牲「迎貓、為其食田鼠也(貓を迎ふるは、それに田鼠を食はしむるが為なり)」
『字通』
「声符は(苗)(びよう)。〔説文新附〕九下に作り、「貍(狸)の屬なり」とあり、家猫を狸奴という。(略)猫はその鳴き声の擬声語である。」
"猫", 字通, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-09-21)
<早稲田大学 古典籍データベース>
「猫」
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ho04/ho04_00025/ho04_00025_0002/ho04_00025_0002_p0017.jpg (参照 2023-09-21)
説文解字 弟九下 七枚目ウラ 四行目 文一新附
「猫」とあり、解説がある。
説文解字. 巻1-15 / 許慎 記 ; 徐鉉 等校定
https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ho04/ho04_00029/index.html (参照 2023-09-21)
<日本での猫>
「野生猫の骨は古墳時代以前の遺跡からも出土するが、家猫は奈良時代ころに大陸から渡来したとされ、平安時代に唐猫として貴族の日記や物語の宮中生活の描写の中に現われる。」
"ねこ【猫】", 国史大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-09-21)
- 回答プロセス
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<コトバンク>
百科事典マイペディア 説文解字【せつもんかいじ】
https://kotobank.jp/word/%E8%AA%AC%E6%96%87%E8%A7%A3%E5%AD%97-87429#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 (参照 2023-09-21)
「単に《説文》とも。中国の字書。後漢の許慎〔30-124〕著。15巻。小篆(しょうてん)文字9353字を540部に分類,それぞれ字形と字義を訓釈する。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (821)
- 辞典 (813)
- 参考資料
- キーワード
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- 猫
- ねこ
- 漢和辞典
- 語源
- 漢字
- 説文解字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 利用案内
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000270063