レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/08/15
- 登録日時
- 2020/10/05 00:30
- 更新日時
- 2020/10/06 09:23
- 管理番号
- 所沢本-2020-018
- 質問
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解決
「あんたがたどこさ~」のてまりうたが、どこで生まれたか知りたい。熊本説と川越説があると聞いた。
- 回答
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以下の資料に記載があります。
〇『日本わらべ歌全集 25 熊本宮崎のわらべ歌』 柳原書店 1982年
〇『童歌を訪ねて』 太田信一郎/著 富士出版 1988年
〇『瓦版川越今昔ものかたり その1からその12』 龍神由美/著 幹書房 2003年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『日本わらべ歌全集 25 熊本宮崎のわらべ歌』 柳原書店 1982年
p80 「あんたがたどこさ」の項に、「この歌の発祥が熊本でないことは、「さ」方言が熊本にはないことと、「あんたがたどこさ」という問いかけに対し、「肥後さ」と、肥後人同士なら「肥後」から説明する必要のないことでわかる。だが、歌の舞台が「肥後の熊本」であることは、歌詞の通りである。洗馬川は熊本城の長塀の下を流れる坪井川のことで(後略)」と記述あり。どこで生まれたわらべうたかは記述なし。
〇『童歌を訪ねて』 太田信一郎/著 富士出版 1988年
p174「あんたがた何処さ」の項に、「一説には「問答唄」といわれ、幕末から明治にかけて生まれました。九州熊本がその発生地のように思われていましたが、実は関東の歌で、埼玉県川越市喜多院裏の「仙波山」あたりがそもそもの発祥地であることが地元川越市の郷土史研究家によって明らかにされています。幕末に薩長連合軍が倒幕のため川越の仙波山にも駐屯し、その時付近の子どもたちが兵士に「あんたがたはどこから来たのさ」「肥後から」「肥後って何処さ」「熊本のことさ」と問い、答えた(問答)ことから始まったと伝えられ、後に手毬唄として歌い遊ばれました。」と記述あり。
〇『瓦版川越今昔ものかたり その1からその12』 龍神由美/著 幹書房 2003年
p35「あんたがたどこさ」の項に、「川越の人はよく語尾に「さ」をつけますが、「さ」の使用例は熊本県内にないことから、この唄は、肥後藩の江戸藩邸で生まれたのでは、という説もあるそうです」との記述あり。
△『川越歴史小話』 岡村一郎/著 川越地方史研究会 1979年
p1「仙波山のたぬき」の項に、熊本の説の掲載あり。
2.掲載がなかった資料
×『江戸時代子ども遊び大事典』 中城正堯/編著 小林忠/監修 東京堂出版 2014年
×『日本伝承遊び事典』 東京おもちゃ美術館/編 黎明書房 2018年
×『日本わらべ歌全集 8』 柳原書店 1981年
×『わらべ唄歳時記』 武田正/著 岩﨑美術社 1975年
×『日本こどものあそび大図鑑』 笹間良彦/著画 遊子館 2005年
×『うとを訪ねて』 朝日新聞浦和支局/編 さきたま出版会 1978年
3.後日調査
所蔵資料の内容確認
△『日本童謡事典』 上笙一郎/編 東京堂出版 2005年
p31 あんた方どこさの項あり。関東・中部・近畿地方を中心にひろく全国でうたわれている遊び唄。佐賀、香川、熊本などの地方によってヴァリアント(変型)があるとの内容が記述されている。
△『わらべ唄風土記 上』 浅野建二/著 塙書房 1972年
p104 あんた方何処さの項あり。関東・東北から北陸・京都地方に広く歌われており、地方によって歌詞が違う。熊本の歌い方も載っているものの、発祥についての記述なし。
4.国立国会図書館デジタルコレクション
△『あそびとわらべうた』 久保喬 編[他] 三十書房 1961年
あんたがたどこさが九州の童歌とされている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
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- 日本わらべ歌全集 25 柳原書店 1982.3 388.91 4-8409-0025-6
- 童歌を訪ねて 太田信一郎/著 富士出版 1988 911.58 4-938607-58-1
- 瓦版川越今昔ものかたり その1からその12 龍神由美/著 幹書房 2003.4 213.4 4-944004-91-5
- キーワード
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- 童謡
- わらべうた
- 手毬唄
- あんたがたどこさ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000287875