レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年03月01日
- 登録日時
- 2022/10/15 00:30
- 更新日時
- 2022/12/18 00:30
- 管理番号
- 7122000387
- 質問
-
解決
田辺大根について知りたい。
- 回答
-
大阪の伝統野菜について書かれた資料の中に、「田辺大根」に関する記述がありました。
『大阪春秋 -大阪の歴史と文化と産業と-』通巻111号(資料(1))のp.21-22には、「田辺大根は摂津東成郡田辺地区(現大阪市東住吉区)の原産である白首の大根で、ルーツは白あがり京大根とねずみ大根との交雑後代が当地区に土着したものでないかとされている。(中略)根部は白色の円筒形で、末端が少し膨張し、丸みを帯び、長さ20cm、太さ9cmほどで、葉には毛じ(もうじ、表面に生えている細かい毛)がない。肉質は緻密、柔軟で甘みに富み主に煮食用で甘漬けにも適し、」とあります。
古くは、『新改正摂津国名所旧跡細見大絵図』(資料(2))に所載の天保7年(1836年)の「名物名産略記」にも記載があり、また大正14年に編纂された『田辺町誌』(資料(3))p.245には「本町にあっては遠き昔より其の風味頗る美にして、各方面の歓迎を受けたる大根を特産せり。是当地の土質が大根の栽培に好適なると、栽培法に熟練せるとによれるものとして、世に之を田辺大根と称し、其の名各全国に聞えたり」と書かれています。
田辺の名物として全国的にも有名だった田辺大根ですが、昭和初期より衰亡していきました。その理由について『なにわ大阪の伝統野菜』(資料(4))p.41-42「現代に蘇る田辺大根」の項では、「昭和25年に発生したウィルス病のため次第に減少し」とあります。
近年、なにわの伝統野菜の復活させようという動きがあり、田辺大根も地元を中心に栽培普及に取り組まれています。
東住吉区役所が実施した「田辺大根レシピコンテスト」の作品が『田辺大根レシピ集 -なにわの伝統野菜- Vol.2』(資料(5))、『田辺大根レシピ集 -なにわの伝統野菜- Vol.3』(資料(6))に掲載されています。
また、東住吉区のホームページ「東住吉区100物語:050田辺大根」には、田辺大根が写真入りで紹介されています。
https://www.city.osaka.lg.jp/higashisumiyoshi/page/0000033865.html (2022.10.14確認)
- 回答プロセス
-
1.当館所蔵検索フリーワード“田辺大根”で検索、資料(5)、資料(6)が見つかる
2.当館所蔵検索をフリーワード“なにわ 伝統野菜”で検索、資料(4)が見つかる
3.資料(4)に記載の文献を確認、資料(2)、資料(3)が見つかる
4.大阪府立中之島図書館「おおさかポータル」( http://www.library.pref.osaka.jp/site/osakaportal/ )をキーワード“田辺大根”で検索、資料(1)が見つかる
5.東住吉区ホームページを確認、資料(7)が見つかる
- 事前調査事項
- NDC
-
- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
-
- 当館書誌ID <0070109957> 田辺町誌 大阪府東成郡田辺町/編纂 大阪府東成郡田辺町役場 1925 資料(3)
- 当館書誌ID <0010259040> なにわ大阪の伝統野菜 なにわ特産物食文化研究会/編著 農山漁村文化協会 2002.3 9784540012457 資料(4)
- 当館書誌ID <0010554329> 大阪春秋 -大阪の歴史と文化と産業と- 通巻111号 おおさかの伝統野菜 大阪春秋社 2003.6 資料(1)
- 当館書誌ID <0080230564> 新改正摂津国名所旧跡細見大絵図 蔀 関牛/校画図 古地図史料出版 [1978] 資料(2)
- 当館書誌ID <0014228627> 田辺大根レシピ集 -なにわの伝統野菜- Vol.2 [東住吉区役所区民企画課] [2016] 資料(5)
- 当館書誌ID <0014434458> 田辺大根レシピ集 -なにわの伝統野菜- Vol.3 東住吉区役所区民企画課 [2017] 資料(6)
- 東住吉区:東住吉区100物語:050田辺大根 https://www.city.osaka.lg.jp/higashisumiyoshi/page/0000033865.html (2022.10.14確認) 資料(7)
- キーワード
-
- 田辺大根
- 大阪府大阪市東住吉区
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000322633