レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/7/2
- 登録日時
- 2019/12/15 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:40
- 管理番号
- M19081116508013
- 質問
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「書道」という言葉の由来が知りたい。「書道」の「道」という字はいつ頃からついたのか。
- 回答
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①『書の総合事典』には、「書道」の項目に、「「書道」の語は、すでに唐代の文献に用例が散見する。」とあり、「遣唐使として長安に一七年も滞在した吉備真備が、長安で学んだ事柄を列記した記録のなかに「三史五経、名刑筆術、陰陽暦道、天文漏刻、漢音書道、秘術雑占」とあって「書道」の語が見える(『扶桑略記』天平七年)」と記載されている。また、「「書道」の語は、和製漢語ではなく、唐ですでに使われていた言葉であり、遣唐使を介して日本に伝えられた。「道」は方法・技術という日用的な意味ではあるが、加えてそこには、「暦道」や「天文」と同様に宇宙の原理に基づく玄妙(奥深い)で人間の技術を超越した何かが存在していると認識されていたのであり、それを「道」の語が表している。」と説明されている。
② ①の参考文献にあたる『道家・道教の思想とその方術の研究』の「第五章「書道」と玄宗の老子崇拜」には、「書道」という言葉の由来が紹介されており、「道」という字がついたいきさつが考察されている。
③『書道辞典』の「書道」の項目に、「書道の「道」はもともと伝統、伝承の意があり、文字を毛筆で書く技法の修得で、すなわち中国でいう「書法」のことである。」と記載されている。また、「わが国では鎌倉時代中期からこのような呼称が起こったようで、書にかぎらず和歌も歌道、その他茶道・花道・剣道とすべて道を付けて呼ぶようになった」とも記載されている。
④『角川古語大辞典 第3巻』、⑤『日本国語大辞典 第7巻』の「書道」の項目に、①にあった「漢音書道」(扶桑略記)の記述がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728 9版)
- 参考資料
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①井垣清明『書の総合事典』,2010,31,679p. 参照はp.456.
②坂出祥伸『道家・道教の思想とその方術の研究』 汲古書院,2009,8,422,34p. 参照はp.93-117.
③飯島春敬『書道辞典』 京堂出版,1983,989,48p. 参照はp.379.
④中村幸彦『角川古語大辞典 第3巻』,角川書店,731p. 参照はp.330.
⑤小学館国語辞典編集部『日本国語大辞典 第7巻』 小学館,2001,1453p. 参照はp.390.
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①井垣清明『書の総合事典』,2010,31,679p. 参照はp.456.
- キーワード
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- 書道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2019081116560508013
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生, 小学生(高学年), 小学生(低学年以下)
- 登録番号
- 1000270327