レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年04月06日
- 登録日時
- 2022/09/09 11:27
- 更新日時
- 2022/09/14 15:24
- 管理番号
- 岩手-389
- 質問
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解決
岩手県に伝わるという、猫憑きを退散させる「猫送り」の呪術についての文献はあるか。
- 回答
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「猫送り」とは猫の祟りを払うために行われる呪法のこと。日本各地に伝わる厄神を追い払う習俗・行事である「神送り」の一種とされる。「神送り」は総称で、「虫送り」「疱瘡神送り」「狐送り」「人形送り」等、払うものや依り代の名が付けられている場合が多い。
岩手県江刺郡梁川村(現奥州市)で行われていた「猫送り」の事例として、猫に祟られて病気になったときなどに「猫」という文字を書いた板を四辻に立てて厄払いをしたとある。人々はこの板にさえ近付くことを怖れ、遠回りをしたという。
当館所蔵資料のうち、下記資料に「猫送り」の記述を確認。
・『定本柳田国男集 第13巻』柳田 国男∥著 筑摩書房 1963
p.460「ネコオクリ」
・『猫の民俗学』大木 卓∥著 増補 田畑書店 1979.9
p.217~227「猫を捨てる法」
>p.223~225「猫捨ての辻」
・『図説憑物呪法全書』豊嶋 泰国∥著 原書房 2002.7
当館請求記号:387/トヨ
p.344「「猫送り」の呪法」
※なお、上記資料の記述はいずれも『民俗研究 4号』(日本民俗研究会/1928年刊)が出典となっているようだが、当館では所蔵がないため未確認。
- 回答プロセス
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①妖怪・憑き物・呪術などに関する本を調査。
②岩手の民俗学・民間信仰に関する本を調査。
③旧江刺郡の郷土誌等を調査。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 民間信仰.迷信[俗信] (387)
- 参考資料
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柳田, 国男, 1875-1962. 定本柳田国男集 第13巻. 筑摩書房, 1963.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000841740-00 (当館請求記号:380.8/ヤ1/2-13) -
大木卓 著 , 大木, 卓, 1932-. 猫の民俗学. 田畑書店, 1975.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001217578-00 (当館請求記号:380.1/オ1/1-2) -
豊嶋泰國 著 , 豊島, 泰国, 1959-. 「図説」憑物呪法全書. 原書房, 2002.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003675412-00 , ISBN 4562035277 (当館請求記号:387/トヨ)
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柳田, 国男, 1875-1962. 定本柳田国男集 第13巻. 筑摩書房, 1963.
- キーワード
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- 猫送り
- 呪術
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000321023