レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年11月14日
- 登録日時
- 2022/01/06 14:57
- 更新日時
- 2022/02/02 11:20
- 管理番号
- 奈県図情21-024
- 質問
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解決
コオロギはどうやって仲間を見つけるか?
①ツヅレサセコオロギと②ミツカドコオロギはとても似た外見をしているが、①のオスと②のメスを同じカゴにいれても①のオスは鳴きません。これは種類が違うオスとメスだから、だそうだ。
ではどうやって、自分と同じ種類かどうかコオロギ自身はわかるのか?
- 回答
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コオロギに限らず、昆虫はお互いが発するフェロモンで仲間を見分けています。
フェロモンとは、動物が体外に分泌し、主に嗅覚刺激として、同種他個体に特有な行動や生理作用をおこさせる活性物質の総称です。異性を誘引する性フェロモン、危険を知らせる警報フェロモン、同種の動物を呼び寄せる集合フェロモンなどがあります。
『昆虫記』で有名なファーブルが行った実験により、オスはメスが放出する匂いのようなものを触覚で検知することでメスを探すのだと考えられ、現在では、その匂いが「フェロモン」であり、触覚がそのセンサー(鼻)である事が明らかになりました。
つまり、昆虫は仲間の匂い(フェロモン)を触覚にある感覚受容器で感知することで、仲間であるかを見分けています。
なお、コオロギは、オスが鳴いてメスを呼び寄せます。
メスは同種のオスの特徴的な周波数に敏感に反応する聴覚器官を持っており、仲間のオスの音を聞き分けています。
参考文献
『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う (岩波科学ライブラリー:228)』
岩波書店, 2014.7 p.8,31-33
『昆虫の生態図鑑 増補改訂 (大自然のふしぎ)』
学研教育出版, 2010.6 p.12-13
『鳴く虫セレクション : 音に聴く虫の世界 (大阪市立自然史博物館叢書:4)』
東海大学出版会, 2008.10 p.2-3
『日本国語大辞典, 第11巻』
小学館, 2001.11 p.71
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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鉄腕ダッシュ2021年11月14日放送。
- NDC
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- 昆虫類 (486)
- 参考資料
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神崎亮平著 , 神崎, 亮平. サイボーグ昆虫、フェロモンを追う. 岩波書店, 2014. (岩波科学ライブラリー, 228)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008666659-00 , ISBN 9784000296281 -
昆虫の生態図鑑 改訂新版. 学研教育出版, 2010. (大自然のふしぎ 増補改訂)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010917759-00 , ISBN 9784052032653 -
大阪市立自然史博物館, 大阪自然史センター 編著 , 大阪市立自然史博物館 , 大阪自然史センター. 鳴く虫セレクション : 音に聴く虫の世界. 東海大学出版会, 2008. (大阪市立自然史博物館叢書 ; 4)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009802884-00 , ISBN 9784486018155 -
日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第11巻 第2版. 小学館, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003048207-00 , ISBN 4095210117
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神崎亮平著 , 神崎, 亮平. サイボーグ昆虫、フェロモンを追う. 岩波書店, 2014. (岩波科学ライブラリー, 228)
- キーワード
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- 昆虫
- コオロギ
- フェロモン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000310149