レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年11月06日
- 登録日時
- 2021/10/28 14:44
- 更新日時
- 2022/02/01 17:18
- 管理番号
- 川図20-06
- 質問
-
解決
家に植えてあるゆず・レモン・キンカンにアゲハチョウがいる。
サナギの状態から、5月までは数匹育って飛んで行ったが、今年の夏は暑かったせいか、黒くなっている。
家の中に入れるなどしてみたが、どうしたら上手く成虫に出来るか。
また、サナギの色はどうやって決まるのか知りたい。
- 回答
-
[1]当館が所蔵する資料から、(1),(2),(3),(4),(5),(6)を紹介した。
(1)『蝶・サナギの謎』(平賀壯太文・絵・写真・研究、トンボ出版、2007)
全79ページにわたって、「蝶のサナギの色はどのようにして決まるのか」という疑問にアゲハチョウとアオスジアゲハを用いて実験を行い研究した結果が書かれている。
(2)『イモムシ・ケムシぞろぞろ大図鑑』(中島秀雄ほか著、PHP研究所、2012)
p.57「チョウとガの越冬作戦」に、アゲハチョウは冬の間は発育をやめるということが書かれている。
(3)『蝶の生態と観察』(福田晴夫ほか著、築地書館、1988)
p.79「4 幼生期の生活」の「3―蛹」に、蛹の色と形について書かれている。「クロアゲハやアゲハチョウでは、暗黒中でも緑色枝上では緑色蛹となり、枯れ枝上では褐色蛹となることから、この場合は嗅覚が重要である。また、枝の曲率が小さいと褐色蛹になり、大きいと緑色蛹になるという。」という記述がある。
p.180-181「9 生活史と環境」の「B 蛹越冬」に、休眠する蛹について記述がある。
(4)『アゲハチョウ 科学のアルバム』(佐藤有恒写真、あかね書房、2005)
写真が多く、児童向けであるため分かりやすく説明されている。
p.22「さなぎの中の変化」に、「さなぎの色は、大きくわけて、二種類。夏はみどり色がおおく、冬をこすさなぎは、茶色がおおくなります。温度や日照時間や明るさに関係があるのです。」と書かれている。
(5)『ずかんさなぎ』(鈴木知之著・写真、技術評論社、2015)
チョウ以外にも、ハチやカブトムシなど、さまざまな昆虫のサナギについて書かれた図鑑。
p.92「アゲハ」にはアゲハチョウのサナギの写真・説明が掲載されており、サナギが見られる時期については「一年中」とある。
p.115「蛹の死亡要因」には、「冬虫夏草などの菌類や、高温、低温、多湿、乾燥など環境要因によって死亡することもあります。」と書かれている。
(6)『昆虫の探し方・飼い方大図鑑』(藤丸篤夫著、PHP研究所、2012)
児童向けの、さまざまな昆虫の探し方と飼い方について書かれた図鑑。
p.44-45「アゲハチョウの幼虫の飼い方」に、「ここがポイント!」として、ハエやハチなどに寄生されることに注意するよう書かれている。
よう化(幼虫がサナギになること)や羽化の写真がある。
[2]国立国会図書館デジタルコレクションで図書館送信参加館内公開資料である(7)を紹介した。
(7)本田計一「アゲハチョウの蛹の色は何で決まるか」『インセクタリゥム』15巻12号, p.4-8, 1978年
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2367698(2021年10月28日最終閲覧)
サナギの色を決定する要因として背景の色・におい・枝の太さ・湿度などを推定し、実験を行ったことについて書かれている。
[3]インターネットで閲覧できる(8)のページを紹介した。
(8)ふくしま森の科学体験センター(ムシテックワールド)「アゲハのさなぎ、生死の見分け方は?」
http://www.mushitec-fukushima.gr.jp/qa/2014/06/post-43.html (2021年10月28日最終閲覧)
- 回答プロセス
-
[1]日本十進分類で「486 昆虫類」に分類される書架をブラウジングした。
また、当館OPACで「チョウ」「サナギ」をキーワードにして検索し、ヒットした(1),(2),(3),(4),(5),(6)を紹介した。
[2] 国立国会図書館デジタルコレクションで「チョウ 蛹」と検索し、ヒットした(7)を紹介した。
[3] googleで「チョウ」「サナギ」「色」等をキーワードに検索を行い、ヒットした(8)を紹介した。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 昆虫類 (486)
- 参考資料
-
-
平賀壯太 文・絵・写真・研究 , ひらが, そうた, 1936-. 蝶・サナギの謎. トンボ出版, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008487830-00 , ISBN 9784887161580 -
中島秀雄, 岸一弘 著 , 中島, 秀雄, 1942- , 岸, 一弘, 1958-. イモムシ・ケムシぞろぞろ大図鑑 : チョウとガの幼虫が大集合! : どんなくらしをしているの?. PHP研究所, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023579399-00 , ISBN 9784569782317 -
福田晴夫, 高橋真弓著 , 福田, 晴夫 , 高橋, 真弓. 蝶の生態と観察. 築地書館, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I006187779-00 , ISBN 4806723266 -
佐藤有恒 写真 , 本藤昇 文 , 佐藤, 有恒, 1928-1991 , 本藤, 昇, 1937-1987. アゲハチョウ 新装版. あかね書房, 2005. (科学のアルバム ; 虫 6)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007736076-00 , ISBN 4251033248 -
鈴木知之 著・写真 , ネイチャー&サイエンス 編集 , 鈴木, 知之, 1963- , ネイチャー&サイエンス. ずかんさなぎ : 見ながら学習調べてなっとく. 技術評論社, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026613512-00 , ISBN 9784774175362 -
藤丸篤夫 著 , 藤丸, 篤夫, 1953-. 昆虫の探し方・飼い方大図鑑 : コツをつかめば、きみにもできる! : カブトムシからカマキリ、スズムシまで. PHP研究所, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023397255-00 , ISBN 9784569782119 -
インセクタリゥム編集委員会 編 , 東京動物園協会. インセクタリゥム 15(12)(180). 東京動物園協会, 1978-12., ISSN 09105204
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000099974-00 -
ふくしま森の科学体験センター(ムシテックワールド). アゲハのさなぎ、生死の見分け方は?.
http://www.mushitec-fukushima.gr.jp/qa/2014/06/post-43.html(2021年10月28日最終閲覧)
-
平賀壯太 文・絵・写真・研究 , ひらが, そうた, 1936-. 蝶・サナギの謎. トンボ出版, 2007.
- キーワード
-
- アゲハチョウ
- 蝶
- サナギ
- 昆虫
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000306641