レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年6月12日
- 登録日時
- 2018/10/28 14:21
- 更新日時
- 2024/03/27 14:34
- 管理番号
- 県立長野-18-081
- 質問
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解決
江戸時代の相撲用語である「役元」「最手役」「目代」の読みを知りたい。
- 回答
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「役元」は、『江戸時代の村人たち』渡辺尚志 山川出版社 1997【N241/145】p.114「相撲」に、「(-前略-)浦風林右衛門は信濃一国を管轄下におく年寄で、一七六二(宝暦一二)年以降、彼の生地長瀬村(現、長野県小県郡丸子町)に信濃国役元(取締所)をおいていた。」とあり、「やくもと」のルビが振られている。
「最手役」は、『日本国語大辞典 第12巻』第2版 小学館 2001【813.1/ショ/12】p.160に「ほてやく」とあり、相撲の最上位の役。出典に、『相撲隠雲解』(1793)をあげている。
「目代」については、『相撲大事典』金指基著 現代書館 2011【788.1/カモ】p.323によるとモクダイと読むようだが、「巡業が興行される各地で、多年にわたり相撲協会に協力してきた地方世話人の中から、特に推薦されてつとめる役割の名称。(後略)」とあり、江戸時代から伝わる用語かどうかの判断はつかない。一方で、『日本国語大辞典 第12巻』第2版 小学館 2001【813.1/ショ/12】p.1258では、「もくだい」として、4例上がっているが、いずれも正規の職の人の代わりに現地で仕事をする人、代官、代理人のような意味で紹介されている。江戸時代以前からの言葉のようである。p.1140の「めしろ」でも、3例のうち2例は正規の人に代わってことを処理する代理人のように使われており、3例目がめあて、てがかりの意で紹介されていた。両方の読み方を紹介する。
- 回答プロセス
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1. 当館契約データベース「ジャパンナレッジ」で検索する。「最手役」「目代」は、おおよその出典も確認できたが、「役元」は不明。他の2件は内容を確認して『日本国語大辞典』を紹介することとする。
2. NDC分類788.1相撲の棚で『相撲大事典』などを見ていくが、「役元」は確認できない。
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3 レファ協サポーターの寺尾様より『江戸時代の村人たち』の記述をご教示いただいた。
調査済み資料
・『土俵のうちそと』河原武雄ほか著 家の光協会 1965【788/44】
・『相撲の民俗史』山田知子著 東京書籍 1996【788.1/ヤト】
・『大相撲行司の伝統と変化』根間弘海著 専修大学出版局 2010【788.1/ネヒ】
・『呼出秀男の相撲ばなし』山本秀男著 現代書館 2016【788.1/ヤヒ】
・『相撲の歴史』新田一郎著 山川出版社 1994【788.1/ニイ】
- 事前調査事項
- NDC
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- 映画 (778 8版)
- 辞典 (813 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 相撲用語
- 最手役
- 目代
- 役元
- 照会先
- 寄与者
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- レファレンス協同データベース事業サポーター 寺尾隆様
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000244544