当館の所蔵資料等をお調べしましたが、残念ながら、鳥居龍蔵による富屋村での調査に関する新聞記事を確認することができませんでした。
■新聞の調査
本県の地方新聞である「下野新聞」のマイクロフィルムを用いて、目視による調査を行いました。
期間は、質問にある時期から、明治34年3月15日から4月15日と設定しました。
この期間に、鳥居龍蔵氏が宇都宮に来た旨を示している記事は確認できませんでした。
■図書による調査
新聞を調査する期間を絞り込むために、富屋村での調査に関する記述の有無を確認しましたが、お求めの調査に関する記述は確認できませんでした。
確認した資料は以下のとおりです。参考までにご覧ください。
・『鳥居龍蔵全集 第2巻』(鳥居竜蔵/著 朝日新聞社 1975)
全集の索引である別巻から、本県に関わる記述が第2巻にあることを確認しましたが、富屋村と異なる自治体に関するものでした。
富屋村に関する以下の資料を見ましたが、調査時期についての記述は確認できませんでした。
・『富屋のあゆみ写真集』(池田貞夫/編 宇都宮市立富屋小学校地域協議会 2021)
・『明日に伝えたい富屋の郷土誌』(富屋史研究会/編 宇都宮市立富屋公民館 1997)
・『富屋の民俗行事』(池田貞夫/著、発行 2004)
また、質問内容から、以下の資料を確認しました。
・『穢れと差別の民俗学』(礫川全次/編 批評社 2007)
鳥居龍蔵氏の「穢多に就ての人類学的調査」が収録されていましたが、富屋村の関する記述はありませんでした。
他、以下の資料にも関連する記述はありませんでした。
・『東日本の被差別部落 現状と課題』(東日本部落解放研究所/編 明石書店 1993)
・『江戸時代の被差別社会 増補近世関東の被差別部落』(石井良助/編 明石書店 1994)
・『被差別部落の民俗 北関東一農村の事例』(部落解放同盟栃木県連合会/編,部落解放同盟栃木県連合会女性部 部落解放同盟栃木県連合会 1998)
県内旧大平町のある地区の調査をまとめたものです。
・『解放研究 第28号』(東日本部落解放研究所/編、発行 2014)
「近世日光領とえた頭惣右衛門」竹末広美/著 が収録されています。
・『解放研究 第30号』(東日本部落解放研究所/編、発行 2018)
「近世下野国の被差別民-宇都宮藩の実態-」竹末広美/著 が収録されています。
・『解放研究 第31号』(東日本部落解放研究所/編、発行 2020)
「近代栃木県の部落問題」竹末広美/著 が収録されています。