レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20230901
- 登録日時
- 2023/12/08 17:42
- 更新日時
- 2024/01/31 09:21
- 管理番号
- 4075
- 質問
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解決
自宅にあった漢詩の複写物について、何と書いてあるのか知りたい(「此則随之仁壽」と読めるものを持参)。
- 回答
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初唐の書家である欧陽詢(557年~641年)による「九成宮醴泉銘」の一文、「此れ則ち随の仁寿宮なり(これすなわち隋の仁寿宮なり)」。
- 回答プロセス
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持参された「此則随之仁壽」と読める複写物に「臨書 高木聖雨」と小さく記載されていたため、「高木聖雨」に関する資料の有無を図書館システムにて検索。下記の4冊がヒットした。
・『臨書を楽しむ 1』
・『古代文字レッスンブック』
・『古典名句を書く 篆書篇』
・『臨書の疑問100』
中身を確認すると、『臨書を楽しむ 1』のp40と持参された複写物が全く同じものであることがわかった(この部分を複写したものと思われる)。
この『臨書を楽しむ 1』は、欧陽詢による「九成宮醴泉銘」の臨書学習を行うための図書であり、要所要所で主に書き方と内容を端的に解説している。「此則随之仁壽」という一文についても、「此れ則ち随の仁寿宮なり(これすなわち隋の仁寿宮なり)」と書かれていると解説があった(p41)。
また、「九成宮醴泉銘」は、隋の文帝が建立した「仁寿宮」を唐の太宗が唐王室の離宮として修復し、避暑に訪れた際に水利が悪いのにもかかわらず、清泉が湧き出たことを記念して建立された碑であること、勅命により家臣である魏徴が天子(皇帝)の治世やその徳を称えた銘文を撰し、それを初唐の三大家である欧陽詢が書したものであることが記載されている。
なお、現代においても、「九成宮醴泉銘」は「楷法の極則」として高く評されている(p3~p5)。
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728)
- 参考資料
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高木聖雨 [ほか] 編集 , 高木, 聖雨. 欧陽詢九成宮醴泉銘. 二玄社, 2003. (臨書を楽しむ / 成瀬映山, 栗原蘆水監修, 1)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008171113-00 , ISBN 9784544150018 -
高木聖雨著 , 高木, 聖雨. 古代文字レッスンブック. 可成屋, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I001204908-00 , ISBN 4839387494 -
高木聖雨 著 , 高木, 聖雨, 1949-. 古典名句を書く 篆書篇. 可成屋, 2006. (条幅作品手本 ; 4)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008276945-00 , ISBN 4839387567 -
『墨』編集部編 ; 中村史朗 [ほか] 指導 , 『墨』編集部 , 中村, 史朗 , 市沢, 静山 , 高木, 聖雨 , 大石, 三世子 , 堀, 久夫. 臨書の疑問100. 芸術新聞社, 2012. (墨ハンドブック,)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I002856603-00 , ISBN 9784875863380
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高木聖雨 [ほか] 編集 , 高木, 聖雨. 欧陽詢九成宮醴泉銘. 二玄社, 2003. (臨書を楽しむ / 成瀬映山, 栗原蘆水監修, 1)
- キーワード
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- 九成宮醴泉銘
- 書道
- 漢詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000343189