レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月01日
- 登録日時
- 2023/12/27 16:35
- 更新日時
- 2023/12/27 16:35
- 管理番号
- 市川20231001-02
- 質問
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解決
日本では、ビールは大瓶・中瓶・小瓶と3種類あるが、海外では大瓶は見かけないのはなぜか。
- 回答
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日本のビールの大瓶については『図説ビール』(キリンビール株式会社/著 河出書房新社2017)p.88に「明治初期、ビールびんはさまざまな国から輸入されていたため、容量もまちまちであった。一九四四(昭和一九)年にビール大びんの容量が統一され、現在と同じ一本約六三三mlになったのである。(中略)一本六三三mlと中途半端な数字となったのは、当時流通していたもののなかで一番少ない大びんの容量の三合五勺一才に合わせたため(以下略)」とある。
また、『ぷはっとうまい日本のビール面白ヒストリー』(端田晶/著 小学館 2014)p.206「ビール瓶の不自然な数字」には「日本のビール商業生産は明治二年に横浜の外国人居留地のジャパン・ヨコハマ・ブルワリーで始まり、(中略)当時のビール容器は樽が中心ですが、瓶詰も販売されていました。(中略)輸入ビールや輸入ワインの空瓶を買い集めて再利用していました。英国ビールはクォート瓶(1140ミリリットル)やパイント瓶(570ミリリットル)で、ワイン瓶は今日同様750ミリリットルが主流です。」との記載があり、日本でビールを製造し始めた当時は外国にも大瓶の大きさのビールが存在していたことが分かる。ほかに、p. 208 では「戦費の調達の必要もあって、ビールは昭和十二年からほぼ毎年増税されます。その税金を正確に徴収するために、瓶の容量の統一を命じられました。(中略)一番小さい六三三ミリリットルが基準とされたのです。」とあり、現在の容量となった経緯が確認できた。
一方、現在、各国で流通しているビール瓶のサイズについて、一覧となっているような資料は確認できなかった。ウィキペディアの「ビール瓶」の項目には「500mlを超える大容量のビール瓶が流通している国はごく少数(以下略)」との記述があった。
また「オーストラリアビールガイド」(https://www.oz-beer.com/basic/bottle.html 12/23確認)というサイトでは、「ビール瓶の種類」という項目に、オーストラリアの大瓶(ロングネック)は750mlまたは800mlであり、「ちなみに世界では500mlを越える容量のビールを販売する国は少数で日本もオーストラリアもこのマイノリティの一員となっている。」との記述があり、ビールの大瓶は少数派であると思われるが、その理由については確認できなかった。
他に、複数のインターネットサイトで、中国でも有名ブランドのビールの大瓶が流通しているとの記載があった。(「池光エンタープライズ」ホームページ(https://www.ikemitsu.co.jp/product/china/tsingtao_l.php 12/23確認 など。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品工業 (588)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000344103