レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/11/30
- 登録日時
- 2023/01/05 00:30
- 更新日時
- 2023/01/19 14:46
- 管理番号
- 13471496
- 質問
-
未解決
関口隆吉は、明治2年3月に静寛院宮(和宮親子内親王)の京都へのお還りの際に西京御用を任ぜられ、町中の沿道管理を命ぜられた。その際小林藤平(保利)が追従した。
その後、東京に帰る途中でのこととして、
『関口隆吉の生涯』八木茂樹著(緑陰書房1983年8月発行)
の119ページに以下の記載がある。
「(略)御前崎を視察し、ここを開鑿して一大港湾を築くことを考え、のちその設計案を作成した。このときの旅行記は『日次略』として詳細に記されたものが残っているが、引用は省略する。」
『日次略』のうち省略された引用部分を知りたい。
- 回答
-
資料1、2にご照会の「日次略」からの引用と思われる記載がありますので、お知らせします。
【 】内は国立国会図書館請求記号、請求記号末尾に☆を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションのインターネット公開資料、◎を付した資料は国立国会図書館内/図書館・個人送信資料です。
旧字は適宜、新字に変更して引用しています。
資料1
関口隆正 著『関口隆吉伝』何陋軒書屋, 昭13【304-175】◎
* 「顕考黙斎府君行状」のpp.70-72(48~49コマ)に、「日次略ニ云フ」で始まる割書きがあります。典拠資料の「このときの旅行記は『日次略』として詳細に記されたもの」との記述と合致する記載で、ご照会の『日次略』からの引用と思われます。
資料2
関口隆正 著『関口隆吉伝』関口隆克, 1984.5【W346-51】
* 資料1の復刻で、関口隆克「覆刻の記」(巻末pp.1-5)に、資料1の体裁通り復刻するが、誤脱を原本によって訂正し、記念碑文の書き下しを付す等の経緯が記載されています。
* 資料1では判読し難い箇所もある、引用末尾と思われるp.72には、「不肖案ズルニ此書状ハ在西京ノ県勇記即六石翁ニ寄セラレシ草稿ナランカ」等の記載もあります。
「日次略」の引用箇所に関しては、同じく資料1、2に県勇記宛て書状の草稿かとの記載があることから、関口隆吉の書簡に関する資料等も確認しましたが、詳細を確認できる情報は見当たりませんでした。
なお、『関口隆吉旧蔵明治初期名士書簡集』【YQ5-143】等、デジタル化作業中のため確認できていない資料があります。
また、文献の解読、網羅的な調査、本文を精読しての調査は、当館のレファレンスサービスの範囲を超えるもので応じられません。
〔主な調査済み資料・ウェブサイト〕
三戸岡道夫, 堀内永人 著『初代静岡県知事関口隆吉の一生』静岡新聞社, 2009.6【KH358-J110】
下村一夫「久能文庫と関口隆吉」(『地方史静岡』(9) 1979 pp.1-19【Z8-752】)
『近代政治関係者年譜総覧 戦前篇 第4巻 (こと~そ)』ゆまに書房, 1989.12【A6-E6】
* 「関口隆吉」の項(pp.1375-1388)には『関口隆吉の生涯』【GK127-33】pp.345-357掲載の「関口隆吉年譜」が収録されています。
『舊幕府 復刻版』【Z79-B178】
* 関口隆正の「関口隆吉伝」が、第1巻第5号、第6号、第9号、第2巻第1号、第2号、第4号に6回にわたって掲載されています。第1巻第5号には「不肖男隆正謹述」、「顕考黙斎府君行状」の記載もあります。
静岡県立中央図書館 編『静岡県立中央図書館久能文庫目録 増補改訂版』静岡県立中央図書館, 1989.10【UP171-E56】
* 「書名索引」の「ひ」の箇所を確認しています。
静岡県立中央図書館歴史文化情報センター 編『関口隆吉関係書簡集 : 久能文庫蔵』静岡県立中央図書館, 2009.10【GK127-J13】
静岡県立中央図書館デジタルライブラリー ふじのくにアーカイブ
https://www.tosyokan.pref.shizuoka.jp/contents/library/index.html
* 「関口隆吉」でキーワード検索すると、関口隆吉書簡、黙齋雑記等がヒットし、本文画像の閲覧が可能です。
静岡文化協会 編『明治初期名士書簡集 : 関口県令記念』静岡文化協会, 昭和4【579-327】☆
米岡稔 編『名家書簡文』東雲堂, 明30.6【特19-41】◎
佐々木克, 藤井讓治, 三澤純, 谷川穣 編『岩倉具視関係史料 上』思文閣出版, 2012.12【GB631-L10】
* 明治2年5月12日の「関口隆吉書簡」が収録されています(pp.18-19)。
伊藤隆, 季武嘉也 編『近現代日本人物史料情報辞典 [1]~4』吉川弘文館, 2004-2011【GB12-H27, GB12-H41, GB12-H64, GB12-J37】
日外アソシエーツ編集部 編『日記書簡集解題目録 2 (政治家・思想家)』日外アソシエーツ, 1998.3【KG1-G31】
* 「関口隆吉」の項(pp.257-258)があります。
東京大学史料編纂所データベース https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/
史料情報共有化データベース(国文学研究資料館) http://base3.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/SKYDefault.exe?DEF_XSL=default&GRP_ID=G0000004&DB_ID=G0000004SKY&IS_TYPE=meta&IS_STYLE=default
ウェブサイトの最終アクセスは2022年11月30日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
国立国会図書館オンライン「日次略」「関口隆吉」で検索したがなし。
関口いとこ会HPの資料リストにもなかった。
静岡県立図書館蔵書検索でも関口隆吉の著作はあったものの該当資料は見いだせなかった。
- NDC
-
- 個人伝記 (289 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵機関調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000326671