レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/03/08
- 登録日時
- 2022/12/07 00:30
- 更新日時
- 2022/12/07 00:30
- 管理番号
- 牛久-1838
- 質問
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解決
インドで、象の形をした神様についてわかる資料はないか。カレーの店で見たが、どんな神なのか知りたい。
- 回答
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ヒンドゥー教の知恵と文学の神「ガネーシャ」は、象の頭をもち、人間の身体、一本の牙と4本の手をもち、太鼓腹でときにはネズミを乗物とする。物事の開始を司る神として庶民の篤い信仰を集めている。また、障害を取り除く力を備え、太ったお腹から、大食いと幸運をもたらす力の象徴でもある。日本の密教では、聖天、または歓喜天(大聖歓喜天・歓喜自在天)とも呼ばれる。
○次の資料を紹介する。
・『インドを知る事典』(山下博司共著/東京堂出版/2016.8)…p46-47、p275
・『デリー・アグラ・ジャイプル インド [2019]』(JTBパブリッシング/2019.7)…p91
・『世界の神話大図鑑』(佐藤俊之監修/PHP研究所/2013.2)…p55
・『世界の神話と英雄大図鑑』(フィリップ・ウィルキンソン/河出書房新社/2020.10)…p156、p206
・『爆笑インド神話』(シブサワコウ編/光栄/1995.12)…p210-211
○追加調査で、次の資料にも確認。
・『インド神話伝説辞典』(菅沼晃編/東京堂出版/1985.3)…p109-110
・『ヴィジュアル版世界の神話百科 東洋編』(レイチェル・ストーム/原書房/2000.10)…p213-215、巻末付録「系図」
・『世界神話大事典』(イヴ・ボンヌフォワ編/大修館書店/2001.3)…p1009-1024
・『世界神話辞典』(アーサー・コッテル/柏書房/1993.9)…p104-105
・『南アジアを知る事典』(辛島昇監修/平凡社/2012.5)…p166-167
・『東洋神名事典』(山北篤監修/新紀元社/2002.12)…p92
・『ヒンドゥー教の事典』(橋本泰元/東京堂出版/2005.11)…p255
・『インド神話物語百科』(マーティン・J.ドハティ/原書房/2021.4)…p94-96
・『インドの神々』(斎藤昭俊/吉川弘文館/2007.7)…p106-111
・『世界大百科事典 5 改訂新版』(平凡社/2007.9)…p525
○追加調査で、「聖天」「歓喜天」について、次の資料を確認。
・『日本国語大辞典 第7巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.7)…p207
・『国史大辞典 3』(国史大辞典編集委員会編/吉川弘文館/1983.2)…p787
・『日本の神仏の辞典』(大島建彦[ほか]編/大修館書店/2001.7)…p382
- 回答プロセス
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1. 請求記号「292」の棚をブラウジングし、インドの資料を確認する。
(1)『インドを知る事典』(山下博司共著/東京堂出版/2016.8)
…p46-47「ヒンドゥー教の神々」の項に、「ガネーシャ」とあり、「象頭の愛嬌のある姿で知られ、物事の開始を司る神として庶民の篤い信仰を集めている。日本の密教では聖天(しょうてん)ないし歓喜(かんぎ)天と呼ばれ、夫婦和合や子授けの神として有名」と記載あり。
→「ガネーシャ」と判明。
…p275「畏敬の対象としての動物」の項に、「ガネーシャ神はネズミに(中略)乗る」と記載あり。
(2)『デリー・アグラ・ジャイプル インド [2019]』(JTBパブリッシング/2019.7)
…p91に写真あり。
2. (1)より、フリーワードに「ガネーシャ」で自館資料検索。
(3)『世界の神話大図鑑』(佐藤俊之監修/PHP研究所/2013.2)
…p55「象の頭をもつガネーシャ」の項に、「商売と学問の神」とあり、象の頭で、牙が一本の説明あり。「片方の牙が折れた象の頭に首から下が人間、でも手が4本ある不思議な姿をしている」と記載あり。
(4)『世界の神話と英雄大図鑑』(フィリップ・ウィルキンソン/河出書房新社/2020.10)
…p156に説明、p206に写真あり。
(5)『爆笑インド神話』(シブサワコウ編/光栄/1995.12)
…p210-211に「彼は食べ物、特に果物が好きな神と信じられていて、捧げられるのは圧倒的に食べ物が多い。その食べ過ぎで、ガネーシャは太鼓腹」と記載あり。
→以上より、(1)~(5)の資料を貸出して終了。
3. 追加調査で、請求記号「R16-」の棚を確認。
(6)『インド神話伝説辞典』(菅沼晃編/東京堂出版/1985.3)
…p109-110「ガネーシャ(Gaṇeśa)の項に、「象頭をした知恵の幸運の神」「ガネーシャはガナ(群衆)とイーシャ(主)という意味で、ガナパティとも呼ばれる」「ガネーシャは人間の身体をもち、牙が一本だけの象の頭をもち、太った腹をつき出し、蛇の帯をしめた姿であらわされる」とあり。象頭についての2つの説と、一本の牙しか持っていない物語の記載あり。
(7)『ヴィジュアル版世界の神話百科 東洋編』(レイチェル・ストーム/原書房/2000.10)
…p213-215「ガネーシャ(Ganesha)」の項に、「ヒンドゥー教の知恵と文学の神であり、偉大な神シヴァとパールヴァティーの息子、象の頭と太鼓腹を特徴とするが、後者は大食いと幸運を分け与える力の象徴でもある。4本の腕をもつが、牙は1本しかない」と記載あり。象の頭になった2つの説話あり。11世紀の石彫の写真と、挿絵あり。
…巻末付録の「系図」の「インド シヴァ家系」に「ガネーシャ(知の神)」あり。
(8)『世界神話大事典』(イヴ・ボンヌフォワ編/大修館書店/2001.3)
…p1009-1024に、複数の神話を基に、ガネーシュの説明あり。
(9)『世界神話辞典』(アーサー・コッテル/柏書房/1993.9)
…p104-105の「ガネーシャ」の項に、「障害を取り除き知恵を授ける。あらゆる重要な事業の開始にあたって供養され、書物の巻頭で祈念される。今日では、インドの学生のノートの表紙によく登場する」「ときとして鼠に跨っていたり鼠を伴っていたりする小さな布袋(ほてい)腹の男として表現される。ひとつの手には貝殻を、別の手には円盤を、第3の手には棍棒を、第4の手には睡蓮を持つ」と記載あり。石像の写真あり。
(10)『南アジアを知る事典』(辛島昇監修/平凡社/2012.5)
…p166-167「ガネーシャ」の項に、「5世紀以前につくられたガネーシャ像は発見されておらず、その信仰は6世紀前後に生じたとみなされる」と記載あり。写真あり。
(11)『東洋神名事典』(山北篤監修/新紀元社/2002.12)…p92に説明あり。
4. (1)(7)より、フリーワード「ヒンドゥー教」で自館資料検索。
(12)『ヒンドゥー教の事典』(橋本泰元/東京堂出版/2005.11)…p255「ガネーシャ神の生誕祭」の記述あり。
(13)『インド神話物語百科』(マーティン・J.ドハティ/原書房/2021.4)…p94-96に説明あり。
(14)『インドの神々』(斎藤昭俊/吉川弘文館/2007.7)
…p106-111「23 ガネーシャ」は「除難と成功の神、諸願成就の神」とあり、「エーカ・ダンタ Eka-Danta 一本の矢、聖天(しょうでん)(日本)」等19点の名称の記載あり。
5. 請求記号「R031」の棚をブラウジング。
(15)『世界大百科事典 5 改訂新版』(平凡社/2007.9)
…p525「ガネーシャ」の項に、「あらゆる障害を取り除く力を備えているとされ、(中略)ねずみを乗物とする」「彼は土俗神で、後代にシバ神話と関連づけられた新しい神であるが、古代の動物祟拝theriolatryのなごりと考えられる」と記載あり。
6. (1)(14)より「聖天」「歓喜天」の言葉を調べる。
(16)『日本国語大辞典 第7巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.7)
…p207「聖天(しょうでん)」の項に、「大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)の略。仏語。インドの仏教守護神の一つ。もとはヒンドゥー教の神。その形象は象頭人身で、単身と双身とがある」と記載あり。
(17)『国史大辞典 3』(国史大辞典編集委員会編/吉川弘文館/1983.2)
…p787「歓喜天」の項に、「歓喜自在天・大聖歓喜天ともいい、略していう聖天・天尊もこの尊の異名」「シバ神の軍衆を統べる将神で、ガネシャといわれ」と記載あり。
(18)『日本の神仏の辞典』(大島建彦[ほか]編/大修館書店/2001.7)
…p382「歓喜天(かんぎてん)」の項に、「一般に聖天(しょうてん)とも呼ばれる」「もとは諸々の悪行を働いた邪神ガネーシャであった」と記載あり。
→以上より、追加調査で、(6)~(18)に記述があることを確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- アジア (292 10版)
- 神話.神話学 (164 10版)
- ヒンズー教.ジャイナ教 (168 10版)
- 参考資料
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- B10683029 インドを知る事典 山下博司/共著 東京堂出版 2016.8 292.5 978-4-490-10879-8
- B10818257 デリー・アグラ・ジャイプル インド [2019] JTBパブリッシング 2019.7 292.5 978-4-533-13474-6
- B10639580 世界の神話大図鑑 佐藤俊之/監修 PHP研究所 2013.2 164 978-4-569-78299-7
- B10880228 世界の神話と英雄大図鑑 フィリップ・ウィルキンソン/著 河出書房新社 2020.10 164 978-4-309-25414-2
- B10084771 爆笑インド神話 シブサワコウ/編 光栄 1995.12 164.25 9784877193034
- B10675499 インド神話伝説辞典 菅沼晃/編 東京堂出版 1985.3 164.25 9784490101911
- B10222070 ヴィジュアル版世界の神話百科 東洋編 レイチェル・ストーム/著 原書房 2000.10 164.2 9784562033355
- B10249436 世界神話大事典 イヴ・ボンヌフォワ/編 大修館書店 2001.3 164.036 9784469012651
- B10015748 世界神話辞典 アーサー・コッテル/著 柏書房 1993.9 164.033 9784760109227
- B10630130 南アジアを知る事典 辛島昇/監修 平凡社 2012.5 225 978-4-582-12645-7
- B10362133 東洋神名事典 山北篤/監修 新紀元社 2002.12 164.2 9784775301234
- B10542498 ヒンドゥー教の事典 橋本泰元/著 東京堂出版 2005.11 168 9784490106824
- B10911478 インド神話物語百科 マーティン・J.ドハティ/著 原書房 2021.4 164.25 978-4-562-05915-7
- B10570186 インドの神々 斎藤昭俊/著 吉川弘文館 2007.7 162.25 978-4-642-06337-1
- B10573116 世界大百科事典 5 改訂新版 平凡社 2007.9 031 9784582034004
- B10268323 日本国語大辞典 第7巻 第2版 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.7 813.1 9784095210070
- B10001479 国史大辞典 3 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1983.2 210.033 9784642005036
- B10266914 日本の神仏の辞典 大島建彦/[ほか]編 大修館書店 2001.7 162.1 9784469012682
- キーワード
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- インド
- 象
- 神
- ガネーシャ
- ヒンドゥー教
- 聖天
- 歓喜天
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000325198