レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月11日
- 登録日時
- 2021/11/25 09:30
- 更新日時
- 2021/11/25 09:30
- 管理番号
- 横浜市中央2633
- 質問
-
解決
太平洋戦争中に沈没した日本の輸送船の名前と沈没場所の一覧が載っている本を見たい。
- 回答
-
資料により輸送船の定義や、艦船の種類や任務の区分方法が異なるため、どの船が輸送船
に該当するかを判断することは困難です。
船種や徴用先、任務などでの区別を行わず、太平洋戦争中に沈没または喪失した様々な船
の名前と遭難場所の一覧が掲載されている資料をお調べしました。
1 太平洋戦争中の沈没・喪失船の一覧が掲載されている資料
沈没または喪失した船の一覧が掲載されている資料をご紹介します。
(3)~(6)の資料には沈没以外の理由で使用不能になった船も含まれています。
(1)『太平洋戦争沈没艦船遺体調査大鑑』 池田貞枝/著 戦没遺体収揚委員会 1977.7
p.135-181 「第四部 艦艇沈没位置表」
日本の艦艇について、基準排水量、完成年月日、沈没位置、
沈没の原因が艦艇種類別・完成年月日順に記載されています。
また、p.172-181には「連合国艦艇沈没位置表」が掲載されています。
p.183-303 「第五部 商船隊沈没位置表」
総トン数100トン以上の商船についてまとめられています。
船名、総トン数、船主、種別、沈没年月日、沈没の原因、沈没の位置が
沈没場所別・沈没年月日順に表が掲載されています。
p.413-440 「第八部 沈没位置図」
また、付録として「太平洋戦争沈没艦船位置精密図」が収録されており、
海軍艦艇と日本商船隊などの沈没位置を知ることができます。
(2)『船舶砲兵 血で綴られた戦時輸送船史』 駒宮真七郎/著 出版協同社 1977.11
p.388-391 「第4表 大型船舶沈没一覧表(おおむね一万総トン以上)」
おおむね一万総トン以上の船舶を対象に沈没年月日、区分、船名、
総トン数、所属、原因、場所が年月日順に記載されています。
表紙及び裏表紙の見返しに「日本船舶戦時遭難位置図」が掲載されています。
(3)『戦時船舶史』 駒宮真七郎/著 駒宮真七郎 1991.11
p.7-269 「船史(五十音順)」
太平洋戦争中に沈没または放棄等の事由で全損したもののうち、
概ね二百総トン級以上の船舶を対象に一隻ずつのデータが
船名の50音順に収録されています。
遭難した日時、場所、状況などについても記載しています。
(4)『戦時艦船喪失史』 池川信次郎/著 元就出版社 2004.9
p.21-51 「戦時中の全艦艇と喪失状況」
艦艇を対象に艦種、艦名、喪失年月日、場所、原因の一覧表が
年月日順に掲載されています。
p.57-473 「日本在籍艦船喪失表(昭和16年12月~20年8月15日)」
喪失した年月日順に艦船の喪失場所などのデータが一隻ずつ紹介されて
います。
(5)『日本商船隊戦時遭難史』 海上労働協会/編 成山堂書店 2007.9
p.13-162 「喪失船舶明細表」
昭和16(1941)年12月から昭和20(1945)年8月までに喪失した陸軍
徴用船、海軍徴用船、船舶運営会使用船並びに自営船のデータが時系列で
まとめられています。遭難日、区別、船名、総トン数、船舶所有者、原因、
遭難場所が記載されています。戦争海難だけでなく、普通海難によって喪
失した船舶も収録されています。
(6) 『太平洋戦争喪われた日本船舶の記録』 宮本三夫/著 成山堂書店 2009.3
p.51-97 「資料1 戦時被害船舶一覧」
過去の資料を基に、船名の50音順に船名、被害年月日、総トン数、原因、
運航業者又は船主、船種、徴用先/任務、被害位置などをまとめています。
2 太平洋戦争中の登録船舶の帳簿
沈没した船に限らず、戦時中の登録船舶の一覧が掲載されている資料で、被害場所など
の掲載のある資料をご紹介します。
(1) 「戦前船舶」第104号 戦前船舶研究会 2004
特設艦船と海軍徴用船の原簿が掲載されています。
なお、上記1(6)の資料の序文に「陸軍の徴傭船舶原簿が現存しないことが確認され
ています」
という記述があります。
p.92-125 「特設艦船原簿」
船舶名の50音順に船舶名、契約船主、沈没場所、喪失・除籍・解傭の
年月日などを掲載しています。
p.130-233 「日本海軍徴用船舶原簿」
船舶名の50音順に配属、用途別、船舶名、船舶番号、船種、船主、
徴傭・解傭年月日を記載しています。
沈没や解体などの状態になった船舶は、解傭年月日の欄に「沈没」など
の記載がありますが、沈没場所などは記載されていません。
(2) 『戦時日本船名録(1937~1950) その要目と戦時被害記録』
全11巻 林寛司/編 戦前船舶研究会 2006.11
50音順で船名、船種、区分、速力、建造日付、建造者/建造地、船籍港、被害場所、
戦没者数などを記載しています。
「昭和12年1月1日から昭和25年12月31日までに実在した全登簿船舶の99%を
収録できたものと確信」と書かれており、沈没した船以外の情報も掲載されています。
3 海運会社等の資料
太平洋戦争で徴用された船を所有していた海運会社等の社史には、当時の沈没・喪失船
の状況や乗組員名簿を掲載しているものが多くあります。
海運会社の発行資料のうち、特に太平洋戦争について書かれている代表的な資料2冊
をご紹介します。
(1) 『商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時船史』 野間恒/編著 野間恒 2002.05
昭和16(1941)年12月8日から昭和20(1955)年8月22日まで、
戦争で失われた大阪商船、三井物産、三井船舶、関係会社の
乗組員と船の完成から喪失までを一隻ずつ時系列で紹介しています。
船の写真と詳細な解説もあります。
前書きでは「「船(の歴)史」よりも乗組員中心に構成した本」と説明しています。
巻末には下記リストを掲載しています。
p.597-602 「太平洋戦争中の戦禍喪失船リスト」
船名、総トン数、年月日、喪失原因、攻撃戦艦/航空機、
犠牲者数(船員/その他)を年月日順に記載しています。
p.603-606 「触雷による喪失船(総トン数、喪失年月日)と戦没者」
(2) 『日本郵船戦時船史 太平洋戦争下の社船挽歌』上・下 日本郵船/編 日本郵船
1971
日本郵船及び戦後合併した三菱汽船所有の船およそ280隻が太平洋戦争でどのよう
に遭難したかをまとめた資料です。
遭難の年月日順に、一隻ずつ船名、徴用種別、遭難日時、遭難地点、遭難状況などが
詳細に記載されています。
下巻には付録として昭和16(1941)年・17(1942)年、昭和18(1943)年、昭和
20(1945)年それぞれの「社船遭難位置図」と、「三菱汽船所属船遭難位置図」が収
録されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 各種の船舶.艦艇 (556 8版)
- 海運 (683 8版)
- 日本史 (210 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000307981