①『天文学大事典』
p.405-406〈太陽〉の項に、「17世紀以降、太陽系の相対的な距離関係が知られるようになり、地球と惑星との距離さえ求められれば、太陽-地球間の距離である天文単位が計算できるようになった。接近時の火星や小惑星を地球上の2点で観測して、三角測量の原理で惑星までの距離を求めたり、金星の太陽面通過から金星までの距離が測られたりしている。最近では、金星までの距離がレーダーで直接測定できるようになり、観測精度は飛躍的に向上した。」と述べられている。
②『太陽大図鑑』
p.82-85〈太陽までの距離は?〉に、太陽までの距離の計算方法の変遷が書かれている。p.84「カッシーニは三角法を用いて地球上の2地点から火星までの距離を測り、視差を利用して地球から太陽までの距離を誤差6%以内の精度で計算したのです。」とある。また、「現代の機器は1億5000万kmを超す距離を誤差2~3mの精度で測定可能」であるとも述べられている。
p.85の図の解説には「太陽を周回する地球の軌道は楕円形で、2つの距離は軌道上の地球の位置によって変化する。2012年、国際天文学連合はその平均距離を天文単位とし、その距離を1億4959万7870.7kmと定めた。」と述べられている。
③『「ものをはかる」しくみ』
p.232-234〈月や太陽までの距離をはかる〉の項に、「太陽までの距離は「光行差」という考え方で求めることができます。」とあり、年周光行差を使った考え方を図で解説している。
④『宇宙の基礎教室』
p.9-11〈質問5.星までの距離はどのようにして測るのですか(1.年周視差)〉に、年周視差を使って測る考え方が解説されている。
⑤『超・宇宙を解く』
p.80-83〈19. 恒星の距離を推定する〉に、年周視差を用いる距離の測定法が、数式を使って詳しく解説されている。
⑥『理科年表オフィシャルサイト』の中に、天体の距離を出すための考え方が3種類解説されている。年周視差を使う方法、標準光源法という天体の色と真の明るさから導き出す方法、ハッブルの法則を使って銀河やクェーサーなど宇宙膨張に乗っている天体の距離を導き出す方法について書かれている。
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視差と光行差の違いについて調査する
①『天文学大事典』
p.526<年周視差>の項には、「地球から恒星を見るとき、その方向が地球の公転により1年を周期として変化する。この変化は天球上に楕円を描き、これを視差楕円と呼ぶ。この視差楕円の大きさから年周視差が求められ、年周視差から、地球から恒星までの距離を求めることができる。」と書かれている。
p.526<年周光行差>の項には、「恒星の見かけの位置は、周期1年で光行差楕円と呼ばれる楕円形を描くように変化する。」と書かれている。
⑦国立天文台の運営する用語解説サイト『暦Wiki』の<視差>の項に、年周視差と年周光行差の関係について、「年周視差と年周光行差はどちらも1年周期ですが、ずれる向きや大きさが異なります。」とあり、図を用いて解説されている。